コンティニュアス シングルカルチャーNX
コンティニュアス シングルカルチャーNX
Continuous Single Culture-NX 60mL
配偶子や胚の処理、媒精からday5/6までの胚培養用一液式培地
day1からday5/6までディッシュ交換および培地交換無しで培養可能
Continuous Single Culture-NXは、胚盤胞発生を補助することが臨床的に証明された低乳酸濃度のシングルステップ培地です。

低乳酸濃度の組成が、効率的な代謝を維持します

ピルビン酸、乳酸、グルコースは、卵子と胚の主なエネルギー源です。特にピルビン酸は、分割初期において重要な役割を担います。
グルコースは、あらゆる発生段階の胚によって自然に消費されます。その消費は、胚が胚盤胞まで成長するにしたがって増加します。
培地から取り込まれたグルコースはピルビン酸となり、次に乳酸脱水素酵素(lactate
dehydrogenase:LDH)によって乳酸に変換され、同時にNADHからNAD+が産生されます。この反応は可逆的であり、ほぼ平衡で起こります。乳酸は解糖系代謝によって産生され、グルコース1分子が消費されるごとに、乳酸2分子を培地に放出します。グルコース消費が増加するほど、乳酸の産生が増加して培地に蓄積してしまいます。その結果として、LDHによるピルビン酸変換の減少と酸化により、胚の代謝に悪影響を及ぼします。
CSCM-NXは培養中の胚にかかるストレス軽減をサポートします
乳酸濃度が低いCSCM-NXは、シークエンシャルメディウムやCSCMと比較し、正倍数胚盤胞率が10%上昇しました。

6600以上の胚盤胞を遺伝子解析した結果、CSCM-NXで培養した胚盤胞は高い正倍数性胚盤胞率を示しました。

良い培養環境のために
Continuous Single Cultureは胚発生に最適な環境を提供します。
- 胚へのストレスを最小限に抑えます
- ディッシュ交換不要
- pHの変動を抑制
- 培地交換による 培養環境の変化を抑制
- 消耗品の消費量を節約します
- 培地使用量の低減(培地交換不要)
- 平衡化作業時間とディッシュ使用量が減少
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- 使用目的
- 配偶子や胚の処理、媒精からday5/6までの胚培養。
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- 品質確認試験
- ロットごとに、pH、Osmolality、Endotoxin、Mouse Embryo Test、Human Sperm Survival Assay(HSSA)及び無菌性が試験される。
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- 緩衝能
- Sodium Bicarbonate(炭酸水素ナトリウム)を緩衝能として使用しており、CO2インキュベーター内での使用に適す。
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- 使用方法
- 媒精や培養では適当量のタンパク質サプリメントを添加する。
調製法事例
ヒト血清アルブミン溶液(HSA,濃度100mg/ml、カタログ番号(9988)を使用する場合は、5mg/mlになるように培地に添加する。
〈9.5mgのContinuous Single Culture-NX(CSCM-NX)に0.5mlのHSAを添加する。〉
DSS代替血清(タンパク濃度50mg/ml、カタログ番号9301)を使用する場合は、10%(v/v)になるように培地に添加する。〈9mlのCSCM-NXに1mlのDSSを添加する。〉
平衡化
タンパク質サプリメントを添加したCSCM-NXを使用前に37℃に加熱、CO2インキュベーター(濃度5-6%)で一晩、至適pH(7.26-7.35)になるよう平衡化する。
CSCM-NXでの培養事例
(媒精)
採卵前日にオイルでカバーし、タンパク質サプリメントを添加済みのCSCM-NXを供した採卵用ディッシュおよび媒精用ディッシュを作製し、5-6%CO2インキュベーターで37℃で一晩平衡化する。採卵後、直ちに卵子を、採卵用ディッシュに移し、IVFまたはICSIによる媒精前、CO2インキュベーターで1~4時間、前培養する。
● C-IVF
1. 1~3個卵子を含むマイクロドロップあたり50,000~100,000/mL精子を、無菌的に供する。分配することが好ましい。
2. 正常受精のため16~20時間、CO2インキュベーターで培養する。
● ICSI
1. 裸化後1時間以上経過(採卵後4時間以上経過していない)後、CO2インキュベーターから卵子を取り出し、各施設のプロトコールに従ってICSIを実施する。
2. ICSI後直ちに、事前に平衡化した媒精ディッシュの新しいドロップに1-3個のICSIした卵子を置く。正常受精のため16-20時間、CO2インキュベーターで培養する。
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- 保存温度
- 2-8℃
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- 有効期間
- 製造後120日(未開封)
開封後4週間以内
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- 使用上の注意
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培養液中に異物、濁りが見られたときは使用しないこと。
培養液の汚染を防ぐため無菌操作で取り扱い、余剰分は廃棄すること。
Gentamicinに対するアナフィラキシーを引き起こす可能性のある場合は使用しないこと。
注射用に使用しないこと。
凍結させたり39℃以上にしないこと。
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- 参照文献
- Continuous Single Culture™(カタログ番号 90164)参照
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- 関連情報
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学会発表資料
京野アートクリニック仙台
「Sibling oocyte studyによる低乳酸濃度培養液の検討」
さっぽろARTクリニックの発表資料
「低乳酸濃度培養液を用いた検討」
医療法人神奈川ARTクリニック
「無加湿インキュベーターを用いたsingle step mediumの培養成績の比較検討」
医療法人小塙医院
第65回日本生殖医学会 ポスター発表「乳酸軽減胚培養液を用いた胚培養成績と臨床成績の検討」
ウェビナー動画
医療法人小塙医院
第66回日本生殖医学会学術講演会・総会 ランチョンセミナー
「乳酸軽減胚培養液を用いた胚培養成績と臨床成績の検討」
培養液の組成と正倍数性胚盤胞率との関係
~形態学的評価に並ぶ第二の指標~
低乳酸一液式培地(CSCM-NX)のご紹介
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