ADME および毒性学アプリケーション向け薬物低吸着チップ

Chip-R1™ Rigid Chip

Chip-R1

Organ-on-a-Chip は、ヒト生体内で細胞が受ける自然な生理機能と機械的な力を再現するマイクロ流路技術で、透明性、柔軟性、生体適合性、酸素透過性などの観点からポリジメチルシロキサン(PDMS)の素材がよく用いられています。しかし、PDMS は疎水性分子の一部を吸着するため、データの信頼性に影響する恐れがあります。
Emulate社のChip-R1™ は、薬剤吸着が少ない硬質プラスチックによりこの影響を解消し 、Organ-on-a-Chip の主要な機能を維持しながら薬剤候補の評価の精度を向上させることができます。肝臓や腎臓などストレッチ(伸縮)を必要としない臓器モデルに適しています。

特長

薬剤低吸着性

薬剤低吸着性

低分子化合物の吸着が少ない硬質プラスチックを採用しており、Liver-chipでの薬物の毒性学、有効性、ADMEプロファイル評価に最適です。

高いshear stress

高いshear stress

最大2.3 dyn/cm2 のshear stress をかけることができ、免疫細胞の動員などの用途における生理学的関連性評価に有効です。

簡素化されたワークフロー

簡素化されたワークフロー

あらかじめ活性化(親水化)されたメンブレンを搭載しており、チップを活性化せず、そのまま使用できます。

短い作動距離でイメージング可能

短い作動距離でイメージング可能

上皮チャネルまでの作動距離(working distance)が短く、より鮮明にイメージングできます。

Chip-R1™ Rigid Chip

Chip-R1 diagram

Chip-R1™ の薬剤吸着特性

Nefazodone Labetalol Trovafloxacin Diclofenac sodium Bufuralol HCl Midazolam Phenacetin S-mephenytoin
Dosing concentration 30 μM 137 μM 200 μM 20 μM 10 μM 20 μM 30 μM 35 μM
logP 4.3-4.7 2.7-3.1 0.3-0.9 4.26-4.75 2.99-3.24 2.73 1.41-1.62 1.64-1.69
Molecular
weight (Da)
470 328.4 416.4 318.1 297.82 325.8 179.2 218.3
Topological
Surface Area
2)
51.6 95.58 99.8 52.2 45.4 30.2 38.3 49.4
pKa 7.09 9.3 5.9 4 13.06 5.5 14.98 8.1
Ionization
status at pH
7.4
Neutral Cationic Zwitterion Anionic Cationic Neutral Neutral Neutral
フロー30μL/h 開始後24~28 時間における化合物平均回収率

フロー30μL/h 開始後24~28 時間における化合物平均回収率
8種類の薬剤吸着性を評価した結果、ネファゾドン、ブフラロール、ミダゾラムの3薬剤で高い吸着は確認した。これらの薬剤は、比較的高い疎水性、低分子量、低トポロジカル極性表面積のため、PDMS 吸着リスクが大きいと予測した。一方、本品(Chip-R1™)では3 薬剤でも吸着が大幅に改善された。

Chip-R1™ と Chip-S1® の比較

主な特長 Chip-R1™ Chip-S1®
Bottom チャネルの高さ 100 µm 200 µm
最大流量 2,000 µL/h 1,000 µL/h
最大shear stress 2.3 dyn/cm2 0.3 dyn/cm2
膜の厚さ 22 µm, PC 50 µm, PDMS
細孔サイズ、配置 3 µm, ランダム 7 µm, 均一
チップ底面から膜上部までのイメージング距離(W.D.) 172 µm 850 µm
チップの前処理 不要 必要(親水化)
臓器の伸縮運動 No Yes
Pod Portable Module Pod-2(低吸着) Pod-1

ケーススタディ:薬物投与試験における肝毒性検出の改善 ー Liver-Chip R1 モデル ー

Liver-Chip R1モデル

7日目におけるネファドゾン投与 Liver-R1™ チップの位相差画像

7日目におけるネファドゾン投与 Liver-R1™ チップの位相差画像

30μM ネファドゾンを30μL/h の流速で処理した場合、Liver-Chip R1は、位相差イメージングにて細胞死が観察され、肝毒性を確認した。

Top Channel:primary human hepatocyte
Bottom Channel:primary human liver sinusoidal endothelial cells(LSECs), Kupffer cells, and stellate cells

アルブミン & ALT 反応

30 µL/h の流速で30 µMのネファゾドンを処理したところ、Liver-Chip R1™ は、アルブミン産生の減少とALT 放出の増加が観察された。一方、ネファゾドンの同じ濃度と流速で処理したLiver-Chip S1® では、肝毒性の兆候は最小限にとどまった。これは、PDMS への吸収性が高い可能性がある化合物の毒性を予測する研究において、Chip-R1™ の有用性を示している。

キット構成

製品コード 製品名 キット構成
558-57201
AI-BRK-R1-12
Chip-R1™ Basic Research Kit-12pk 12×Chip-R1™
12×Pod-2™
6×Steriflip® filter
550-58121
AI-BRK-R1-24
Chip-R1™ Basic Research Kit-24pk 24×Chip-R1™
24×Pod-2™
8×Steriflip® filter
557-58131
AI-STP-R1-6
Chip-R1™ Starter Pack 6×Chip-R1™
6×Pod-2™
4×Steriflip® filter
2×Chip Cradles
1×Square dishes, 10pk

Liver-Chip R1 を評価するには

Liver- CO Culture Cell Pack およびLiver- QUAD Culture Cell Pack は、Chip-S1 Basic Research Chip-Kit もしくは Chip-R1 Basic Research Kit との同時購入が必須です。

メーカーコード 製品名 容量 細胞種 保管条件
BIO-LH-CO-JP Liver- CO Culture Cell Pack 1パック Hepatocytes + Liver Sinusoidal
Endothelial Cells [LSECs]
液体窒素(気相)
BIO-LH-QUAD-JP Liver- QUAD Culture Cell Pack 1パック Hepatocytes + Liver Sinusoidal
Endothelial Cells [LSECs]
+ Kupffer cells + Stellate cells
液体窒素(気相)

ご購入にあたっての注意事項

  • 掲載製品は、Emulate 社システムでのみ使用できます。メーカーコードは、日本向けの専用コードです。
  • Chip-R1™ は、Pod-2™ でのみ使用できます。
  • Chip-R1™ は、ストレッチ(伸縮)する臓器モデルへの使用を推奨しません。
  • Liver- CO Culture Cell Pack およびLiver- QUAD Culture Cell Pack は、Chip-S1 Basic Research Chip-Kit もしくは Chip-R1 Basic Research Kit との同時購入が必須です。
    Chip-R1™ あるいはChip-S1® をお持ちの場合でも、単品購入はできません。

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    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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