経口投与補助試薬

実験動物(特にマウス・ラット)に化合物を投与する経路は、腹腔内投与、静脈内投与、皮下投与、経口投与など様々です。中でも経口投与は医薬品の適用部位で最も多い経路であり、生体に対する安全性や毒性を調べる際にも有用です。ただし生体内にて消化吸収や代謝の過程を経るので、投与した化合物の動態に留意する必要があります。
経口投与は、経口ゾンデを装着したシリンジなどで強制的に投与する方法が一般的です。飼料や飲料に目的の化合物を混ぜて与える混餌投与や混水投与も用いられますが、摂取した量によって化合物の投与量が変化したり、正確な投与量の推定が難しいといった問題点があります。

なお投与する化合物が水などに溶けやすければ問題ありませんが、簡単には溶けない物質を投与する場合、メチルセルロースなどに懸濁して投与する必要があります。しかしメチルセルロースは水に溶けづらく、溶解に時間がかかることが問題でした。当社では溶解済のメチルセルロース溶液を販売しており、溶解の手間が不要です。

参考文献

中釜斉, 北田一博, 庫本高志 編, 無敵のバイオテクニカルシリーズ マウス・ラット実験ノート, 羊土社, 2009