グルカゴン ELISAキット
グルカゴンは、膵ランゲルハンス島のα細胞から分泌される29アミノ酸からなるペプチドホルモンです。
グルカゴンの主な生理作用は、肝臓に作用しグリコーゲンをグルコースへ分解し血糖値を上昇させることです。インスリンとともに血糖値を一定に保つ作用を担う重要なホルモンです。
グルカゴンとは?
グルカゴンはインスリン拮抗ホルモンの中で最も重要で、血糖値を上げる作用があります。膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌され、主に肝細胞を標的とします1,2)。グルカゴンの主な役割として以下3つが知られています。
①肝臓でのグリコーゲン分解促進
肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解し、グルコースとして血液中に放出。
②糖新生の促進
非糖質からグルコースを新たに合成する糖新生を促進し、血糖値の維持に寄与。
③脂肪分解の促進
脂肪組織で脂肪を分解し、エネルギー源として利用される脂肪酸を血液中に放出。
グルカゴンは、肝臓に存在するグルカゴン受容体 (GCGR) に特異的に結合をすることで肝グリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇させます3)。さらにGCGRに加え、GLP-1R (グルカゴン様ペプチド-1受容体)、GIPR (グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド受容体) は、エネルギー代謝調節において重要な役割を担い、代謝性疾患の治療標的とされています。これら受容体に作用する単一分子アゴニストは、例えばGLP-1受容体作動薬のようにすでに治療薬として開発されたものもあります。これら3つの受容体すべてに作用する三重作動薬の開発が進んでおり、高血糖と肥満の両方のリスクを低減できる可能性に注目が集まっています。既に臨床試験段階に入っている製品もあります4)。
グルカゴン ELISAキットワコー (サンドイッチ法)
キット性能
| 測定対象検体 | ヒト 血清/血漿(EDTA) マウス 血清/血漿(EDTA) ラット 血清/血漿(EDTA) 細胞培養液 |
|---|---|
| 検量線範囲 | 2.2-143.6 pmol/L (7.8-500 pg/mL) |
| 検体量 | 10 μL |
| 測定時間 | 約20時間 |
| 検出法 | 発色系 |
検量線例

測定原理
本キットは、グルカゴンのN末端認識モノクローナル抗体とC末端認識モノクロ―ナル抗体を用いたサンドイッチELISA法を用いています。少量検体 (10 μL) で高感度に測定が可能です。

交差反応性
グルカゴンにはグリセンチンやオキシントモジュリンの他、以下のような類似ペプチドが知られています。本キットではこれら類似ペプチドとほとんど交差反応性を認められないことを確認しています。

| 関連ペプチド | 交差率(%) |
|---|---|
| Glicentin(1-69)(ヒト) | 0.68 |
| Glicentin(1-69)(ラット) | 0.96 |
| Glicentin(1-69)(マウス) | 0.97 |
| Glicentin(1-61)(ヒト) | 0.95 |
| Oxyntomodulin(ヒト、ラット、マウス) | 0.64 |
| Mini-glucagon(ヒト、ラット、マウス) | 検出感度以下 |
| 関連ペプチド | 交差率(%) |
|---|---|
| GLP-1(7-36)NH2(ヒト、ラット、マウス) | 検出感度以下 |
| GLP-1(9-36)NH2(ヒト、ラット、マウス) | 検出感度以下 |
| GLP-2(ヒト) | 検出感度以下 |
| GLP-2(ラット) | 検出感度以下 |
| GLP-2(マウス) | 検出感度以下 |
| GIP(ヒト) | 検出感度以下 |
| GIP(ラット) | 検出感度以下 |
| GIP(マウス) | 検出感度以下 |
他社製品との相関
ヒト血清 (n=78) の同一サンプルを本製品と他社製品Mでそれぞれ測定したところ、高い相関を示しました。

参考文献
- John, H. F. & Willard, O. R. : ENDOCRINOLOGY, 54 (3), 303 (1954).
THE ACTIVITY OF EXTRACTED PANCREATIC HYPERGLYCEMIC-GLYCOGENOLYTIC FACTOR AFTER COBALTOUS CHLORIDE AND SYNTHALIN A - Vuylsteke, C. A. & de Duve, C. : Archives of Physiology and Biochemistry, 61 (2), 275 (1953).
[Influence of glucagon on the action of insulin] - Huypens, P. et al . : Diabetologia, 43 (8), 1012 (2000).
Glucagon receptors on human islet cells contribute to glucose competence of insulin release - Seidelmann, S. B. et al . : Lancet Public Health, 3 (9), E419 (2018).
Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
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