薬理試験: 感染症関係試験

病原微生物を用いた感染症試験 受託サービス

富士フイルム富山化学株式会社

昨今の新型コロナウイルスのパンデミックにより、感染症に対する創薬の重要性が再認識されました。
パンデミックウイルスのみならず、薬剤耐性菌(AMR:Anti-Microbial Resistance)や三大感染症(HIV/エイズ、結核、マラリア)の克服は極めて重要な公衆衛生上の課題となっております。

富士フイルム富山化学では、これまでの感染症研究開発で培ってきた経験を活かし、病原微生物を用いた感染症試験受託サービスを開始いたしました。
病原微生物を疾患標的とした専門性の高いサービスを皆様の創薬研究にお役立てください。

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サービスの特長

  • 長年の感染症創薬研究開発で培ってきた経験とノウハウから、国内屈指の専門的なサービスを提供します。
  • 標準化された試験法が無い場合、富士フイルム富山化学が確立した試験系や論文情報を基に試験を検討します。
  • 病原微生物によっては富士フイルム富山化学でご用意可能です(別途ご相談ください)。
  • 様々な創薬モダリティの抗病原微生物活性や抗菌効果、消毒評価を実施します。
  • 抗病原微生物薬の有効性を正しく評価できる各種in vitro試験系を保有します。
  • 多様な疾患動物モデルを用いたin vivo有効性を評価可能です。

富士フイルム富山化学について

富士フイルム富山化学の抗感染症薬研究開発の歴史

富士フイルム富山化学は、前身の富山化学工業の時代より様々な病原微生物を扱っており、標的の同定からINDに至るまで複数の感染症薬を創製した実績があります。
その過程で、様々な感染症に対する新しい治療薬の発見と開発を可能にする最先端の創薬プラットフォームを確立してきました。
あらゆる範囲のin vitro/in vivo試験系を備えており、創薬ターゲットの発見から表現型スクリーニングまで、最も効率的で最適な創薬アプローチに対応ができる他、まったく新しい作用機序を持つ化合物の特性解析も実施可能です。

富士フイルム富山化学が創製した抗感染症薬・開発化合物例

富士フイルム富山化学が創製した抗感染症薬・開発化合物の代表例

富士フイルム富山化学で取り扱い可能なモダリティ(例)

低分子化合物、中~高分子化合物(天然物、ペプチド、核酸など)、抗体

感染症試験サービスフロー

in vitroin vivo試験実施の場合の一例)

特定のステップのみをご依頼頂く事も可能です。

感染症試験サービスの詳細(細菌を対象とした試験の場合)

各種準備

01
試験計画のお打合せ・試験計画書の作成・御見積りの提出

お客様の試験目的等をヒアリングさせていただき、実施する試験のご提案と詳細を決定します。ご要望に応じて、秘密保持契約を締結させていただきます。
試験が複数の場合は、次に試験に進めるかどうかの「GO/No GO」のマイルストーン設定も行います。
この段階でお見積りをご提出させていただきます。

02
病原微生物の手配
お客様よりご提供もしくは、富士フイルム富山化学保有の病原微生物を使用

試験に使用する病原微生物をご提供いただきます。ご手配方法が不明な場合はご相談ください。
富士フイルム富山化学で保有している病原微生物は試験で使用可能です。

In vitro試験

03
病原微生物を用いたin vitro感染試験
被験物質を用いたin vitro薬効、薬剤感受性、PAE試験など
病原微生物を用いたin vitro感染試験

細菌類に関しては、CLSI※1、 EUCAST※2などの業界標準法で評価します。
ウイルス類などで標準化された試験法が無い場合は、富士フイルム富山化学が確立した試験系や、論文等を基に検討試験を実施いたします。お客様にて参考論文をお持ちでない場合は論文調査から実施します。

※ 1CLSI:アメリカ臨床検査標準委員会
※2 EUCAST:ヨーロッパ抗菌薬感受性試験法検討委員会
被験物質を用いたin vitro薬効、薬剤感受性、細胞毒性評価

In vitroにおける各種評価を構築します。
本サービスによりin vivo本試験における被験物質のおおよその濃度を確認します。また、併せて被験物質の細胞毒性評価の実施も可能です。
細菌を対象とした試験では、業界標準法に加えて被験物質のPAE試験、除菌試験(Time-Kill)の実施が可能です。
ウイルスを対象とした試験では、各種アッセイ法(プラーク、CPE)による中和アッセイ評価の実施が可能です。

04
被験物質のADME試験、PK試験 等

被験物質の投与形態(経口、腹腔、静脈内、筋注、経皮)やモダリティに応じた各種試験を実施します。
A:Absorption(吸収)、D:Distribution(分布)、M:Metabolism(代謝)、E:Excretion(排泄)
PK: Pharmacokinetics(薬物動態)

In vivo試験

05
病原微生物の感染量の条件検討
病原微生物を用いたin vivo薬効試験I

In vivo本試験における病原微生物の感染量を決定するための試験です。
病原微生物の感染量を複数設定し、被験物質の効果が評価しやすい条件を検討いたします。

06
被験物質の有効性評価試験
病原微生物を用いたin vivo薬効試験II

被験物質が病原微生物に対して、どれほどの効果があるかを評価するメインの動物試験です。
生存率評価や、標的臓器内の生菌数等を実施します。

オプション用・納品用サンプル(感染組織、生体液、洗浄液 他)の回収も可能です。
※当試験の前に被験物質の投与スケジュールの検討をおこなう場合があります。

報告書

07
報告書、証明書(病原体検査証明 等)

試験報告書を納品し完了となります。
報告書の他に感染組織、生体液や標本の納品も可能です。ご希望に沿った形で調製し送付いたします。
感染組織の非感染性に関してはホルマリン処理等の対応が可能です。詳細はご相談ください。
※現在は信頼性保証非対応ですが、今後対応予定です。

オプション

08
感染動物由来サンプルを用いたin vitro評価試験

病原微生物に対する被験物質の効果を、感染動物から回収したサンプル(感染組織、生体液、洗浄液 他)を用いて評価いたします。
また、オリジナルの病原微生物から派生した「耐性菌出現頻度等」を評価することも可能です。より微量の病原微生物を検出する際はqPCRなどを駆使して定量する他、状況に応じて試験を実施いたします。

実施例

実施例1 in vitro抗病原微生物活性評価

  • MICおよびMBCの測定、薬剤感受性試験、細胞内殺菌試験、耐性菌出現頻度試験、Time-Kill 試験、PAE試験など創薬モダリティのin vitro特性評価を実施します。
  • CLSI、EUCASTなどの業界標準法で評価します。標準化された試験法が無い場合には試験法開発を行います。
  • プラーク試験、CPE試験、中和アッセイ等、複数のアッセイ系でin vitro抗ウイルス活性を評価します。

薬剤耐性肺炎球菌臨床分離株に対するソリスロマイシン(T-4288)
及び既存抗菌薬の薬剤感受性試験1)

各種インフルエンザウイルスに対するファビピラビル(T-705)
及び他剤の薬剤感受性試験2)

感染症試験実施例

実施例2 病原微生物感染モデルにおける被験物質の治療効果

  • 菌、真菌、ウイルスを含む重要な病原体が起因する感染症疾患に関連性が高く、検証された動物モデルによる創薬モダリティの有効性を評価します。
  • 病原体、疾患モデル、動物種、投与経路の組み合わせで得られる100種類以上の広範な動物モデルで有効性を評価した実績がございます。
  • Bacterial burden、生存率、qPCRなど多様なエンドポイントで評価します。

多剤耐性緑膿菌マウス尿路感染モデルにおけるT-1228の治療効果3)

インフルエンザウイルス感染マウスモデルにおけるファビピラビルの治療効果4)

  1. Antibacterial Activity of Solithromycin (CEM-101/T-4288) and Comparators against Clinical Isolates of Streptococcus pneumoniaeStreptococcus pyogenes、 and Haemophilus influenzae Isolated in Japan. ASM microbe 2017 New Orleans、 LA、 1-5 June、 2017、 Friday-127.
  2. In vitro and in vivo activities of anti-influenza virus compound T-705. Antimicrob. Agents Chemother.、 200246、 977-81.
  3. In vivo efficacy of T-1228 (RC-01)、 a Novel LpxC inhibitor、 in Murine Pneumonia and Urinary Tract Infection Models. ASM microbe 2019 San Francisco、 CA、 20-24 June、 2019、 Sunday-746.
  4. In vitro and in vivo activities of T-705 and oseltamivir against influenza virus. Antiviral Chem. Chemther.、 200314、 235-41.

実施可能な試験(一例)

  • CLSI標準法に準拠した試験
  • EUCAST標準法に準拠した試験
  • プラーク試験
  • CPEによるウイルスの中和アッセイ評価試験
  • 被験物質の細胞毒性評価試験
  • 被験物質のPAE試験
  • 除菌試験(Time-Kill)
  • 被験物質のADME試験
  • PK試験
  • qPCRを用いた病原微生物のRNA定量試験
  • 薬剤耐性ウイルス獲得試験
  • ウイルスの増幅培養
  • 動物感染試験
  • 他剤との併用効果試験

見積り・ご注文について

下記の項目に関して、可能な範囲でご準備の上お問い合わせください。
(ご準備がない場合も、試験の目的・ご予算に合わせた内容を提案させて頂きます)

  • ●病原微生物
  • ●被験物質
  • ●ご希望の動物種
  • ●ご希望のサービス
  • ●被験物質の濃度数
  • ●一群あたりの動物数
  • ●ご希望の成果物
  • ●試験期間

感染試験は病原微生物と被験物質の掛け合わせであり、非常に多数の試験が想定されます。 お客様とお打ち合わせの上、ご要望にあわせた最良な試験計画を提案させて頂きます。 ご要望に応じて、秘密保持契約を締結させていただきます。

動物福祉への取り組み

富士フイルム富山化学では、「動物の愛護及び管理に関する法律」、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」、「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」
および日本学術会議が策定した「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」に基づき、動物実験に関わる社内規程を制定しております。
そのうえで、動物実験の基本理念の3R(Replacement: 代替法の利用、Reduction:動物数の削減、Refinement: 苦痛の軽減)に配慮し、適正に動物実験を管理しています。
また、社内規程への適合性について定期的に自己点検及び評価を実施、さらに一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)による動物実験実施施設認証の更新を受けています。

お見積り・ご注文について

ご依頼方法

下記のお見積り・ご注文フォームに必要事項をご記入の上ご連絡ください。

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    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
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