3D Culture Substrate

ニッピ MatriMixシリーズ

細胞培養における足場材は、細胞の増殖や運動、形態などに影響を与える欠かせない存在です。細胞は、培養環境である足場材の種類や固さなどを認識します。通常のプラスチック容器上で2次元培養したときの細胞挙動は、必ずしも生体内の性質を反映していないことも多く、近年3次元培養技術が着目されています。MatriMixシリーズは、生体内に近い環境での細胞培養を目指して開発した3次元培養基材製品です。構成成分は、コラーゲンとラミニンE8断片、ヒアルロン酸です。ゲル化は、生理的な温度と溶媒の環境で線維形成するコラーゲンの性質を利用しています。既存の足場材に満足できない方は、是非お試し下さい。

MatriMix 製品情報

MatriMixでは、細胞に合わせてゲル強度のコントロールや組成のカスタマイズが可能な「MatriMix(511)」とPDXモデル作製用の1液タイプの「MatriMix for PDX」を取り揃えています。

MatriMix (511)
細胞培養用基材
MatriMix for PDX
マウス移植用基材
特長
  • 基材選択バリエーションが豊富
  • 生体内を模倣した組織化誘導
  • ゲル強度のコントロールが可能
  • マウス移植によってがん患者細胞に由来する腫瘍が形成可能
  • 簡便な操作性
構成情報 3種チューブ(5 mL,1 mL,4 mL) 1チューブ
保存条件 2~8℃ -20℃
カスタム対応 可能 不可
  • ラミニンE8の種類や、コラーゲンタイプのカスタマイズ可能です。詳細はこちらから

アプリケーションデータ

MatriMix(511) を用いた各臓器オルガノイド形成

MatriMix(511)を用いた各臓器オルガノイド形成

マウス発生期臓器由来細胞をMatriMixを用いて三次元培養したところ、細胞の集合組織化が観察された(培養7日目、各マーカーによる免疫染色)。

赤マーカー 緑マーカー
A. 腎ネフロン PECAM-1(血管) Podocalyxin(糸球体上皮細胞)
B. 腸オルガノイド Type IV collagen CDX2(成熟腸細胞)
C. 肝血管形成 PECAM-1(血管) -
D. 肝オルガノイド Albumin(肝実質) CK19(胆管)

MatriMix for PDX を用いたPDXモデルにおける腫瘍形成と免疫蛍光染色

MatriMix for PDXを用いたPDXモデルにおける腫瘍形成と免疫蛍光染色

(a) MatriMix for PDXで懸濁した大腸がん患者由来細胞のスフェロイドを免疫不全マウスに皮下移植して形成させた腫瘍(移植後4週間)。

(b)-(d) 各基材を用いて形成させた腫瘍切片の免疫蛍光染色。MatriMix for PDXの場合、腫瘍組織に間質が含まれると共に、大腸がんマーカーCEA (Carcinoembryonic Antigen)を発現する細胞が多数観察された。

赤; CEA, 緑; Type I Collagen, 青; DAPI

FAQ

MatriMix(511)もがん患者組織/細胞(PDX/PDC)移植モデルに使用できますか?

MatriMix (511)を使用してがん患者細胞をマウスに移植することで、腫瘍が形成されることを確認できております。実験内容プロトコルもご用意しておりますのでご確認ください。

ゲルが固まりません(ゲル化が遅いです)。

マウス腫瘍由来基底膜成分と比べて、ゲル化に時間を要します。ゲル化には37℃での加温が30分間以上必要で、薄い白濁化がゲル化の目安となります。
本製品はゲル化に影響が出るため、冷凍や調製後の作り置きができません。取扱説明書に従い、冷蔵および適宜用時調製してご利用ください。
本製品は希釈することでゲル化しにくくなる場合がございます。特に包埋培養する場合は、可能な限り培地等を遠心除去してから細胞と懸濁してください。ゲル化が起こりにくい場合、細胞が培養容器の底に沈みやすくなります。

培養後に細胞を回収方法はありますか?

ニッピ製品Brightase-Cによって、コラーゲンを分解することで細胞を回収できます。単分散させる場合には更にトリプシン処理が必要です。詳しくはプロトコルをご覧ください。

成長因子は含まれますか?

本製品は特段成長因子を添加しておりません。主成分であるコラーゲンは動物組織由来、ヒアルロン酸は微生物由来、ラミニンE8はCHO-S細胞の培養上清由来(完全合成培地/動物由来成分不含)で、各々高純度に精製しているため、成長因子はほとんど含まれないと考えられます。

ラミニンE8断片の由来は何ですか?

インテグリン結合活性に重要な配列を含むラミニンの断片(E8断片)を組換えタンパク質としてCHO-S細胞に発現させて、高純度に精製しております。この組換えタンパク質は、株式会社マトリクソームからiMatrixシリーズとして販売しております。

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

細胞培養用基材

マウス移植用基材

関連製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

コラーゲン分解酵素

研究試薬用コラーゲン(液状)

研究試薬用コラーゲン(粉末)

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。