細胞内代謝・ミトコンドリア研究用試薬

同仁化学 酸素消費速度プレートアッセイキット

ミトコンドリアは酸化的リン酸化によるATP 産生過程で多くの酸素を消費する事が知られており、ミトコンドリア活性を直接反映する指標として酸素消費速度(以下、OCR)が測定されています。がん細胞では解糖系によりATP を産生することが知られていますが、最近の研究では解糖系を抑制するとミトコンドリアの酸化的リン酸化に代謝シフトすることも分かってきており、細胞のOCR 測定が注目されています。

製品特徴

本キットには、培地中の酸素濃度が高いほどりん光が弱くなる特性を持つOxygen Probe と、Well内に空気中の酸素流入を遮断するためのMineral Oil を同梱しています。
細胞外の酸素濃度に応じたりん光強度を蛍光マイクロプレートリーダーで測定後、Stern-Volmerの関係式より細胞のOCR を算出(自動計算シート)します。

測定方法の比較

同仁化学
Extracellular OCR Plate Assay Kit
A 社製品 B 社装置
利用測定装置 蛍光
マイクロプレートリーダー
時間分解測定機能付き
蛍光マイクロプレートリーダー
細胞外フラックスアナライザー
原理 りん光 りん光 りん光
波長 Ex=500 nm / Em=650 nm Ex=380 nm / Em=650 nm Ex=532 nm / Em=650 nm
装置以外の
専用試薬
無し 無し 無し
薬剤の添加数 1 種類/ well 1 種類/ well 最大4 種類/ well
(連続添加)
測定できる項目 細胞外酸素濃度 細胞外酸素濃度 細胞外酸素濃度と
水素イオン濃度

フレックスアナライザーとの比較

フラックスアナライザー(XFe24)と本キットを、同条件(細胞種・細胞数・FCCP 濃度)にて、同日測定しました。
その結果、XFe24 と本キットで相関する酸素消費速度変化のデータが得られました。

実験例

ミトコンドリア電子伝達系の阻害

Jurkat 細胞にAntimycin 刺激を行い、ミトコンドリア電子伝達系を阻害した際の細胞の状態変化を、様々な指標から評価しました。
その結果、電子伝達系の阻害により、 ① ミトコンドリア膜電位の低下および ② OCR が低下しました。
また、③ 解糖系を強制的に維持するために、ピルビン酸から乳酸への代謝が亢進することで、 ④ 解糖系全体のNAD/NADH 比が低下し、 さらに、 活性酸素種(ROS)の増加に伴う ⑤ GSH 枯渇、グルタチオン生合成に必要なNADH の減少に伴う ⑥ NADP/NADPH 比の増加を確認しました。

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。