Tocris Janelia Fluor Dye
Janelia Fluorは、ハワード・ヒューズ医療研究所(Howard Hughes Medical Institute、HHMI)ジャネリア・リサーチキャンパス(Janelia Research Campus)のLuke Lavis研究室で開発された蛍光色素です。
本製品は、明るく、光安定性に優れた細胞透過性のテトラメチルローダミンベースの蛍光色素です。NHSエステル体で供給されるため、第一級アミンへの結合が可能であり、各種タグシステムに使用できます。また、共焦点蛍光イメージングや生細胞及び固定細胞のdSTORMのような超解像顕微鏡(SRM)技術に適しています。
特長
- 明るく、光安定性に優れている
- 細胞透過性
- ローダミンがベースである
- NHSエステル体のため、第一級アミンへ結合可能
- 一部の色素は、他の反応基の製品もラインアップ
- 光活性化可能な誘導体(PA Janelia Fluor)もラインアップ
Janelia Fluor, SE
NHSエステル体として供給されるため、第一級アミンに結合させることができます。HaloTag、SNAP-tagといったタグシステムに使用できます。
※HaloTagは、Promega Corporationの商標または登録商標です。
SNAP-tagは、New England BioLabs, Inc.の商標または登録商標です。
JF 525 | JF 549 | JF 585 | JF 635 | JF 646 | JF 669 | |
---|---|---|---|---|---|---|
メーカーコード | # 6296 | # 6147 | # 6418 | # 6419 | # 6148 | # 6420 |
蛍光色 | 緑/黄 | 黄 | オレンジ | 赤 | 赤 | 深赤 |
輝度 | ||||||
推奨レーザーライン(nm) | 488 | 532/561 | 561 | 640 | 640 | 640 |
励起波長(nm) | 525 | 549 | 585 | 635 | 646 | 669 |
蛍光波長(nm) | 549 | 571 | 609 | 652 | 664 | 682 |
吸光係数 (M-1cm-1) | 122,000 | 101,000 | 156,000 | 167,000 | 152,000 | 116,000 |
量子収率 | 0.91 | 0.88 | 0.78 | 0.56 | 0.54 | 0.37 |
反応基 |
|
|
|
|
|
|
アプリケーション |
|
|
|
|
|
|
光活性型蛍光色素 PA Janelia Fluor, SE
365 nmの光照射で活性化されるまでは蛍光を示さない、光活性型蛍光色素です。NHSエステル体として供給されるため、第一級アミンに結合させることができます。HaloTag、SNAP-tagといったタグシステムに使用できます。
PA Janelia Fluor 549, SEとPA Janelia Fluor 646, SEを併用した場合、405 nmで活性化することにより、生細胞で二色sptPALMを行うことができます。
※HaloTagは、Promega Corporationの商標または登録商標です。
SNAP-tagは、New England BioLabs, Inc.の商標または登録商標です。
PA JF 549 | PA JF 646 | |
---|---|---|
メーカーコード | # 6149 | # 6150 |
励起波長(nm) | 551 - 553 | 649 - 651 |
蛍光波長(nm) | 570 - 573 | 663 - 665 |
使用例
心臓組織におけるJanelia Fluor 549. SE使用例
図1. ブタ心臓の筋組織における広視野蛍光画像
心筋細胞間の間質腔におけるコラーゲンⅥ分布を示す。コラーゲンⅥに対する一次抗体で反応後、JF 549で標識した二次抗体を反応させた。
スケールバー:50 μm
図2. SERCA2ATPaseに対する抗体で標識したブタ心臓組織片(10 μm厚)
筋小胞体の複雑な構造を示している。
(上) JF 549の自発的な光スイッチングを利用して得られた超解像画像(dSTORM)。回折限界広視野画像(下)と比べ、より優れて細部を示している。
スケールバー:200 nm
図3. 単離されたα-アクチン染色Wistarラット心筋細胞
筋節の端に局在する周期的な構造を示している(Z-discs)。
(左) 光スイッチングを誘導するための561nm照射前のJF 549の広視野蛍光画像。
(右) dSTORM超解像画像。
スケールバー:1 μm
All images kindly provided by Prof. Christian Soeller, University of Exeter; acquired by Alex Clowsley and Anna Meletiou.
心臓組織におけるJanelia Fluor 646, SE使用例
ブタ心臓左心室筋組織の超解像画像(dSTORM)。細胞原形質膜に存在するコラーゲンⅥをJF646で標識し、励起波長642 nmでイメージングした。広視野画像(右上)と比べ、より鮮明な構造を得られた。
スケールバー:2 μm
Image kindly provided by Prof. Christian Soeller, University of Exeter; acquired by Alex Clowsley and Anna Meletiou.
ミトコンドリアにおけるJanelia Fluor 635, SE使用例
抗TOM20抗体を一次抗体としてミトコンドリアを標識し、JF 635を結合した二次抗体で検出した。
左: 最大値投影法によるZスタック画像(オリンパスFV1200共焦点顕微鏡)
右: 拡大画像
Images kindly provided by Dr Kirstin Elgass, Monash University
チューブリンにおけるJanelia Fluor 669, SE使用例
抗α-チューブリン抗体を一次抗体として微小管を標識し、JF 669を結合した二次抗体で検出した。
左: 最大値投影法によるZスタック画像(オリンパスFV1200共焦点顕微鏡、レーザーライン: 638 nm)
右: 拡大画像
Images kindly provided by Dr Kirstin Elgass, Monash University
参考文献
- Grimm, J. B. et al. : Nat. Methods, 14, 987 (2017). [JF 525] [JF 585] [JF 635] [JF 669]
- Grimm, J. B. et al. : Nat. Methods, 12, 244 (2015). [JF 549] [JF 646]
- Deng, W. et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 112, 11870 (2015). [JF 549] [JF 646]
- Knight, S. C. et al. : Science, 350, 823 (2015). [JF 549]
- Legant, W. R. et al. : Nat. Methods, 13, 359 (2016). [JF 549]
- Schmidt, J. C. et al. : Cell, 166, 1188 (2016). [JF 646]
- Li, L. et al. : Elife, 5, e17056 (2016). [JF 646]
- Ticau, S. et al. : Cell, 161, 513 (2015). [JF 646]
- Hong, S. W. et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 106, 14276 (2009). [JF 646]
使用上のご注意
本製品は光感受性です。光を避けて保存ください。
ライセンスについて
本製品は、Tocris社がHoward Hughes Medical Institute, Janelia Research Campusよりライセンスを受けて販売しています。
製品一覧
- 項目をすべて開く
- 項目をすべて閉じる
Janelia Fluor, SE
Janelia Fluor, Azide
Janelia Fluor, free acid
Janelia Fluor, Maleimide
PA Janelia Fluor, SE
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。