リウマチ、組織線維化、がん研究に
抗CTGF抗体
CTGFは臍静脈と血管内皮細胞等から産生される約38kDaの分泌タンパク質です。CTGFはModule1-4の4つの部位からなり、軟骨細胞の増殖と分化、細胞間接着を制御します。がん、腎不全、肝不全、リウマチといった各種疾患に関与することも報告されています。
本製品はDNA免疫法により樹立したNative formのCTGFを認識するマウスモノクローナル抗体で、中和活性を有します。
特長
- CTGF中和活性あり
リウマチモデル動物(マウス)の関節炎抑制作用 - Module1-4をそれぞれ認識する4クローン
認識部位 | Clone No. | 種交差性 | サブクラス | 適応実験 | 抗体濃度(初回ロット) |
---|---|---|---|---|---|
Module1 | 30D2 | ヒト、マウス | マウスIgG1 | In vitro中和実験 in vivo中和実験 ELISA |
0.8 mg/mL |
Module2 | 2-3 | ヒト、マウス | マウスIgG1 | in vitro中和実験 | 0.9 mg/mL |
Module3 | 3-54 | ヒト、マウス | マウスIgG1 | in vitro中和実験 | 1 mg/mL |
Module4 | 4-69 | ヒト、マウス | マウスIgG1 | in vitro中和実験 | 0.7 mg/mL |
使用例(in vitro中和実験)破骨細胞の分化誘導抑制
実験条件
- ヒト全血中からPBMCsを採取し、CD14+cellを分離した。
- CD14+cell をα-MEM(10 %FBS添加)、M-CSF(25 ng/mL)、sRANKL(40 ng/mL)で7日間培養(37 ℃, 5 %CO2)し、破骨細胞へ分化させた。
- 破骨細胞はTRAP染色後に光学顕微鏡でTRAP陽性細胞数をカウントした。
結果
いずれのCTGF抗体でもCTGFによる破骨細胞の分化誘導を抑制した。
本データは順天堂大学 環境医学研究所 宮下先生、関川先生よりご提供いただきました。
使用例(in vivo中和実験)リウマチモデル動物(マウス)の関節炎抑制
関節炎指標基準
POINT | 所 見 |
---|---|
0 | 変化なし |
1 | 肢の局部的な発赤。または、1本の指の腫れと発赤。 |
2 | 手、足関節の腫れ。または、2本以上の指の腫れ。 |
3 | 中程度~顕著な手、足の平の腫れ。 |
4 | 肢の顕著な腫れと発赤。硬化。 |
※左図のscoreは四肢の合計ポイントを示す。
実験条件
DBA/1J (Female, 7-8weeks) miceの尾部皮内に、 TypeⅡ collagen とFreund’s complete adjuvant (CFA)を等量混合したエマルジョンを100 µL/Mouseで投与し関節炎を惹起させた。
抗CTGF抗体は、免疫開始1週間前より腹腔内投与(10 mg/kg)を開始し、週1回計8回で行った。
免疫開始8週目まで週1回四肢の関節炎の評価(評価基準は上記の表を参照)を行った。
結果
抗CTGF module1抗体の投与によりリウマチモデルマウスの関節炎を抑制した。
本データは順天堂大学 環境医学研究所 野澤先生、関川先生よりご提供いただきました。
参考文献
- Ikawa ,Y., et al.: J. Cell Physiol., 216, 3, 680(2008).
- Nozawa, K., et al.: Arthritis Rheum., 65, 6, 1477 (2013).
- Miyashita, T., et al.: Autoimmunity., 49, 2,109 (2016).
- Miyazaki O, et al.: Ann. Clin. Biochem., 47, 205(2010).
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