ビオスタ アトピー性皮膚炎誘発試薬

ビオスタでは、ヒトのアトピー性皮膚炎発症に関係のある成分を含有した軟膏(ビオスタAD)や、研究用アレルゲンとして、植物由来アレルゲン、昆虫由来アレルゲンをラインアップしています。

アトピー性皮膚炎誘発試薬 ビオスタAD

コナヒョウヒダニ虫体由来のアトピー性皮膚炎誘発軟膏で、NC/Ngaマウスに週2回、計6回塗布することで、1~2週目からアトピー性皮膚炎を発症します。

特長

  • アトピー性皮膚炎に類似した症状を起すことができる
  • 現在治療に用いられているステロイド軟膏及びプロトピック軟膏の効果が確認できる
  • 皮膚炎が発症すると、誘発を中止しても皮膚炎が持続し、医薬品の評価系として使いやすい
  • マウス背部での滞留性に優れ、少量で皮膚炎を誘発できる
  • 皮膚炎の発症率が高く、無駄になるマウスの数が少ない
  • 皮膚炎誘発までの期間が従来法(抗原液の反復塗布)よりも短い

誘発方法

4 %SDSで皮膚のバリアを破壊後、マウス背部および耳介部に本製品を週2回100 mg/mouse塗布します。誘発期間の目安は3週間(計6回)です。最終的に本製品を計600 mg塗布したことになります。 本モデルでは塗布開始1~2週間目から発症、3~4週間で約80 %の発症率を示します。

「ビオスタAD」によるアトピー性皮膚炎誘発標準プロトコール

【初回誘発方法】
1) NC/Nga マウス(ジャクソン・ラボラトリー・ジャパン社製,雌性,10 週齢以降)を(エーテル)麻酔下,背部および耳介部をバリカンで毛刈りした後,除毛剤を適量塗布し除毛する。
2) 除毛剤をふき取った後,ビオスタAD 100 mg を背部および耳介部に均一に塗布する。
3) 塗布後,マウスを飼育ケージに戻す。

【2回目以降誘発方法】
1) 毛が生えてきたことが確認された場合には必ず,バリカンおよび(または)電気シェーバーで剃毛する。
2) 4 % SDS 水溶液 150 μ l をマイクロピペットで背部および耳介部に滴下しながら,均一に塗布する。
3) ドライヤー(冷風)である程度乾燥させる。
4) マウスを飼育ケージに戻してから約 2~3 時間放置し、自然に乾燥させる。
5) ビオスタAD 100 mg を背部および耳介部に均一に塗布する。
6) 塗布後,マウスを飼育ケージに戻す。

全ての処理は 1 週間に 2 回のペースで行う。3 週間,計 6 回の処理でアトピー性皮膚炎が誘発される。
(初回誘発後 17 or 18 日目に最終 6 回目惹起。21 日目にスコアリングを行い、実験に供試する)

(注意事項)
 ●処理期間中,毛が生えてきますが,塗布時にまめにバリカンと電気シェーバーで剃毛してください。
  毛が生えたままビオスタAD を塗布すると,毛が掻破を妨げ,皮膚炎スコアあるいは皮膚炎モデル作製率が低下する可能性があります。
 ●上記標準プロトコールでは,ジャクソン・ラボラトリー・ジャパン社製の NC/Nga マウスでのみ発症を確認しております。
 ●上記プロトコールを基準とし、お客様の目的に応じてご変更ください。

スコアリング事例

①発赤・出血(背中の発赤および出血症状を観察する)
 0 : 無症状 ;背中に発赤および出血症状が認められない状態
 1 : 軽 度 ;背中に発赤が局所的に認められ,連続的な擦傷に伴う出血が認められない状態
 2 : 中等度 ;背中に発赤が散在的に認められるか,連続的な擦傷に伴う出血が認められない状態
 3 : 重 度 ;背中に発赤が全体的に認められるか,連続的な擦傷に伴う出血が認められる状態

②痂皮形成・乾燥(背中の痂皮形成および乾燥症状を観察する)
 0 : 無症状 ;背中に痂皮形成および乾燥症状なし
 1 : 軽 度 ;背中に局所的に認められ,皮膚がわずかに白色化し,角質の剥離がわずかに認められる状態
 2 : 中 等度;背中に散在的に認められるか,明らかに角質の剥離が認められる状態
 3 : 重 度 ;背中に痂皮が全体的に認められるか,明らかに角質の剥離が認められる状態

③浮腫(耳介の浮腫を定性的に観察する)
 0 : 無症状 ;左右の耳介に厚みが認められない状態
 1 : 軽 度 ;左右のどちらか 1 方にわずかに厚みが認められる状態
 2 : 中等度 ;いずれの耳介にも明らかな厚み,張りが認められる状態
 3 : 重 度 ;いずれの耳介にも明らかな厚み,張りおよび反りが認められ,指で触れた時に硬さが感じられる状態

④擦傷・組織欠損(耳介の擦傷および組織欠損症状を観察する)
 0 : 無症状 ;耳介に擦傷および組織欠損症状が認められない状態
 1 : 軽 度 ;耳介に連続的でない擦傷が認められ,組織欠損は認められない状態
 2 : 中等度 ;耳介に小規模に連続的な擦傷が認められ,組織欠損は認められない状態
 3 : 重 度 ;耳介に連続的な擦傷が認められ,組織欠損が認められる状態

研究用アレルゲン

植物由来アレルゲン、昆虫由来アレルゲン等の各種アレルゲンをラインアップしています。

製品一覧以外のアレルゲンも取り扱っています。
詳細は、株式会社ビオスタ ホームページをご確認ください。

製品一覧

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アトピー性皮膚炎誘発試薬 ビオスタAD

研究用アレルゲン(ダニ)

研究用アレルゲン(ダニ由来)

研究用アレルゲン(花粉)

研究用アレルゲン(花粉由来)

研究用アレルゲン(昆虫他)

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  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
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