超解像度イメージングシステム Nanoimager
Oxford Nanoimaging Ltd.
- コンパクトで多機能設計
- 除振台、暗室が不要
- デスクトップ超解像度イメージング装置
- ソフトウェアでの簡便な操作で超解像度画像取得が可能
概要
Oxford Nanoimaging社製 Nanoimagerは、超解像度観察をデスクトップモデルとして提供するコンパクトで簡便なシステムです。独自の設計により除振台、暗室を必要とせず、一般実験台、もしくはクリーンベンチ(計測ユニットのみ)に設置可能です。20nmの分解能をもち、dSTORM、PALM、単一粒子追跡、TRIF、HILO、smFRETの測定機能を小さな光学ユニットに集積しています。
励起レーザーはユーティリティユニットに搭載され、計測ユニットと連結されているので、設置時のアライメント調整など不要な簡便設計となっています。ソフトウェアには分析ツールが設定されており、取得済みの画像の解析処理を行うことができます。
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Nanoimager Sモデル
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Nanoimager Xモデル
特長
- 複数の超解像度測定技術を搭載 (dSTORM、PALM、単一粒子追跡、TRIF、HILO、smFRET)
※今後、共焦点、SIM機能を追加搭載予定 - コンパクト、デスクトップモデル
- 除振台、暗室など周辺設備が不要で、低い導入コスト
- 測定時のアライメント調整不要
- 最大4色、2チャンネル同時観察(Sモデル)
- 撮影条件設定と統合された分析ツールを含むソフトウェア “NimOS”付属
- スライドガラス、ガラスボトムΦ35mmディッシュ、8ウェルチャンバーの計測可能
特長詳細
複数の測定技術搭載

Nanoimager搭載 超解像度観察技術
3つの光照射方式に対応可能

落射蛍光または広視野イメージングは、一般的な蛍光イメージングで、平行光がサンプルを直接上向きに通過します。 深さ10 μmを超えるサンプルに適しています。ただし、焦点面の外側で分子が励起されるため、バックグラウンド信号が高くなります。 | レーザーが鋭角 (臨界角のすぐ下) に向けられ、サンプルを伝播します。これにより、細胞の余分なところを照らさず、見たい場所のみを明るく照らすことができます。TIRFよりわずかに低いS/N比で、最大10 μmのイメージング深度が得られます。 | 最高のS / N比を得るには全反射蛍光 (TIRF) 顕微鏡を使用します。レーザーは高角度 (臨界角以上) で入射し、カバースリップとサンプルの間の界面で全反射し、サンプルに伝播するエバネッセント場を発生させ、サンプルの200 nmの層を励起されます。励起された分子はすべて焦点が合っており、バックグラウンド信号は大幅に減少します。表面または膜に付着した分子の研究に適しています。 |
コンパクト、デスクトップモデル、暗室、除振台など周辺設備が不要で、低い導入コスト
外部光を遮断する密閉設計により、特別な暗室は不要。外部にレーザーが漏れない光学構造をとっているので、一般実験室に設置可能
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クリーンベンチ設置イメージ
※計測ユニットサイズ:21 x 21 x 15 cm -
実験室設置イメージ
最大4色、2チャンネル同時観察 (Sモデル)
4つのレーザー色を使用して、各サンプルで4つの異なるフルオロフォアを分析できます。また、2つを同時にキャプチャして、異なる分子がどのように相互作用するかをより深く理解することができます。
撮影条件設定と統合された分析ツールを含むソフトウェア“NimOS”付属
NimOSソフトウェアは、蛍光顕微鏡データを高速かつ定量的に分析および表示するさまざまなツールをユーザーに提供するために開発されました。

NimOSソフトウェアでは、レーザー光源の選択から露光時間まで、ONI Nanoimagerの撮影条件を制御できます。また、データを取得した後は、ローカリゼーションソフトウェアを使用して、ほぼリアルタイムで超解像画像をレンダリングできます。
NimOSライセンス制限はありませんので、顕微鏡を他のユーザーと共有している場合、複数のパソコンにインストールして、解析をしていただくことが可能です。
- 制御するPCのスペックについては、お問い合わせください。
スライドガラス、ガラスボトムΦ35 mmディッシュ、8ウェルチャンバーの計測可能
ステージ上には、スライドガラスサイズの容器、または、Φ35 mmディッシュを載せることができます。ステージはピエゾ制御2 nmステップで動かすことができ、スキャンモードでは80 µm x 50 µmの視野で連続撮影するとサンプルの全体像を自動的に取得できます。
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8ウェルチャンバー搭載イメージ
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ステージ全体写真
アプリケーション事例
Extracellular Vesicles
詳細はこちら
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小胞体の可視化
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粒子追跡とサイズ、数計測
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サイズ、数、画像観察
- 小胞体の可視化事例:CD63およびCD81および小胞膜表面 (WGA)で免疫標識し、すべてランダムに着色されたヒトケラチノサイト細胞培養培地から分離されたEVのdSTORMデータ
- 粒子追跡とサイズ、数計測事例:精製されたEVはPHK67 (膜染色) で標識され、37℃で画像化され、その動きを追跡し移動度からサイズ、存在数を観察したデータ
- サイズ、数、画像観察の事例:CD63 (青) およびCD81 (黄色) および小胞膜表面 (WGA、マゼンタ) で免疫標識された、ヒト角化細胞培養培地から分離されたEVのdSTORM画像データ
Pathogens
詳細はこちら
dSTORMによって取得されたウイルスのヌクレオカプシド様アセンブリを観察した事例など、20 nm分解能を生かした病原体のイメージング事例、細胞周辺での病原体の局在性などが紹介されています。
ONIの専用ソフトウェアであるNimOSを使用すると、リアルタイムのローカリゼーションレンダリングと、その後のウイルス粒子サイズ、拡散速度、および濃度の定量化を迅速かつ簡便な方法で実行できます。
- Viral Particleアプリケーションノート ダウンロード
Neuroscience
詳細はこちら
各種ケーススタディの紹介はこちら (ページの下部にケーススタディ紹介パートがあります)

モデル比較
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レーザーカラー数 | 最大4レーザー | 最大3レーザー |
同時検出チャンネル数 | 2チャンネル標準 | 最大2チャンネル |
単一分子局在性検出 | 3Dイメージング | オプションで3Dイメージング対応 |
カメラ | 1.6 ELECTRONS RMS READ NOISE | 2.3 ELECTRONS RMS READ NOISE |
計測ユニット | 215mm x 215mm x 155mm | |
ユーティリティユニット (光源搭載) | 215mm x 420mm x 450mm | 215mm x 420mm x 250mm |
システム構成
製品コード | 品名 | 数量 |
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ナノイメージャー S モデル Nanoimager S model (フルスペック構成:4レーザー、2チャンネルモデル) |
1台 | |
ナノイメージャー X モデル Nanoimager S model (最小構成:2レーザー、1チャンネルモデル) ※受注時に仕様詳細を打ち合わせの上、最大3レーザー、最大2チャンネルモデルにすることができます。 |
1台 |
仕様
ONI Nanoimager S model | ONI Nanoimager X model | |
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レーザー | 4色レーザー搭載可能 最大2色同時測定 |
最大3色レーザー搭載可能 標準1色測定 (オプション:最大2色同時測定) |
蛍光励起波長 | 405nm、473nm or 488nm、532nm or 561nm、640nm、720nm 発注時に、4色を選択 |
405nm、473nm or 488nm、532nm or 561nm、640nm、720nm 発注時に、必要数のレーザーを選択 (最大3色) |
明視野 | 〇 | 〇 |
カメラ | sCMOS (1.6 electrons rms read noise) | sCMOS (2.3 electrons rms read noise) |
測定方法 | dSTORM/PALM、単一粒子追跡、TIRF、HILO、smFRET (今後、SIM、共焦点機能追加予定) |
dSTORM/PALM、単一粒子追跡、TIRF、HILO、smFRET (今後、オプションとしてSIM、共焦点機能追加予定) |
画像取得速度 | 100枚/秒 (フレーム高さを2%にトリミングして、2500枚/秒) |
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加温、ガス混合機能 | 加温機能 (~42℃) 搭載 CO2ラインなど、環境調整部材設置 可能 |
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測定サンプル容器 | スライドガラス:50~75 mm x 20~25 mm サイズ ガラスボトムの35 mmディッシュまたは8ウェルチャンバー マイクロフルイディクス容器 (ガラスボトム) 対応 |
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データ形式 | エクスポート機能:TIFF、CSV形式 | |
大きさ | Microscope (観察部):215 (W) x 215 (D) x 155 (H) mm Light Engine (光源ユニット):215 (W) x 420 (D) x 450 (H) mm |
Microscope (観察部):215 (W) x 215 (D) x 155 (H) mm Light Engine (光源ユニット):215 (W) x 420 (D) x 250 (H) mm |
特徴 |
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- 2020年3月時点の仕様です。
- Nanoimager X modelからS modelへのアップグレードは出来ません。
お問合せQ & A
Q1 一般的な超解像度顕微鏡製品と Nanoimager 超解像は何が違うのでしょうか?
A1 一般的な超解像度顕微鏡製品との違いで申しますと、以下のポイントが挙げられます。
①小型(撮像ユニットは約21 cm角、堅さ15 cm)設計:光学系をすべてこのユニット内に収めていることが特徴です。
※ユーティリティーユニット(レーザー搭載部)とPCを合わせて、約100 cm幅あれば、実験台に設置できます。
撮像ユニット:21.5 cm (w) x 21.5 cm (d) x 15.5 cm (h)
ユーティリティーユニット:21.5 cm (w) x 42.0 cm (d) x 45.0 cm (h)
②除振台不要:撮像ユニットに除震機能が組み込まれておりますので、特別な設置台は必要ありません。
③暗室不要:一般実験室に設置、撮影することができます。
現在、Nanoimagerには、「dSTORM、PALM、単一粒子追跡、TIRF、HILO、smFRET」の機能を積んでおりますが、微粒子に特化した仕様ではありません。
ONi社のアプリケーションを見ていただくと確かにEV、ウイルス/細菌の情報が多いですが、他に神経分野の情報も開示させていただいております。
関連製品
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
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