相分離液滴の性質を蛍光色素で見分ける

同仁化学 LLPS 性質評価蛍光色素セット

DOJINDO

本キット(LL03)は、相分離液滴の性質を調べるのに有用な色素のセットです。
タンパク質間の疎水性相互作用に応答する色素(ANS, SepaFluor)とアミロイド結合性の蛍光染色色素(Thioflavin T, Congo Red) の4種類を同梱しています。さらに、SepaFluorは疎水性相互作用だけでなく、相分離液滴がゲル化したものも観察可能です。これらの色素を用いることで、相分離液滴の性質の理解につながります。

  • 本キットは、細胞内の相分離液滴には適用できません。細胞外における実験でご使用ください。
  • 本キットには、標準タンパク質、クラウディング剤、緩衝液等は同梱されておりません。下記別キットをお買い求めください。
LLPS検討・観察・評価 応援キャンペーン!!

「LLPS 性質評価蛍光色素セット(LL03)」と「LLPS スターターキット(LL01)」、
または「LLPS 作製・条件検討セット(LL02)」と「LLPS スターターキット(LL01)」をセット価格で!

キャンペーン詳細やお申込みはこちら

液- 液相分離(LLPS)とは

液‐液相分離( liquid-liquid phase separation: LLPS)は細胞内で特定の分子が局所的に集まり、液体のような性質を持つ生体分子の凝集体(液滴)を形成する現象です。近年、LLPS が細胞内で多くの生物学的プロセスに影響を与えることが明らかになり注目を浴びています。 相分離によって形成される液滴の研究はまだ初期段階ですが、これらの生物学的な現象がどのようにして細胞の機能や疾患の発症に影響を与えるかを解明することは、新しい治療法の開発につながる重要な鍵と考えられています。

参考文献 E. Dolgin, Nature, 2018, DOI: 10.1038/d41586-018-03070-2.

特長・キット内容

  • 相分離液滴の性質を確認できる4種の蛍光色素をセット化
  • 液滴に含まれる疎水性相互作用の強いタンパク質やアミロイドを染色
  • 液滴のゲル状や凝集体への変化を捉える色素も同梱
コンポーネント 数量 性質
ANS
(8-anilino-1-naphthalenesulfonic acid)
50 μL×1 疎水場で 蛍光を発する 青色
SepaFluor
液滴のゲル状、凝集体への変化も観察可能
10 nmol×1 紫色
Thioflavin T 50 μL×1 アミロイド 結合性 緑色
Congo Red 50 μL×1 赤色

技術情報①:Heparin を用いた Tau タンパク質の凝集体の染色

Tau タンパク質と Heparin を用いて相分離液滴を作製しました。 作製時、Thioflavin T または Congo Red を添加しました。

サンプル

Tau-441 (2N4R) WT:10 μmol/L
Heparin:20 %
Buffer: 10 mmol/L HEPES (pH 7.4) 150 mmol/L NaCl
色素濃度:10 μmol/L
インキュベート(37℃) :10日間

検出条件

共焦点レーザー顕微鏡 Zeiss LSM800
・Thioflavin T Ex=488 nm, Em=500-600 nm
・Congo Red Ex=561 nm, Em=550-700 nm
 Scale bar: 10 μm

技術情報②:クラウディング剤 PEG8000 を用いた BSA タンパク質の染色

LLPS スターターキット(LL01)のウシ血清アルブミン(BSA)タンパク質とクラウディング剤 PEG8000 を用いて相分離液滴を作製しました。作製時、ANS または SepaFluor を添加しました。

サンプル

BSA:150 μmol/L
PEG8000:15 %
Buffer: 50 mmol/L HEPES (pH 7.4)150 mmol/L NaCl
色素濃度:ANS 10 μmol/L SepaFluor 100 nmol/L
インキュベート(25℃):1時間

検出条件

共焦点レーザー顕微鏡 Zeiss LSM800
・ANS Ex=405 nm, Em=400-550 nm
・SepaFluor Ex=640 nm, Em=650-700 nm
 Scale bar: 10 μm

技術情報③:PEG8000 を用いた Lactoferrin タンパク質の染色

主に静電相互作用で相分離液滴を形成することが知られている Lactoferrin タンパク質を用いて実験を行いました。 LLPS 作製・条件検討セット (LL02)を用いて PEG8000 の濃度検討行い、濃度を高くすると、Lactoferrin の相分離液滴はゲル化しました。その変化を SepaFluor で検出することができました。

サンプル

Lactoferrin:20 μmol/L
PEG8000:5 % or 10 %
Buffer: 20 mmol/L HEPES (pH 7.4)
色素濃度:SepaFluor 100 nmol/L
インキュベート(25℃):1時間

検出条件

共焦点レーザー顕微鏡 Zeiss LSM800
・SepaFluor Ex=640 nm, Em=650-700 nm
 Scale bar: 10 μm

製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

関連製品一覧

  • 項目をすべて開く
  • 項目をすべて閉じる

BSAを用いた相分離液滴の作製・観察

目的タンパク質での相分離液滴形成の条件検討

  • 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
    【試薬】
    試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
    【医薬品原料】
    製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
  • 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
  • 表示している希望納入価格は本記事掲載時点の価格です。