SARS-CoV-2 N del31-33 Mutation Detection Kit
SARS-CoV-2 N del31-33 Mutation Detection Kit
比較
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在庫
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20反応用
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ドキュメント
キットコンポーネント
20反応用
RT Enzyme Mix (20×) | 20μL×1 |
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One-Step Reaction Mix (2×) | 200μL×1 |
Wild Type Primer & Probe Mixture | 10μL×1 |
N del31-33 Mutant Type Primer & Probe Mixture | 10μL×1 |
概要
本品は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株(B.1.1.529)のN領域に存在する特徴的な変異であるN del31-33をワンステップRT-qPCR法で検出するキットです。
N del31-33とは、N領域の31~33番目の3アミノ酸 E、R、Sが欠損した変異です。
オミクロン株は南アフリカで最初に発見された変異株でスパイクタンパク質に30か所程度の変異を持ちます。
WHOの懸念される変異株(Variant of Concern; VOC)に分類されており、これまでの変異株より高い感染力を持つ事が示唆されています。
本品は、変異部位の多いS領域ではなく、変異部位の少ないN領域の変異をターゲットとしています。
これにより、プライマープローブが他の変異部位と反応して干渉することがなく、オミクロンを特異的かつ高感度に検出することを可能にしました。
本品は、アルファ株、ベータ株、ガンマ株に反応せず、オミクロン株に特異的に反応することが確認できています(測定データ)。
特長
- 判定が容易
変異型と従来型のプライマー/プローブセット使用時のCt値の比較で判定 - 1-step RT-qPCR法で迅速に変異を検出
約70分で完了 - 独自開発のプライマー・プローブで、高感度に変異を検出
- 他の変異株検出キットを併用すると、すべての変異株を1プレートで、同じ反応条件で測定可能
N501Y、E484K、L452R、E484Q、del247-253、N del31-33キットはすべてPCR反応条件が同じであるため、1プレートで測定可能
測定原理
TaqMan®プローブを用いた1-step RT-qPCR (Reverse transcription-quantitative polymerase chain reaction) 法を採用
▼ご使用の前に
ウイルスRNA量が多い場合、変異株においても従来 (非変異) 型検出用のWild Type Primer / Probe で増幅シグナルが見られることがあります。
必ず従来 (非変異) 型検出用のWild Type Primer/ Probe と変異型検出用の Mutant Type Primer / Probe の両方で検出して下さい。
両方のCt値を比較し、変異型検出用の Mutant Type Primer / Probe のCt値が小さければ、ウイルスは変異株であると判断します。
実験例
変異株の検出アプリケーションデータ
本キットで下記5点の新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) 株の精製RNAを検出した。
- オミクロン株(B.1.1.529):TY38-873P1,国立感染症研究所より分与
- アルファ株(B.1.1.7):QHN001, N501Y変異, 国立感染症研究所より分与
- ベータ株(B.1.351):TY8-612, N501Y変異, E484K変異, 国立感染症研究所より分与
- ガンマ株(P.1) :TY7-501, N501Y変異, E484K変異, 国立感染症研究所より分与
- 従来株(VR-1986HK):ATCCより入手した熱不活性化新型コロナウイルス株
サンプルコピー数:5,000コピー/Well
サイクル数:45
①オミクロン株(B.1.1.529):TY38-873P1
オミクロン株はN領域にdel31-33変異を持つため、N del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)がWild type Primer / Probe の増幅曲線(青)より早期に立ち上がります。
②アルファ株(B.1.1.7):QHN001
アルファ株はN領域にdel31-33変異を持たないため、Wild type Primer / Probe の増幅曲線(青)がN del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)より早期に立ち上がります。
アルファ株とオミクロン株はともにN501Y変異を持ちますが、本品はアルファ株には反応しないことが確認されました。
③ベータ株(B.1.351):TY8-612
ベータ株はN領域にdel31-33変異を持たないため、Wild type Primer / Probe の増幅曲線(青)が N del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)より早期に立ち上がります。
ベータ株とオミクロン株はともにN501Y変異を持ちますが、本品はベータ株には反応しないことが確認されました。
④ガンマ株(P.1):TY7-501
ガンマ株はN領域にdel31-33変異を持たないため、Wild type Primer / Probe の増幅曲線(青)がN del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)より早期に立ち上がります。
ガンマ株とオミクロン株はともにN501Y変異を持ちますが、本品はガンマ株には反応しないことが確認されました。
⑤従来株(VR-1986HK):ATCCより入手した熱不活性化新型コロナウイルス株
従来株はN領域にdel31-33変異を持たないため、Wild type Primer / Probe の増幅曲線(青)がN del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)より早期に立ち上がります。
コントロールRNAの検出データ
合成したオミクロン株のコントロールssRNAを本キットで測定した。
N del31-33変異を持たないコントロールssRNA(Wild Type Control RNA)では、Wild type Primer / Probeの増幅曲線(青)がN del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)より早期に立ち上がります。
N del31-33変異を持つコントロールssRNA(N del31-33 Mutant Type Control RNA)では、N del31-33 Mutant type Primer / Probeの増幅曲線(赤)がWild type Primer / Probeの増幅曲線(青)より早期に立ち上がります。
PCR反応条件
qPCR(Real-Time PCR) 装置にプレートをセットし、以下のプログラムを設定します。
プログラムを設定後、反応をスタートさせます。
変異株一覧表
変異株 | N501Y変異 | E484K変異 | L452R変異 | E484Q変異 | del247-253変異 | N del31-33変異 |
従来株 | - | - | - | - | - | - |
アルファ株 (B.1.1.7) | + | - | - | - | - | - |
ベータ株 (B.1.351) | + | + | - | - | - | - |
ガンマ株 (P.1) | + | + | - | - | - | - |
イプシロン株 (B.1.427/B.1.429) | - | - | + | - | - | - |
カッパ株 (B.1.617.1) | - | - | + | + | - | - |
デルタ株 (B.1.617.2) | - | - | + | - | - | - |
ラムダ株 (C.37) | - | - | - | - | + | - |
オミクロン株 (B.1.1.529) | + | -※ | - | -※ | - | + |
※E484Aの変異あり
FAQ
製品について
- 新型コロナウイルス 陽性/陰性の判定は可能ですか?
- 本キットは陽性検体における遺伝子変異の有無を測定するため、陽性/陰性の判定はできません。 陽性/陰性の判定にはSARS-CoV-2 RT-qPCR Detection Kit Ver.2 (コードNo. 285-33801, 保険適用品)をご使用ください。簡易RNA抽出試薬であるSARS-CoV-2 Lysis Buffer Ver.2との併用も可能です。
- ダイレクトPCR法のような簡易抽出RNAサンプルでも測定は可能ですか?
- RNA抽出・精製キットなどを用いて精製したRNAを使用してください。
- スピンカラムタイプ:ISOSPIN Viral RNA (コードNo. 310-08931, ニッポンジーン)
- 自動核酸抽出装置:QuickGene-Auto 12S/24S (倉敷紡績, QuickGene AutoS RNA Virus Kitも必要)
- 保険適用品ですか?
- 保険適用品ではありません。今のところ変異の検査は疫学調査が目的となっています。
- キットの容量 「20反応用」とはどういう意味ですか?
- リアルタイムPCRが20ウェル分行えるという意味です。 以下の通り、1検体につき2ウェル必要となりますので、10検体分と言えます。
① 従来株のプライマー/プローブが入ったウェル
② 変異株のプライマー/プローブが入ったウェル
- ウイルスのポジティブコントロールRNAはキットに入っていますか?
- キットに陽性コントロールは附属していません。必要なお客様は弊社までお問合せください。
- 野生型、変異型両方の増幅曲線が立ち上がった場合、どのように判定すればよいですか?
- ウイルスの量が多い場合、変異株のサンプルにも関わらず野生株のプライマー・プローブでも増幅シグナルが見られる場合があります。ただしそのような場合でも変異株の増幅シグナルの方が早く立ち上がります(Ct値が小さい)。必ず変異株用と従来株用のプライマー・プローブ両方で測定を行い、Ct値の違いを確認してください。 詳細は説明書の「判定方法」の項目をご確認ください。
- 富士フイルム和光純薬から購入できるリアルタイムPCR装置はありますか?
- Biomolecular systems社のMicを販売しています。
概要・使用例
概要 | 本品は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株(B.1.1.529)のN領域に存在する特徴的な変異であるdel31-33をワンステップRT-qPCR法で検出するキットです。 del31-33とは、N領域のE、R、Sの3アミノ酸が欠損した変異です。 オミクロン株は南アフリカで最初に発見された変異株でスパイクタンパク質に32か所の変異を持ちます。 WHOの懸念される変異株(Variant of Concern; VOC)に分類されており、これまでの変異株より高い感染力を持つ事が示唆されています。 発見から短期間で世界の各国・地域に急拡大していることから、感染経路の特定と早急な封じ込めが必要とされています。 |
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物性情報
「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。
製造元情報
別名一覧
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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