サンヨー食品 SanCat

サンヨー食品の合成用酵素SanCatを当社子会社の富士フイルムワコーケミカルが品質を保証して販売しています。2級アルコール脱水素酵素をご検討のお客様はぜひお試しください。


サンヨー食品 2級アルコール脱水素酵素 「SanCatシリーズ」

SanCatは、2級アルコールのラセミ体のうち、R体のみを選択的に酸化する酵素です。水/溶媒中、開放系(40℃)にて効率よく酵素変換されます。

SanCat-Rは、エンドウ豆由来の鉄結合蛋白質であるヘム蛋白質(HBP; Heme-Binding Protein)を用いており、NAD(P)非依存な植物HBPを利用した反応系を可能とします。一方、SanCat-Superは、該当ヘム蛋白質が蛍光菌由来HasA(heme-acquisition system A)であることを突き止め、大腸菌に発現させた蛍光菌HasAを更にセラミック担体に固定化した酵素です。

NaBH4と併用するとラセミ体から光学活性体が定量的に得られる特長があります。

特長

  • SanCat-Rは2 級アルコールのうち、R 体のみを選択的に酸化
  • SanCat-Superはラセミ体を光学活性体に定量的に変換

反応式

プロトコル

  1. 試験管18 mm × 15 mLを用意し、撹拌子を入れる。
  2. SanCat-Superを2mg(酵素27µg相当量:0.0018µM)~5mg試験管に入れる。
  3. 50mMグリシンNaOH緩衝液(pH9.0)を4mL加える。
  4. 最後に、240mM基質溶液(およそ40,000ppm)を15µL(基質0.6mg相当量:1.2mM)添加し、40℃で撹拌しながら反応させる。

  • 基質(1g)を2-プロパノール(25mL)溶解し、240mM:40,000ppmの基質溶液とする。
  • 100mMグリシン(7.5g/L)50mLに対し、100mM水酸化ナトリウム(4.0g/L)8.8mLを加え、脱イオン水にて100mLに調整(pH9.0: 100mMグリシンNaOH緩衝液(pH9.0))、脱イオン水100mLを加えて50mM緩衝液(200mL)とする。
  • 反応後は、ヘキサンなどの有機溶媒にて抽出し、HPLCで反応を追跡する。

アプリケーション

SanCat-R を用いた 1-(1-ナフチル)エタノール類の光学分割

SanCat-Superの反応イメージと1-フェニルエタノール類の光学分割

SanCat-Superを用いたNaBH4によるケトンのラセミ化を伴う1-フェニルエタノール類の不斉化

NaBH4と併用するとラセミ体から光学活性体が定量的に得られます。

参考文献
  1. Kamori, M. et al. : J. Mol. Catal. B Enzym. 9, 269 (2000).
  2. Nagaoka, H. : Catalysts. 6, 38 (2016).
  3. Nagaoka, H. : RSC Adv. 4, 16333 (2014).
  4. Nagaoka, H. : ACS Catal. 4, 553 (2014).
  5. Nagaoka, H. : Dalton Trans. 44, 13384 (2015).
  6. Nagaoka, H. et al. : Biotechnol. Prog., 28, 953 (2012).
  7. Egami, H. et al. : J. Am. Chem. Soc., 129, 8940 (2007).
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  10. Nagaoka, H. et al. : Biosci. Biotechnol. Biochem., 65, 634 (2001).
  11. Nagaoka, H. : Biotechnol. Prog., 19, 1149 (2003).
  12. Nagaoka, H. : Biotechnol. Prog., 20, 128 (2004).
  13. Nagaoka, H. : Biomolecules. 4, 41 (2016).

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