Organ-on-a-chip (Emulate社)
Emulate社は、米ハーバード大学のWyss(ヴィース)研究所が開発した生体機能チップ技術の実用化を目的に2013年に設立された創薬支援スタートアップです。すでに生体機能チップを製品化し、本チップ上で細胞を培養するための培養装置とあわせて製薬企業やアカデミアに販売するなど、欧米を中心に事業を展開しています。
Emulate社の生体機能チップは、チップ上の微細な流路内にある多孔質膜の両側で、ヒト生体の臓器から採取した異なる細胞を同時に培養し、肺や腸、肝臓などの複雑な臓器モデルを作製できます。さらに、流路には伸縮性のある素材を採用しているため、流路に刺激を与えて体内の肺細胞の拡張・伸縮や腸細胞の蠕動運動といった臓器の動きを模倣できるなど、ヒト生体の臓器に近い機能を再現でき、それぞれの臓器の疾患に対する、医薬品候補の有効性・安全性をより高精度に調べることが可能です。
ANNOUNCING
Emulate Launches Solid Tumor CAR T-Cell Therapy Workflow
With this validated and flexible Organ-Chip workflow, researchers can model the holistic journey of chimeric antigen receptor (CAR) T-cell therapy--including vascular administration, endothelial attachment, T cell migration, and antigen-specific killing--in a vascularized cancer cell line model.
BIO-Kit シリーズは、Emulate 社にてバリデートされた臓器モデル作製キットです。
Basic Research Chip Kitと各モデルのCell Pack を組み合わせて作製します。結腸、十二指腸、腎臓、肝臓モデル作製キットをラインアップしています。
特長
- Qualified cells
- Qualified flow conditions
- Qualified ECM
- Optimized protocol
学術コンテンツ
概要
医薬品の研究開発の現場では、候補となる薬剤の有効性や安全性を評価するために、マウスなどを用いた動物実験が行われています。しかし動物実験では、ヒト生体における有効性・安全性を正確に予測することは難しいため、臨床試験の段階で治療効果を確認できない場合や新たな副作用が生じる場合があります。
また近年では、動物実験を代替する評価方法に対するニーズも高まっていることから、ヒト細胞を用いてチップ上で臓器に近い機能を再現できる生体機能チップ(Organ-on-a-chip)が注目されています。
Organ-on-a-chipのメリット
- マイクロ流路チップ技術を用いることで、3次元培養が可能となり、かつ試薬量、細胞量も減らすことが可能
- 灌流により細胞への栄養補給、老廃物除去が可能となり、長期間にわたる培養維持が可能
- 培地を灌流することにより発生する剪断力により、細胞がより実際に近い状態の機能を発揮
Human Emulation System®
Human Emulation System® は、以下の4点で構成されます。
- 〇 膜を挟んで複数種類の
細胞を共培養可能 - 〇 Flow条件下で
培養可能 - 〇 ストレッチ刺激を与える
ことが可能
流路には伸縮性のある素材を採用しているため、流路に刺激を与えて体内の肺細胞の拡張・伸縮や
腸細胞の蠕動運動といった臓器の動きを模倣できるなど、ヒト生体の臓器に近い機能を再現でき、
それぞれの臓器の疾患に対する、医薬品候補の有効性・安全性を調べることが可能です。