株式会社ジェイサーバイオは、バイオ医薬品を中心とした医薬品の研究開発の支援や研究者間のマッチングなどを行い、日本のライフサイエンス研究の発展のため創立されました。
ライフサイエンス研究のための評価系や解析手法の開発支援や研究開発に関連するデータ解析・調査・書類作成支援など、ライフサイエンス研究における全般的なサポート・コンサルティングを行います。
ジェイサーバイオについて
ジェイサーは、抗体のIgAやIgMのJ鎖(joining chain)に由来します。
J鎖は抗体をつなぎ合わせることから、研究成果、研究機関、研究者をつなぎ合わせることで、ライフサイエンスの発展に貢献します。
創業者の高木基樹は、ヒトの免疫物質である抗体の中のIgA抗体を薬にする研究開発を行ってきました。
IgA抗体は、二つの抗体がJ鎖で結合した安定な構造を有し、 ヒトの粘膜(口・鼻腔・腸など皮膚以外で外界と接触する部分)に大量に存在し、外部からの異物(病原体やアレルゲンなど)の侵入を防ぎ、ヒトを外部の侵入物から守る重要な物質です。 この機能に注目して、病原体などに対するIgA抗体を感染症の薬として開発してきました。
2023年3月1日に福島県立医科大学発ベンチャーの称号を付与されました。
サービス概要
ライフサイエンス研究のための評価系や解析手法の開発支援
研究の効率的な推進をサポートします。
- 薬剤候補物質などの探索や評価のためのアッセイ系構築の支援
- 薬剤候補物質などの分析系構築の支援
- 薬剤候補物質などの生産の支援
- 研究の自動化の支援
- 研究材料や研究データ収集の支援
- バイオバンクやデータベース構築の支援
ライフサイエンス研究の側面支援
データ解析、面倒な書類作成、法規制やガイドライン対応をサポートします。
- 研究開発に関連するデータ解析・調査支援
- 研究開発に関連する書類作成支援(論文や競争的資金応募書類等の作成)
- 研究開発に関連するガイドライン対応支援(施設設計、規程、計画書、SOPなどの作成)
研究から開発へのロードマップ・社会実装のための支援
研究成果を社会実装につなげるサポートをします。
- 研究成果の製品化支援
- 研究成果の企業導出支援
- 製品マーケティング支援
具体例・実績
がん関連
- がん組織由来培養細胞を用いた抗がん剤の評価
- 従来のがん細胞株と違い体内のがん組織に近い状態を維持した培養細胞を用いて、より精度の高い抗がん剤のアッセイを行いました。
- 免疫細胞を用いた抗がん剤の評価
- 免疫チェックポイント阻害剤、細胞傷害性T細胞、NK細胞等のがん免疫に関するアッセイを行いました。
- 抗体の抗がん活性の評価
- 抗体の抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)や抗体薬物複合体(ADC)に関するアッセイを行いました。
- 細胞株を用いた抗がん剤の評価
- がん細胞株や正常細胞株等の細胞パネルを用いて高精度な抗がん剤等のアッセイを行いました。
- 患者腫瘍移植マウスモデル (PDX) を用いた抗がん剤の in vitro (ex vivo) 評価
- 動物モデル由来のがん組織(PDX)を用いての in vitro (ex vivo) で動物モデルより簡便に抗がん剤のアッセイを行いました。
抗体関連
- 抗体の生産(GMP対応含む)
- 抗体の実験室レベルから医薬品製造レベルまでの生産を行いました。
- GMP準拠した細胞保管施設
- 医薬品製造所許可を得た細胞保管施設にて、GMPに準拠した医薬品製造に用いる細胞の保管施設の設置、運用を行いました。
- タンパク質マイクロアレイを用いた抗体の評価、血中抗体のプロファイリング
- 独自開発したタンパク質マイクロアレイを用いて、抗体の抗原に対する交差性・結合能の評価や血中抗体のプロファイリングを行います。
- 抗体の細胞を用いた生物活性評価
- がんや感染症の治療用抗体による細胞増殖阻害活性や細胞傷害性、抗ウイルス活性の測定を行いました。
- ビアコアによる抗体評価
- ビアコアを用いて抗原に対する結合能の評価を行いました。
- フローサイトメトリーを用いた解析
- フローサイトメトリーを用いた細胞等の解析を行いました。
薬剤探索・評価
- 核酸医薬の研究開発
- siRNAを医薬品にするために、siRNA配列の最適化、ドラックデリバリーシステムの研究開発を行いました。
- タンパク質相互作用阻害剤の探索
- 様々なタンパク質相互作用阻害剤のアッセイ系の構築、中分子の化合物を中心に阻害剤の探索を行いました。
- iPS細胞由来ヒト心筋細胞を用いた薬剤の心毒性評価
- iPS細胞由来ヒト心筋細胞を用いた心毒性評価系の構築をし、100種類程度の既存薬のQT延長を評価しました。
- iPS細胞からの分化誘導物質の探索
- iPS細胞から心筋への分化誘導する物資の探索を行いました。
- DNA修復酵素阻害剤の探索
- 抗がん剤の開発のために、DNA修復酵素阻害剤アッセイ系の構築と探索を行いました。
- 感染症約の探索
- 細菌やインフルエンザウイルスの増殖阻害剤のアッセイ系の構築と探索を行いました。
- データ解析・データベース
- 取得したデータの解析やデータベースの構築を行いました。
その他
- 有用物質生産
- 微生物や哺乳細胞を用いて、天然化合物やタンパク質の物質生産を行いました。天然化合物の生合成研究も行いました。
- 化合物ライブラリーの構築
- 薬剤スクリーニング用の低分子化合物、天然物化合物などのライブラリーを構築しました。
- 天然物化合物の各種分析(LC, MS, NMR)
- 天然物化合物の各種分析方法の開発を行いました。
- アッセイ系の構築
- 384ウェルや1535ウェルプレートを用いたアッセイ系の構築を行いました。細胞の表現型を指標とした薬剤スクリーニングのアッセイ系を構築しました。
- バイオバンクの構築
- ヒト検体の収集、保管、解析、臨床情報のデータベース化などを実施しました。
- 創薬研究の自動化
- 創薬研究の省力化を目指し、自動化機器を導入しアッセイ系の自動化を行いました。
- 有用物質生産する微生物の収集
- 有用物質生産菌を土壌や海などの環境から収集しました。
データ解析・調査
- 臨床情報のデータベース構築やデータ管理、個人情報管理
- カルテ情報から必要な情報を抽出してデータベースの構築・管理を行った。同時に個人情報の管理を実施しました。
- ヒト検体の取集、輸送、管理
- 手術や採血により採取したヒト検体を病院から輸送、研究施設で保管・管理を行いました。
- ライフサイエンスに関連の調査
- バイオ医薬品、感染症、がん、体外診断薬、放射線医薬、バイオバンクなどの様々なライフサイエンスに関連する情報の調査を行いました。
- 創薬オープンイノベーションやバイオエコシステムの調査
- 創薬オープンイノベーションやバイオエコシステムに関する国内外の状況の調査を行いました。
- 実験データの解析やデータベース構築
- 新型コロナウイルスのmRNAワクチン接種者のコホート研究の解析を行った。薬剤の薬効評価データや心毒性評価データの解析、データベースの構築を行いました。
書類作成
- 学術論文の作成
- がん、感染症、アッセイ系の構築、ドラックデリバリーシステム、毒性、バイオ医薬品、核酸医薬、生化学、分生物学、コホート研究などに関連した査読付き論文100報以上を執筆しました。
- 競争的資金の応募書類作成
- 経済産業省やAMEDなどのプロジェクトの応募書類の作成を行いました。
- ガイドライン関連の研究計画書などの作成
- 人を対象とする生命科学・医学系研究、遺伝子組み換え、動物試験などの各種ガイドラインに対応した研究計画書の作製を行いました。
- GxP関連書類の作成
- バイオ医薬品の製造等に関連する書類の作成を行いました。
- 生体試料の輸出入関連書類の作成
- 血液サンプル、細胞、組織などの生体試料の輸出入に必要な書類の作成を行いました。
ガイドライン対応
- 人を対象とする研究の研究倫理対応
- 人を対象とする生命科学・医学系研究の倫理委員会や被験者への同意などの対応を行いました。
- 遺伝子組み換え、病原微生物、動物試験などの各種ガイドライン対応
- 遺伝子組み換え(カルタヘナ条約)、病原微生物、動物試験などのガイドラインの対応を行いました。
- 各種ガイドラインに適当した実験施設の設計と運営
- 上記のガイドラインに対応した実験施設の設計や運営を行いました。
- GMP準拠した細胞保管施設の設計と運営
- 医薬品製造所許可を得た細胞保管施設にて、GMPに準拠し医薬品製造に用いる細胞の保管施設の設置、運用を行いました。
- バイオ医薬品のGMP製造対応
- 抗体薬品の生産細胞の構築、セルバンク作製、生産培養の検討などを行いました。
- 機器のGMP準拠の対応
- 医薬品製造に関連する機器のGMP準拠するための対応を行いました。
社会実装のための支援
- 起業や事業化の支援
-
- 疾患マーカーの探索(自己免疫疾患、がん、神経疾患、感染症)を基に、診断薬企業の起業を支援しました。
- 新型コロナウイルスに対する抗体を企業へライセンスしました。
- 開発した抗がん剤評価系を受託企業へライセンスしました。
- 基礎研究、非臨床試験、医薬品製造の委託企業(CROやCDMOなど)との連携(紹介)
- 研究開発課題に適した委託企業への橋渡しを行いました。
- 創薬研究開発(薬効や毒性評価)における共同研究や受託研究の実施
- 薬剤(抗がん剤や感染症薬、バイオ医薬品、低分子化合物など)の臨床試験へ向けて、非臨床試験としての薬効や毒性の評価を行いました。
- 体外診断試薬、DTC検査、衛生製品の製品化
-
- 新型コロナウイルスに対する抗体を用いた衛生製品の製品化や体外診断試薬の開発を実施しました。
- DTC検査の開発の支援を行いました。
- 共同研究先となるアカデミックの研究者や各種専門家の紹介
-
- アカデミックの研究者や各種専門家とのオープンイノベーションや創薬エコシステムの構築の支援を行いました。
- ディー・アイ・エー・ジャパン Open Innovation Communityコアメンバーとして創薬エコシステムの活動を行いました。
- 受託試験の技術開発、ニーズ調査、マーケティングなどの支援
- 企業で実施している受託試験の技術支援、ニーズ調査や顧客獲得などのマーケティングの支援を行いました。
- アカデミックでの成果の企業へライセンス
- 福島県立医科大学での研究成果を様々な企業へライセンスするための活動を行いました。
ご利用までの流れ
- ご要望の内容や状況により秘密保持契約を締結いたします
- ご要望内容次第では各種試験サービスも組み合わせてご提案いたします
創業者 高木基樹のご経歴
- 大学院から、抗生物質、抗ウイルス薬、抗がん剤などの創薬研究を行ってきました。
- 天然物化合物、合成化合物、核酸、抗体、細胞などのモダリティーの薬効、毒性評価を実施しました。
- 製薬企業を中心に多くの企業と共同研究、受託研究を行い、実用化を進めました。
- GMPに対応した細胞保管や抗体生産に従事しました。
職歴
2001年 | 東京大学 分子細胞生物学研究所 博士研究員 天然物化学、ケミカルバイオロジー、抗生物質、生合成 |
---|---|
2002年 | 株式会社ジーンケア研究所 主任研究員 抗がん剤、核酸医薬 |
2006年 | バイオ産業情報化コンソーシアム 特別研究員(産業技術総合研究所) 天然物化学、ケミカルバイオロジー、創薬科学、医薬品探索 |
2012年 | 福島県立医科大学 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター 准教授 ケミカルバイオロジー、創薬科学、バイオエコノミー、オープンイノベーション |
2014年 | 福島県立医科大学 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター 教授 ケミカルバイオロジー、創薬科学、バイオエコノミー、オープンイノベーション |
2020年 | 一般財団法人福島医大トランスレーショナルリサーチ機構 副理事長(兼務) バイオエコノミー、オープンイノベーション |
2023年 | 株式会社ジェイサーバイオ 代表取締役 福島県立医科大学 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター 特任教授 山陽小野田市立山口東京理科大学 薬学部 客員教授 東京大学大学院 農学生命科学科 学術専門職員 |
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
- 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。
Share