プロインスリン ELISAキット
プロインスリンはインスリンの前駆体で、膵島B細胞内でアミノ酸86個からなる分子量約9,400の1本鎖の形で合成された後、分泌顆粒に移行する過程でS-S結合が形成され、さらに酵素分解によりインスリンとC-ペプチドとなります。分泌顆粒には、分解し残りのプロインスリンも10 %程度存在し、顆粒が分泌される際に共に血中に放出されます。プロインスリンの生理活性はインスリンの5~10%であると言われております。
血中のインスリンやC-ペプチドをイムノアッセイで測定すると、一般的にはこのプロインスリンも測定してしまうことになります。プロインスリンのインスリンに対する割合は、インスリン生合成過程の状況を反映している可能性があります。
当社のプロインスリン ELISAキットはマウス、ラット血清・血漿中のプロインスリンを測定可能なキットです。インスリンやC-ペプチドと交差性がなく、プロインスリンのみを特異的に測定することが可能です。
特長
- 検量線範囲:0.156~10 pmol/mL(1.47~94.3 pg/mL)
※検体量 10 μLの時:0.78~50 pmol/mL(7.35~471.5 pg/mL) - 反応時間:約5時間
- 微量な検体(標準操作法は10 μL)で測定可能
- 全ての試薬が溶液タイプで即座に使用可能
- サンプル量:標準操作法で10 μL
- 測定波長:主波長450 nm, 副波長620 nm
キット構成
(A) 抗体固相化ウエルプレート(そのまま使用):60 wells(6×10)/1 枚
(B) 標準プロインスリン溶液(200 pmol/L)(希釈後使用):100 μL/1 本
(C) 緩衝液(そのまま使用): 60 mL/1 本
(D) ビオチン結合抗プロインスリン抗体(希釈後使用):100 μL/1 本
(E) ペルオキシダーゼ・アビジン結合物(希釈後使用):100 μL/1 本
(F) 発色液(TMB)(そのまま使用):12 mL/1 本
(H) 反応停止液(1M H2SO4)(そのまま使用):12 mL/1 本
(I) 濃縮洗浄液(10×)(希釈後使用):100 mL/1 本
・プレートシール:4枚
・取扱説明書:1 枚
交差性
動物種 | 対象物質 | 反応性及び交差率(%) |
---|---|---|
Mouse | Proinsulin | 100 |
Insulin | - | |
C-peptide | - | |
Leptin | - | |
Rat | Proinsulin | 100 |
Insulin | - | |
C-peptide | - | |
Leptin | - | |
Human | Proinsulin | + |
Insulin | - | |
C-peptide | - |
- 交差率は、1060 pmol/mL 濃度時
- +:交差反応性あり、 -:検出感度未満
操作法・標準曲線例
-
操作法
-
標準曲線例
測定例
-
ラット検体プロインスリン測定結果
レビス® プロインスリン-マウス/ラット 使用
検体 mean SD N 備考 GK, 16W, オス 3.13 1.47 8 血清, 2重測定 CD(SD), 12W, メス 3.27 1.97 3 血清, 不断給餌, 2重測定 単位:pmol/L
-
マウス検体プロインスリン測定結果
レビス® プロインスリン-マウス/ラット 使用
マウス:BALB/c, メス, 8W, 5匹
糖負荷:トレーランG50, 0.5 mg/g体重, 経口投与
採血 :血清(pre,糖負荷後15 min, 30 min, 120 min)
絶食 :12時間(pre)
バリデーションデータ
-
精度試験(アッセイ内変動)
検体 A B 1 4.76 0.550 2 4.52 0.558 3 4.81 0.545 4 4.44 0.585 5 4.65 0.559 mean 4.63 0.559 SD 0.159 0.015 CV(%) 3.42 2.76 単位:pmol/mL
-
再現性試験(アッセイ間変動)
測定日/検体 C D E 0日目 5.02 1.26 0.626 1日目 4.99 1.25 0.622 2日目 5.12 1.26 0.616 3日目 5.09 1.28 0.633 mean 5.06 1.26 0.624 SD 0.060 0.013 0.007 CV(%) 1.19 1.00 1.14 単位:pmol/mL n=2
添加回収試験
-
検体F
添加量 実測値 回収量 回収率(%) 0.00 0.231 - - 0.206 0.432 0.201 97.6 0.537 0.784 0.553 103 1.59 1.70 1.47 92.5 単位:pmol/mL n=2
-
検体G
添加量 実測値 回収量 回収率(%) 0.00 5.85 - - 1.76 7.76 1.91 109 2.64 8.49 2.65 100 3.08 8.93 3.17 103 単位:pmol/mL n=2
希釈直線性試験
2血清検体を連続的に希釈用緩衝液で3段階希釈し測定した結果、直線回帰のR2は0.9990から0.9994でした。
製品一覧
- 項目をすべて開く
- 項目をすべて閉じる
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。