抗セロトニン受容体抗体
抗マウス5-HT1A受容体, ラットモノクローナル抗体(4A6)
抗マウス5-HT2C受容体, ラットモノクローナル抗体(6D2)
5-HT1A受容体および5-HT2C受容体は、セロトニン(5-HT)により活性化するGタンパク質共役型受容体です。いずれも主に中枢神経系に局在しており、記憶、摂食、睡眠、快感、不安等を制御する機能が報告されています。これらの受容体に作用する抗不安薬や抗精神病薬が開発されており、新規創薬ターゲットとして注目されています。
本製品はDNA免疫法により樹立したNative formの5-HT1A受容体や5-HT2C受容体を特異的に認識するラットモノクローナル抗体です。
特長
- 免疫組織染色での使用可能
- Native form の5-HT1Aあるいは5-HT2C受容体を認識
- DNA免疫法により樹立したラットモノクローナル抗体
性状
抗5-HT1A受容体抗体 | 抗5-HT2C受容体抗体 | |
---|---|---|
Clone No. | 4A6 | 6D2 |
実験適応 | 免疫組織染色(1:100-2,000) フローサイトメトリー(1:100-1,000) |
免疫組織染色(1:200-10,000) フローサイトメトリー(1:100-1,000) |
サブクラス | ラットIgG2b・κ | ラットIgG2a・κ |
種交差性 | マウス ※他の動物種は未検証 | |
抗原 | マウス5-HT1A受容体 発現ベクター | マウス5-HT2C受容体 発現ベクター |
DNA免疫法
DNA免疫法とは?
目的遺伝子の発現ベクターを用いて、動物体内で発現した抗原タンパク質を抗原に用いて抗体を作製する方法です。
DNA免疫法の特長
- Native formのタンパク質に反応する抗体が得られます
- 従来法では作製が難しい膜タンパク質を認識する抗体作製に適しています
DNA免疫法の原理
使用例 - 免疫組織染色
5-HT1A受容体抗体
-
前頭前野ニューロンの細胞体局在が確認された。
この局在は、5-HT1A受容体のmRNAの高発現部位と一致している。
5-HT2C受容体抗体
-
前頭前野ニューロンの細胞体局在が確認された。
この局在は、5-HT2C受容体のmRNAの高発現部位と一致している。
実験条件
検体:10週齢野生型マウス脳前頭前野
切片:12 µm凍結切片
賦活化条件:くえん酸緩衝液(pH7.0)中でマイクロウェーブ処理10分
抗体濃度:1 µg/mL
使用例 - フローサイトメトリー
5-HT1A受容体抗体
-
5-HT1A発現細胞でのみ、明らかなシフトが確認された。
5-HT2C受容体抗体
-
他社同等品と比較して、5-HT2C発現細胞でより明確なシフトが確認された。
使用例 - 5-HT1A受容体のmRNA発現部位での免疫組織染色
扁桃体(BLA)、 嗅内皮質(Ent)、 脚間核(IP)、背側縫線核(DRN)での陽性シグナルが確認された。
この局在は、5-HT1A受容体のmRNAの高発現部位と一致している。
実験条件
検体:10週齢野生型マウス脳各部位
切片:12 µm凍結切片
賦活化条件:くえん酸緩衝液(pH7.0)中でマイクロウェーブ処理10分
抗体濃度:1 µg/mL
使用例 - 5-HT2C受容体のmRNA発現部位での免疫組織染色
側坐核シェル(NAc shell)、扁桃体(BLA)、背側縫線核(DRN)での陽性シグナルが確認された。
この局在は、5-HT2C受容体のmRNAの高発現部位と一致している。
実験条件
検体:10週齢野生型マウス脳各部位
切片:12 µm凍結切片
賦活化条件:くえん酸緩衝液(pH7.0)中でマイクロウェーブ処理10分
抗体濃度:1 µg/mL
以上、全ての免疫組織染色データは、大阪大学大学院薬学研究科 松田先生および大阪大学大学院歯学研究科 田熊先生、長谷部先生よりご提供いただきました。
抗マウスセロトニントランスポーター, ラットモノクローナル抗体(R5-3-2)
セロトニントランスポーターは12回膜貫通型の膜タンパク質です。脳内の細胞外セロトニンをプレシナプスに取り込み、セロトニン量を調節しています。睡眠・恐怖・不安への関与が報告されており、抗うつ薬のターゲットとして研究されています。
特長
- 免疫組織染色に使用可能
- DNA免疫法により樹立
性状
抗マウスセロトニントランスポーター, ラットモノクローナル抗体(R5-3-2) | |
---|---|
Clone No. | R5-3-2 |
実験適応 | 免疫組織染色(1:100)、フローサイトメトリー(1:100~10000) |
サブクラス | ラットIgG2a・κ |
種交差性 | マウス ※他の動物種は未検証 |
抗原 | マウスセロトニントランスポーター発現ベクター |
使用例 - 免疫組織染色(蛍光染色)
セロトニントランスポーターの発現が報告されているセロトニン神経が豊富な背側縫線核(DRN)で免疫組織染色を行った。結果、神経細胞体に蛍光シグナルが認められた。
実験条件
- サンプル:10週齢ICR系マウス脳背側縫線核凍結切片
- 染色法:蛍光抗体法
- 賦活化条件:くえん酸緩衝液(pH6.0)中、マイクロウェーブ処理10分間
- 抗体濃度:1:100
- 一次抗体:本製品
- 二次抗体:Alexa 594 goat anti Rat IgG
データ提供:大阪大学大学院 歯学研究科 田熊先生、長谷部先生
プロトコル例
- スライドガラス上組織切片を0.3 % Triton X-100®-リン酸緩衝溶液(PBST)で洗浄する。
- マイクロウェーブを用いて、くえん酸緩衝液(pH6.0)中で賦活化処理を行う(10分間)。
- 常温へ戻す。
- 0.3 % PBSTで洗浄する。
- 5 % goat血清-PBSでブロッキング(1時間)。
- 一次抗体(本製品)を0.3 %PBSTで100倍希釈し、反応させる(4 ℃、over night)。
- 0.3 % PBSTで洗浄する。
- 二次抗体を反応させる(室温、2時間)。
- 0.3% PBSTで洗浄後、封入する。
Triton X-100は Dow Chemical Companyの登録商標です。
使用例 - 免疫組織染色(DAB染色)
神経細胞体に陽性のシグナルが認められた。
実験条件
|
データ提供:大阪大学大学院 歯学研究科 田熊先生、長谷部先生
プロトコル例
- スライドガラス上組織切片を0.3 % Triton X-100®-リン酸緩衝溶液(PBST)で洗浄する。
- マイクロウェーブを用いて、くえん酸緩衝液(pH6.0)中で賦活化処理を行う(10分間)。
- 常温へ戻す。
- 0.3 % PBSTで洗浄する。
- 0.3 % H2O2を含む40 %メタノールで処理する(30分間)。
- 5 % goat血清-PBSでブロッキング(1時間)。
- 一次抗体(本製品)を0.3 % PBSTで100倍希釈し、反応させる(4 ℃、over night)。
- 0.3 % PBSTで洗浄する。
- ビオチン標識された二次抗体と反応させる(室温、2時間)。
- 0.3% PBSTで洗浄する。
- DABと反応させ、脱水処理後封入する。
Triton X-100は Dow Chemical Companyの登録商標です。
使用例 - フローサイトメトリー
緑:293T 細胞
赤:マウスセロトニントランスポーターを発現させた293T細胞
抗体濃度:0.1 µg/mL
製品一覧
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- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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