タンパク質多項目解析試薬
サンプル中のターゲットタンパク質を定量する方法としてはELISAが知られていますが、原則一度に一種類のタンパク質しか測定できません。
Proteome Profiler™は、ターゲットタンパク質を指定できませんが、サイトカインやキナーゼ類など項目別にタンパク質を半定量的に測定できます。
Luminex® Assaysは、任意のターゲットタンパク質を最大50種類設定でき、Proteome Profiler™よりも精度の高い定量が可能です。
学術コンテンツ
タンパク質多項目解析 (マルチプレックスアッセイ) とは?
タンパク質多項目解析は、単一サンプル中に存在する多種類のタンパク質の量を同時に測定する解析手法です。マルチプレックスアッセイとも呼ばれます。多項目解析は、例えば疾患による血清中のサイトカインの変化などをスクリーニングする際に有用です。当社ではタンパク質多項目解析用の試薬として、R&D Systems社のProteome Profiler™とLuminex®Assaysを取り扱っております。
タンパク質多項目解析用試薬の原理
Proteome Profiler™はメンブレンベースの抗体アレイです。標的タンパク質を捕捉するための抗体がメンブレン上にスポットされています。捕捉された標的タンパク質はサンドイッチ法を用いて化学発光により検出されます。検出用抗体に抗ユビキチン抗体や抗リン酸化チロシン抗体を使えば、タンパク質の修飾状態も解析可能です。
Luminex® Assaysは蛍光色素で標識された専用マイクロビーズ(磁気ビーズ)を用いたアッセイキットです。ビーズの表面には標的タンパク質を捕捉するための抗体が結合しており、さらにビーズは抗体の種類ごとに蛍光が異なります。抗体によって捕捉された標的タンパク質は検出用抗体でサンドイッチされます。これによりビーズの色で標的タンパク質の特定、検出用抗体の蛍光色素 (Phycoerythrin/PE) が発する蛍光強度で標的タンパク質の量が測定可能です。
より詳細な原理はそれぞれの製品紹介ページにてご覧いただけます。
タンパク質多項目解析用試薬の使い分け
Proteome Profiler™とLuminex® Assaysは研究目的によって使い分けが必要です。それぞれの特長を下記にまとめました。
Proteome Profiler™ | Luminex® Assays | |
---|---|---|
定量性 | △ (半定量) |
〇 |
測定項目数 | 15-111項目 | 最大50項目 |
測定項目の選択 | 不可 | 可 |
必要サンプル量 | 200-500 μL | 25-50 μL |
測定検体数 | 4検体 (コントロール含めると2~3検体) |
82検体 (一重測定の場合) |
専用機器 | 不要 (ウエスタンブロッティングなどに使用する発光検出機器で検出) |
測定には専用の機器が必要。 (購入が難しい場合、受託サービスもあり) |
こんな方におすすめ | ✔少数の検体で多項目の解析をしたい。 | ✔多数の検体で解析したい。 ✔定量的な解析をしたい。 |