バイサルファイト反応用試薬

EpiSight™ シリーズ

独自開発したバイサルファイト溶液および反応エンハンサーの添加により鋳型ゲノムDNAの分解を抑制し、かつシトシンのウラシルへの変換効率を向上させた製品です。スピンカラムにより簡便にDNAを精製できます。

また、専用のTaq DNA Polymeraseとの併用により、バイサルファイト反応後のPCR増幅が困難な塩基配列においても、安定的かつ高効率に増幅可能になりました。

特長

  • スピンカラムによる簡便な操作
  • 独自開発のエンハンサーによりDNAの分解を抑制
  • CpGリッチな配列を効率よく増幅
  • 非特異増幅を防ぐホットスタートDNAポリメラーゼ

問題解決

下記でお悩みの方はぜひ一度お試しください。

  • 長い鎖長を一度に増幅して解析を効率的にしたい
  • 非メチル化シトシンがウラシルへ変換されないことがある
  • メチル化シトシンがウラシルへ変換されることがある
  • PCRの増幅効率を上げたい

使用方法概要

*バイサルファイト反応

スタンダード:90℃, 1分間 → 60℃, 70分間を5サイクル
クイック:90℃, 2時間

オーバーナイトでバイサルファイト反応を行う場合、反応後は12℃になるようサーマルサイクラーを設定し、翌日取り出して次の操作へ進んでください。

使用例1

Lambda DNAを鋳型として、本キットによりバイサルファイト反応後、910bpのターゲット領域を増幅し、塩基配列を解読した。Lambda DNAのシトシンはすべて非メチル化のため、バイサルファイト反応後はすべてウラシルに変換され、得られるPCR増幅産物にシトシンは存在しないと予想される。

サ ン プ ル:Lambda DNA
非メチル化シトシン:150ヶ所
PCR増幅鎖長 : 910bp
PCR増幅領域 : GenBank Accession No. NC_001416 : 26062-26971

結果

下図のチャートにシトシンは存在せず、150ヶ所あるシトシンはすべてチミンに変換されていた。

従来のバイサルファイト法ではDNAの分解が激しく条件設定できなかった900bp以上のPCR産物の増幅に成功した。

使用例2

マウスES細胞(胚性幹細胞)およびM1細胞(白血病由来細胞)のゲノムDNAを鋳型としてバイサルファイト反応後、幹細胞未分化マーカーであるFgf4プロモーター領域のPCR増幅を行った。PCR増幅鎖長は521bp、CpGジヌクレオチド数は61ヶ所というバイサルファイトPCRとしては長い増幅鎖長であり、GC含量も高いことから立体構造の影響も大きいと予想される領域を選択した。

ES細胞およびM1細胞の幹細胞未分化マーカーの発現解析を下図に示す。ES細胞は幹細胞のため幹細胞未分化マーカーであるFgf4のmRNAが発現しており、プロモーター領域は非メチル化状態にあると予想される。一方、M1細胞は分化した体細胞のためFgf4のmRNAは発現しておらず、プロモーター領域はメチル化されていると予想される。

サ ン プ ル:マウスES細胞およびマウスM1細胞由来ゲノムDNA
PCR増幅鎖長:521bp(マウス Fgf4 プロモーター領域)
CpG:61ヶ所
PCR:増幅領域 GenBank Accession No. AC_149593 : 230224-230744

結果

ES細胞およびM1細胞のPCR増幅産物をクローニング後、11サンプルの塩基配列を解読した結果を下図に示す。

マウスES細胞のFgf4プロモーター領域は非メチル化状態であり、マウスM1細胞のFgf4プロモーター領域はメチル化状態にあることがわかった。

使用例3

本キットのDNA分解抑制能を他社品と比較した。本キットと他社品を用いてバイサルファイト反応を行い、得られたバイサルファイト処理DNAをPCR増幅後、電気泳動を行った。

サ ン プ ル:マウスES細胞由来ゲノムDNA
PCR増幅鎖長:521bp(マウス Fgf4 プロモーター領域)
CpG:61ヶ所
PCR:増幅領域 GenBank Accession No. AC_149593 : 230224-230744

結果

本キットでは521bpのバンドが確認できたが、他社品ではほぼバンドを確認できなかった。

本キットはバイサルファイト反応によるDNA分解を抑制していることがわかった。

製品一覧

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バイサルファイト反応溶液

バイサルファイト反応専用 Taq DNA Polymerase

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