共培養が変わる

水平型共培養容器 UniWells™

UniWells

UniWells™ Horizontal Co-Culture Plateは2つのウェルを横方向につなげた新しい共培養容器です。

これまでの培養溶液を共有する代表的な容器は、セルカルチャーインサートと呼ばれる上下に重ねるタイプの培養容器でした。不都合な点として、細胞の底面の素材が異なるため細胞の挙動も異なることや、相互の細胞を同時に顕微鏡で観察できませんでした。また、フィルターの上に細胞が位置するため、細胞数が増えると共培養効果が低下するという欠点がありました。さらには、容器同士の容量が大きく異なるため、培養液中に分泌された物質の希釈効果も加わり、共培養効率は高くはありませんでした。それらの欠点を解消するために、横に接続する方式の細胞培養容器を新たに作りました。

これまで困難だった相互作用の同時観察のみならず、効果的な共培養を行うことができるようになりました。サイズは、一般的なプレパラートサイズになっていますので、これまでの各種研究機器が利用可能です。フィルターも、13 mm直径であれば、自由に選ぶことができます。多種多様の共培養実験が可能です。

特長

  • 2細胞の顕微鏡観察が容易かつ同時観察が可能
  • ウェル間のフィルターが目詰まりしにくい
  • それぞれの細胞を独立して培養可能

横型のメリットとは

同じ培地量で実験できる

  • 従来品

    従来の縦型共培養容器は、下側の培地量が多く、上側の細胞分泌因子が希釈されてしまう。
  • UniWells™

    UniWells™なら左右同じ培地量で培養が可能。

 

細胞がフィルターを塞がない

  • 従来品

    従来の縦型共培養容器は、フィルターを細胞が塞いでしまい、細胞分泌因子のフィルター通過を阻害する。
  • UniWells™



    UniWells™なら細胞が増殖してもフィルターを塞ぎません。

使用例

エクソソームの取り込み

細胞から放出されるエクソソームが拡散し、フィルターを透過して別の細胞に取り込まれるかを確認するため、UniWells™ Horizontal Co-Culture Plateを使用して下記実験を行いました。

UniWells™を使用することで細胞が混ざることなく、エクソソームのみを透過させることができました。これにより別の細胞へのエクソソームの取り込みを簡便に調べることが可能になりました。

エクソソーム透過効率の比較

従来の共培養容器およびUniWells™の一方に、同じ数の細胞を播種しました。細胞を播種して24 時間後に共培養を開始し、更に播種から48 時間後、共培養容器それぞれに存在するエクソソームをNanoSight で測定しました。本実験では全体の培地量は同じにしています。

UniWells™の方が従来品よりもフィルターを通過しているエクソソームが多かった。

使用方法

  • 接続しての使用

    フィルター、O-リング、カバーをはめこんで接続します。

    ※フィルターのみ別途購入が必要です。

    接続方法は下記の2種類の方法があります。

    A) 単体で培養していたウェルを、一度培養液を吸引して接続する
    B) 最初に接続し、培養液量を増やして共培養状態にする

  • 単体での使用

    共通蓋とカバーをはめこめば使用可能です。

    顕微鏡での使用

    スライドガラスサイズのアダプターにセットすれば、顕微鏡での観察が容易にできます。

    ※アダプターは本体に附属しています。

3ウェル以上の多連結

Connector for horizontal plateを使用することで3ウェル以上の共培養が可能となります。

スフェロイド作製用デバイス「UniWells™ CuPS」

UniWells™ CuPSはウェルの底面に設置することでスフェロイドの形成を促す製品です。本製品には小さな窪みがあり、その中で細胞が凝集することでスフェロイドが形成されます。水平型共培養器 『UniWells™ Horizontal Co-culture Plate』 に設置することでスフェロイドを使った共培養実験が可能となります。

UniWells™ CuPS
実験例:
スフェロイド同士の共培養
浮遊細胞とスフェロイドの共培養 など
ウェルの底面に設置します。
UniWells™への設置

参考文献

従来の縦型共培養とUniWells™の差異や2連結以上、フィルターの孔径の大きさによるエクソソームの透過効率に関する情報が記載されています。 実験系の設立にお役立てください。

よくある質問

材質は何ですか?

UniWells™ 本体の材質はポリスチレンで、共通蓋の材質は低密度ポリエチレンです。またフィルター(別売)にはタンパク質が吸着しにくいポリカーボネートを使用しております。

滅菌の必要はありますか?

梱包後に電子線滅菌を行っておりますので不要です。ポリスチレンや低密度ポリエチレンは耐熱温度が低いため、オートクレーブなどはできません。原則として本製品は再利用できません。

コーティングはされていますか?

UniWells™ はコーティングされておりませんので、必要に応じてコーティングを行ってください。

播種細胞数の目安はありますか?

株式会社ギンレイラボではNHDF(ヒト線維芽細胞)やPANC-1(ヒト膵癌培養細胞)を、5 x 104 個/mL に調製したものを1 ウエルに190 μL 入れています。24時間後、細胞が接着した時には、40 〜50%くらいのコンフルになっています。ただし適切な細胞数は、目的とする実験や細胞の種類により大きく異なりますので、条件検討が必要です。

どのような顕微鏡で観察できますか?

UniWells™ はスライドグラスと同じサイズであるため、様々な顕微鏡で使用できます。CQ1(横河電機株式会社)、JuLI™ Stage(エア・ブラウン株式会社)については顕微鏡メーカーでも使用可能であることを確認しております。

共培養時に2つのウェルで溶液が均一になるのにどのくらいかかりますか。

UniWells™ Filter 0.6 µm (コードNo. 388-14441)の場合、グルコースは24hで同じ濃度となります。タンパク質の場合は48hで70%程度です。

フィルターを入れた実験で、液性因子の通過が少ないのですが。

タンパク質やエクソソームなどは、フィルターにも、容器にも、抽出するキットにも付着します。ポジティブコントロールサンプルで十分回収できている場合(抽出過程に問題がない場合)、まずは培養した条件やフィルターの処理を確認してください。よくあるケースでは、①培養液が少ない場合や、②フィルターを十分に脱気していない場合があります。

① 培養液量が少ない場合:フィルターが培養液に接する面積が少なくなり、著しく共培養効果が低下します。

  • × 悪い例 (培養液量1 mL)
    通路およびフィルターが培養液で覆われていません。共培養効果が著しく低下します。

  • ○ 良い例 (培養液量1.5 mL)
    通路およびフィルターが培養液で覆われています。これ以上培養液を入れると、上蓋を嵌めた際に蓋と液面が接着してしまい、表面張力で蓋から溢れ出す可能性があります。

② フィルターを十分に脱気していない場合:使用前に十分に脱気しないと、空気が残存し孔を塞いだままになり、共培養効果が低下します。

[脱気方法]
5分程度使用する培養液に浸しておき、ピンセットでフィルターをつまんで、よくすすいで取り出す。
※推奨※ 培養液に浸す前に70%エタノール3分処理する、あるいは培養液に浸して超音波振動で脱気すると効果的です。

フィルター処理による透過性の違い (株式会社ギンレイラボ提供)

製品一覧

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UniWells™ Horizontal Co-Culture Plate

UniWells™ Filter

連結用コネクター

UniWells™ Adapter 96

96ウェルプレートサイズのホルダー
UniWells™本体を8個セット可能

UniWells™ カバーガラス

UniWells™ CuPS

UniWells™ Fitting rod

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  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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