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ワンステップRT-qPCR法を用いて変異型の新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) を高感度に検出する「N501Y変異検出キット」および「E484K変異検出キット」を研究用試薬として発売開始しました。
世界中で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株が拡大しており、日本国内でも感染者数が増加しています。変異株は世界中で確認されておりますが、その中でもイギリス型、南アフリカ型およびブラジル型と呼ばれる変異株は感染力が高い、ワクチンの効果が低下する恐れがある等の理由から感染経路の特定と早急な封じ込めが必要とされています。 イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型変異株は共通してN501Y変異を持ち、従来株よりも感染力が高いとされています。また、南アフリカ型・ブラジル型変異株はE484K変異を持ち、ワクチンの効果が低くなる恐れがあることが報告されています 1-3)。またN501Y変異を持たず、E484K変異を有する変異株(R.1系統等)も確認されています。
当社では、独自開発したプライマーとプローブにより、通常は困難とされている遺伝子点変異の高感度検出を可能にしました。この技術を利用して、迅速かつ簡便に陽性検体のN501Y変異、E484K変異を検出できるキットを開発しました。
<変異株の判定>
N501Y変異 | E484K変異 | 判定※1 |
---|---|---|
― | ― | 従来型 |
+ | ― | イギリス型 |
+ | + | 南アフリカ・ブラジル型※2 |
― | + | E484K単独変異 (R.1系統等) |
※1 最終的な変異株の判定にはシークエンス解析が必要です。
※2 南アフリカ型とブラジル型の判別はできません。
<参考文献>
- Nelson, G. et al.:bioRxiv (2021). doi:10.1101/2021.01.13.426558
- Jangra, S. et al.:medRxiv (2021). doi:10.1101/2021.01.26.21250543
- Wang, Z. et al. : Nature (2021). doi:10.1038/s41586-021-03324-6