薬理試験: 毒性評価

医薬品候補化合物の心毒性評価試験サービス

富士フイルム株式会社

富士フイルムグループは、ヒトiPS細胞を用いた心毒性評価の受託サービスを始めます。

本サービスの高精度な心毒性予測により、安全性試験の不安や迷いを払拭し、お客様のスピーディーな創薬研究を支援します。従来の心毒性評価は、偽陽性判定による有望化合物のドロップアウトや臨床段階で初めて発現する心毒性リスクによるプロジェクト中断により、開発期間の長期化、コスト増大が課題となっていました。

今回提供する評価系は、ヒトiPS細胞由来の心筋細胞を用いるため、従来のhERG試験にはない精度で毒性リスクを評価できます。富士フイルムはグループ会社にiPS細胞世界シェアNo.1のフジフイルム・セルラー・ダイナミクスをもち、社外コンソーシアムで本評価法の構築に貢献してきた経験と技術をもとに、お客様のお悩みに並走し、最適な方法で意思決定をサポートします。

また将来は、AI技術を活用し、毒性メカニズムに基づいた回避策の提案も目指します。

iPS心筋細胞を用いた新しい創薬スタイルを体感してみませんか?

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特長

  • FCDI社のiPS心筋細胞は、ヒト心臓組織に発現している全イオンチャネルを兼ね備えており、総合的なチャネル評価ができる1)
  • 拍動する心筋シートの表面電位を測定し、得られる心電図様波形からQT延長作用や不整脈様波形の発生頻度を評価できる。

hERG, iPS心筋細胞による試験結果とヒトQT延長の関係

薬剤 iPS心筋細胞試験2) 臨床QT延長3) hERG試験2)
E-4031
Terfenadine
Dofetilide
Flecanide
Astemizole
Verapamil
Mexiletine
Loratadine
Aspirin

iPS心筋細胞は、臨床におけるQT延長を高精度に予測可能である。

参考文献
  1. Kodama, M. et al. : Journal of Pharmacological Siences, 140, 325-330 (2019).
  2. Ando et al. : Journal of Pharmacological and Toxicological Methods, 84 (2017) 111-127
    FPDcF 10%延長濃度, hERG IC50が10µM以下の場合に陽性と判定
  3. Credible Med; Know risk of TdP を + と判定

他の手法との違い

評価項目 in vitro ex vivo
iPS心筋細胞試験 hERG試験 イオンチャネル阻害試験 ランゲンドルフ灌流心試験
毒性評価 イオンチャネル阻害作用 (△)
QT延長作用
催不整脈作用
心収縮機能 (〇)
スループット (納期)
種差 ヒト ヒト ヒト 動物
化合物量 少ない 少ない 少ない 多い
  • 今回、iPS心筋細胞を用いて、QT延長/催不整脈作用を評価
  • 今後、画像AI技術を用いたイオンチャネル阻害作用の解析、iPS心筋細胞のペーシング技術を用いた心収縮機能の評価サービスを拡充していく予定

評価フロー

試験フロー

部材・機器 (Axion BioSystems製)

  • MEA電極プレート:48 well プレート
  • MEA機器:Maestro Pro

資材・試薬 (FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.製)

  • 細胞:iCell® Cardiomyocytes2
  • 培地:iCell® CM Plating Medium (解凍用)
    iCell® CM Maintenance Medium (維持用)

評価項目

  • FPDcF, FPDcF10, 拍動数, EAD (早期後脱分極)

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