脂質の酸化現象を確認する

同仁化学 脂質過酸化検出試薬

活性酸素種とは酸素を起点に化学反応にて生じる様々な酸化力を増した分子を示します。近年、生体内でスーパーオキサイドから反応が進行し、脂質の酸化等が引き起こされ、これが炎症や細胞死等の様々な疾病と関係性が報告されており、種々の研究の検査対象となっております。以上の様に、活性酸素は生体内にて多様な変化をするため、その検出には、各活性酸素を正確に解析する試薬を理解し使用する必要があります。

Lipid Peroxidation Probe -BDP 581/591 C11-は脂質周辺のROS発生状況を確認する試薬であり、脂質過酸化現象を高感度にかつ網羅的に検出します。また、高感度検出によりLiperfluo*では検出困難であったプレートリーダーでの検出が可能であり、蛍光の数値化やスクリーニング用途に関して優れた製品です。

  • Liperfluo (製品コード: L248):過酸化脂質を特異的に検出する製品

製品特長

特長

  • 脂質過酸化を高感度に検出できる
  • 顕微鏡、プレートリーダー、フローサイトメーターで検出可能

性質

Lipid Peroxidation Probe -BDP 581/591 C11- (脂質過酸化検出試薬) は脂質過酸化を検出することができる蛍光色素です。本蛍光色素は過酸化脂質とは応答しませんが、脂質が過酸化される際に発生する脂質ラジカルなどと反応するため、結果的に過酸化脂質の発生を検出することができます。
未反応の本色素は赤色の蛍光を発しますが、脂質周辺のラジカルと応答後は、その蛍光特性を赤色から緑色の蛍光に変化させます。このように、赤色と緑色の蛍光強度比で検出するため、高感度に脂質過酸化を検出することが可能となります。

実験例

t-BHP (tert-butyl hydroperoxide) 処理した HepG2細胞の脂質過酸化の検出

本色素で染色後のHepG2 細胞に、200 µmol/l t-BHPを含むHBSS溶液を添加し2時間の刺激を与え、未刺激の細胞との蛍光強度を比較しました。結果、未処理の細胞に比べ t-BHP 添加の細胞では、赤色蛍光の減少と緑色蛍光の増加が確認されました。さらに、この細胞をプレートリーダーで検出を行ったところ、緑色/赤色蛍光の強度比で結果を算出したところ、高感度に脂質過酸化を検出できていることがわかりました。なお、フローサイトメーターで検出した場合、緑蛍光のヒストグラムが増加していることも確認できました。本色素は、異なる3つの分析器を用いて解析することが可能であることがわかりました。

<検出条件>
検出装置:蛍光顕微鏡
Green: GFP filter (Ex = 450-490 nm, Em = 500-550 nm)
Red: TexasRed filter (Ex = 540-580 nm, Em = 600-660 nm)
Scale bar: 50 µm

<検出条件>
右図
 検出装置:蛍光プレートリーダー
 Green: Ex = 490 nm, Em = 520-540 nm
 Red: Ex = 570 nm, Em = 600-620 nm
左図
 検出装置:フローサイトメーター
 Filter: FITC filter (Ex = 488 nm, Em = 515-545 nm)

Cumene hydroperoxide処理におけるHepG2細胞の脂質過酸化の検出

本色素で染色後のHepG2 細胞に、200 µmol/l cumene hydroperoxide を含むHBSS溶液を添加し2時間の刺激を与え、未刺激の細胞との蛍光強度を比較しました。結果、未処理の細胞に比べ cumene hydroperoxide 添加の細胞では、赤色蛍光の減少と緑色蛍光の増加が確認され、脂質過酸化を検出できていることがわかりました。

<検出条件>
検出装置:蛍光顕微鏡
Green: GFP filter (Ex = 450-490 nm, Em = 500-550 nm)
Red: TexasRed filter (Ex = 540-580 nm, Em = 600-660 nm)
Scale bar: 50 µm

Erastin 処理した HepG2細胞の脂質過酸化の検出

10 µmol/l Erastin を含むMEM培地を添加し2時間の刺激を与えたHepG2 細胞と、未刺激の細胞を本色素を用いて比較しました。結果、未処理の細胞に比べ刺激有りの細胞では、赤色蛍光の減少と緑色蛍光の増加が確認され、脂質過酸化を検出できていることがわかりました。

<検出条件>
検出装置:共焦点レーザー顕微鏡
Green: Ex = 488 nm, Em = 510-550 nm
Red: Ex = 561 nm, Em = 600-630 nm)
Scale bar: 50 µm

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脂質過酸化現象の検出

関連製品一覧

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脂質過酸化物の検出

マロンジアルデヒドの検出

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