キレート滴定

キレート滴定 (chelatometric titration)

キレート滴定とは錯体の形成を利用して行う錯滴定 (compleximetric titration) の一種で、キレート試薬を用い、主に金属イオンを定量する分析法の1つとしてよく知られています。

主なキレート試薬としてEDTA (エチレンジアミン四酢酸) が用いられますが、EDTAは水に難溶であることから、二ナトリウム塩 (エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム:2NA) がよく使用されます。

学術コンテンツ

金属指示薬の例

指示薬 調整方法 滴定可能金属 直接滴定の場合の変色
エリオクロムブラックT (BT) 0.5gを塩酸ヒドロキシアルミン4.5gと共にメタノール100mLに溶解する Mg,Ca,Zn,Cd.Hg(II),Mn(II),Pb,In 赤→青
ムレキシド (MX) 0.2~0.4gをNaClまたはK2SO4 100gと混合した希釈粉末を用いる。褐色瓶に密栓して貯える。 Ca,Co,Ni,Cu 赤または黄→紫
1- (2-ピリジルアゾ) -2-ナフトール (PAN) 0.1% エタノール溶液 Zn,Cd,Cu,In 赤紫→黄
4- (2-チアゾリルアゾ) -レソルシノール (TAR) 0.1% エタノール溶液 Cu 赤紫→黄
ビロカテコールバイオレッド (PV) 0.1%水溶液 Bi,Th,Cu,Ni,Mn(II),Co,Zn,Cd,Pb,Mg 青→紫または黄
キシレノールオレンジ (XO) 0.1%水溶液 Bi,Cd,Hg(II),Pb,Zn,Thなど 赤紫→黄
引用文献
・高純度化技術大系 第1巻 分析技術
・化学大辞典