核小体染色試薬

同仁化学 核小体染色試薬(Nucleolus Bright Green
Nucleolus Bright Red)

Nucleolus BrightはRNAに選択的に応答し蛍光性となる低分子蛍光色素で、固定化した細胞に試薬を添加するだけで簡便にイメージングすることができます。

Nucleolus Brightは核小体以外に存在するRNAにも反応しますが、RNAの中でも細胞内に最も多く存在するrRNAの産生の場である核小体で特に強い蛍光を示します。

核小体を特定する検出原理

核小体は膜を持たない核内構造体であり、リポソーム生合成の起点となる場所です。核小体にはリポソームを構成するリポソームRNA(rRNA)が多く存在し、rRNAの転写やプロセシングなどが行われます。


また、核小体の変化は多くの細胞内イベントに関わっていると考えられており、以前からがんの病理診断の指標として知られていましたが、さらに核小体とDNA損傷、オートファジー及び細胞老化との関連性が報告されており、様々な研究分野で注目されています。

本製品は、熊本大学発生医学研究所 細胞医学分野 中尾光喜先生 ご指導のもと、製品化しました。

鮮やかに核小体を見る

HeLa細胞を4 %PFAまたはMeOHにて固定化後、PBS洗浄および膜透過処理(Toriton X-100)し、Nucleolus Bright GreenまたはRedおよび核染色試薬(DAPI)を添加、インキュベーション後に共焦点蛍光顕微鏡により観察しました。

結果、DAPIにより染色された核内(青)に複数個の核小体が存在することが確認されました。

染色条件
  • PFA固定
    4%PFAに細胞を5分間、Toriton X-100 に20分間含浸後、各蛍光プローブにて5分間インキュベーション
  • MeOH固定
    冷MeOHに細胞を1分間、Toriton X-100 に20分間含浸後、各蛍光プローブにて5分間インキュベーション

検出条件
  • Nucleolus Bright Green
    Ex. 488 nm/ Em. 500-600 nm
  • Nucleolus Bright Red
    Ex. 561 nm/ Em. 565-650 nm
  • DAPI
    Ex. 405 nm/ Em. 450-495 nm

核小体への局在性

WI-38細胞を4 %PFAにて固定化後、抗Fibrillarin 1次抗体および蛍光標識2次抗体により免疫染色し、Nucleolus Bright GreenまたはRedおよび核染色試薬(DAPI)を添加、インキュベーション後に落射型蛍光顕微鏡により観察しました。

結果、 Nucleolus Bright GreenおよびNucleolus Bright Redは、核小体マーカー(dense fibrillar component)と染色部位が一致しました。

検出条件
  • Nucleolus Bright Green:Ex. 450-490 nm / Em. 500-550 nm
  • Nucleolus Bright Red:Ex. 533-548 nm / Em. 570-640 nm
  • Anti-Fibrillarin 抗体:Ex. 590-650 nm / Em. 668-733 nm
  • DAPI:Ex. 340-380 nm / Em. 435-485 nm

老化細胞での評価例

継代数の異なるWI-38細胞を4 %PFAにて固定化後、PBS洗浄および1% Triton X-100により膜透過処理し、Nucleolus Bright GreenまたはRedおよび核染色試薬(DAPI)を添加、インキュベーション後に共焦点蛍光顕微鏡により観察しました。

結果、 継代数3回の細胞(P3)では1つの核に複数個の核小体が存在することが確認されましたが、継代を18回行った細胞(P18)では核小体は肥大化し一つになっていることが確認されました。

染色条件

細胞を4%PFAに細胞を5分間、Toriton X-100に20分間含浸後、各蛍光プローブにて5分間インキュベーション

検出条件
  • Nucleolus Bright Green
    Ex. 488 nm/ Em. 500-600 nm
  • Nucleolus Bright Red
    Ex. 561 nm/ Em. 565-650 nm
  • DAPI
    Ex. 405 nm/ Em. 450-495 nm

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