活性化剤(アクチベーター)
オリゴヌクレオチドの合成にはホスホロアミダイト法と呼ばれる固相合成法が用いられます。そのカップリング工程では、結合させるヌクレオチドユニット(アミダイト体)に活性化剤を作用させることにより、固相担体上のヌクレオシドまたは合成中のオリゴヌクレオチドを縮合します。活性化剤には、 5-ベンジルチオ-1H-テトラゾール (BTT)や 5-エチルチオ-1H-テトラゾール(ETT)、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)が古くから用いられています。
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特長
- ヌクレオシドユニット間を結合するカップリング(縮合)工程に用いる活性化剤
- 水分を極力低減した低水分保証品
- 「用事調製に適した高品質の粉末」と「調液の手間を省いたアクチベーター溶液」の 2 タイプから選択可能
反応機構
カップリング反応(活性化)
【参考文献】
和田猛監修:核酸医薬の創製と応用展開 (株式会社シーエムシー出版) (2016)
反応例
アゾリウムトリフラート系活性化剤を用いた立体選択的なホスホロチオアート核酸の合成
【参考文献】
Hayakawa, Y. et al. : Eur. J. Org. Chem., 5216 (2005).
アクチベーター溶液-3 Plus の実用性評価
当社ではBTTの溶解性を改善したアクチベーター溶液-3 Plusを開発しました。アセトニトリルに共溶媒を添加することで、BTTの溶解性を向上させることに成功しています。
特長
- 共溶媒を添加してBTTの溶解性を向上
- 低温保管下、溶液中に結晶の析出なし(0℃, 2週間の保管条件で検証済み)
- 従来品よりも高濃度(従来品0.25 mol/L ⇒ 0.3 mol/L)
- オリゴヌクレオチド合成で性能良好(当社実用性評価より)
アクチベーター溶液-3 Plus の活性化剤としての性能を確認するため、他社 BTT 溶液(濃度:0.3 mol/L)との実用性比較を行いました。それぞれの BTT 溶液を用いて同条件で DNA 合成、その合成サンプルを分析した結果を下記に示します。クロマトグラムより、その合成能に明らかな差がないことを確認しています。
a) アクチベーター溶液-3 Plus (0.3 mol/L BTT 溶液, 添加剤入)
b) 他社 0.3 mol/L BTT 溶液
HPLC Condition
Column size | : | Wakopak® Ultra C18-5 Φ4.6 mm × 150 mm (W) (Code No. 235-02651) |
Mobile phase | : | A) 0.1 mol/L TEAA aq. (pH 7.0), B) 0.1 mol/L TEAA aq. (pH 7.0)/Acetonitrile = 50/50 |
Flow rate | : | 1.0 mL/min |
Temperature | : | 40 ℃ |
Detection | : | UV at 260 nm |
Injection vol. | : | 5 μL |
Sample | : | DNA dT 20 mer, All PO |
他社の BTT 溶液と遜色なく使用できることを確認
製品一覧
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富士フイルム和光純薬 溶液品
富士フイルム和光純薬 粉末品
ChemGenes社 DCI
ChemGenes社 BTT
ChemGenes社 ETT
Glen Research社
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