一次抗体 (免疫/炎症)

アレルギー性疾患は、ダニ、ペットのフン、花粉、カビ、食物などの抗原に対する過剰な免疫反応から生じます。
当社では、コナヒョウヒダニのDer fII抗原を特異的に認識する抗体を販売しています。また、アレルゲン物質は海外メーカー品も含め多数取り扱っています。

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ダニはなぜアレルゲンとなるのか?

アレルゲンはIgEと結合し、種々のアレルギー症状を引き起こす分子のことを指します。ダニや花粉そのものをアレルゲンと呼ぶこともありますが、実際にはそれらに含まれる特定の分子によってアレルギー症状が引き起こされます。

アレルゲンがアレルゲンたる理由にはいくつかありますが、主にIgE抗体やヘルパーT細胞(Th2)による免疫反応を誘導する分子がアレルゲンとなります。その他にもアレルゲンが本来有するタンパク質としての機能や構造が、皮膚バリアの破壊や自然免疫応答の誘導、IgE産生の増強などを引き起こし、感作の開始や憎悪化が生じやすいことなどが理由と考えられています。

代表的なアレルギーであるダニアレルギーの最も主要な分子は、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のDer pIとDer pII、およびコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)のDer fIとDer fIIと言われています。Der pI/Der fIはシステインプロテアーゼ活性を持つタンパク質で、その酵素活性によって上皮細胞のバリア機能の破壊や、IgE産生の増強、免疫制御分子の切断が生じると報告されています。一方、Der pII/Der fIIは本来の機能が未解明な部分があるものの、自然免疫系であるToll Like Receptor 4 (TLR4)を刺激することでアレルギーの発症や憎悪に関与しているのではないかと言われています。

アレルゲンを検出するためにはこれらの分子を特異的に捕捉する抗体が必要となります。当社では富士フイルムワコーシバヤギの アレルゲン抗体を取り扱っています。

参考文献

椛島健治 編:「病態の理解へ向かうアレルギー疾患研究」. p.27 (羊土社) (2013)
安枝浩: アレルギー, 57(7), 807 (2008)