りん酸部位の脱保護試薬 (合成後処理)

2-シアノエチル基の構造式
2-シアノエチル基

合成した DNA/RNA はアンモニア水のような塩基試薬で処理することにより、固相担体からの切り出し、塩基部位 (アミノ基) の保護基およびりん酸部位の保護基 (2-シアノエチル基) の脱保護を同時に行います。ここでは 2-シアノエチル基の脱保護に使用するアンモニア水やジエチルアミン溶液などの塩基試薬をご紹介しています。合成スケールや目的に応じて使い分けください。

りん酸を保護する 2-シアノエチル基の脱保護反応ではアクリロニトリルが副生されます。アクリロニトリルは発がん性の可能性があることや核酸塩基部位、例えば、チミジンにアクリロニトリルが付加反応することで 2-シアノエチル化を引き起こすことが問題になっています。そこで、アクリロニトリルによる副反応を回避する方法として、一般的なアンモニア水ではなく、ジエチルアミン/アセトニトリル溶液のような弱塩基試薬を用いることで固相担体との結合を保持したまま 2-シアノエチル基を脱保護、その後、固相担体からの切り出し、核酸塩基部位の保護基を脱保護する方法があります。核酸医薬の合成を目的とする中~大量合成では、副生成物を抑制、除去工程を避けるためにこの方法を用いることがあります。

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反応例

アンモニア水による 2-シアノエチル基の脱保護反応および副生したアクリロニトリルとチミジンの反応

ジエチルアミンによる 2-シアノエチル基の脱保護反応

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