スポアクレンズ
PIC/S GMP Annex1の改訂版が、一部項目を除き、2023年8月25日に発効となりました。この改訂版では、無菌環境でのDisinfection(消毒)に関する項で、殺芽胞剤の活用が明記されています。STERIS社が製造し、ニッタ株式会社が販売するSpor-Klenz(スポアクレンズ)は、アクトリル(EPA Reg. No.52252-7)の後継製品です※。スポアクレンズは、無希釈・無調整で使用できるReady-To-Useの過酢酸系除菌剤で、米国環境保護庁(EPA)に認可されたPIC/S GMP準拠の殺芽胞剤です。有害なホルムアルデヒドやグルタールアルデヒドを含まず、医薬用外劇物に該当しません。安全性と優れた効果を兼ね備えた次世代の除菌剤です。
※製品名がスポアクレンズへ変更されましたが、アクトリルと製造工場は変わらず、薬剤自体も変更はありません。
※アクトリルの国内在庫が終了次第、順次スポアクレンズへ変更となります。
特長
- EPA承認製品(Reg.No. 1043-119)
- PIC/S GMP準拠※
- Ready-To-Use
- 0.2µmフィルタ-滅菌済み
- 多重包装、EtOガス滅菌済み(クリーンルーム仕様のみ)
※PIC/S GMP準拠の除染剤
①「殺芽胞剤≠sporicidal chemical agents」を定期的に使用する
②無菌性を保証したうえで販売されているものを用いる
③作業者の安全確保(安全性の高い薬剤)
スポアクレンズRTU クリーンルーム仕様
ISOクラス5とクラス7専用のクリーンルーム仕様製品は、EtOガス処理済みの2重包装により、高い清浄エリアへ持ち込む際、外部のパッケージを取り除くことで、外部に付着したカビや塵の持ち込みを防ぎます。
作用機序
ボトル内は、右図の平衡状態が保たれております。
微生物等と接触、もしくは噴霧した際に遊離した活性酸素や各種ラジカルが、微生物内SH基やS-S結合を破壊することで殺菌作用を示すと言われています。
効果・安全性
スポアクレンズRTU(Ready-To-Use)は、他の過酢酸系除菌剤と異なり、非常に低濃度での過酸化水素および過酢酸含有量で安定して高い殺菌効果を発揮します。
有効成分「過酢酸」は、生分解性が高く、残留毒性もありません。
試験項目 | 結果 |
---|---|
急性吸入毒性(噴霧使用) | 致死濃度:13,439 ㎎/m3以上 |
初期皮膚刺激性 | 皮膚反応なし |
急性皮膚毒性 | LD50=20 g/kg 無毒 |
初期目刺激性 | 目の刺激あり |
急性経口毒性 | LD50=5 g/kg |
単回静脈内投与毒性試験 | LD50=3,389 mg/kg |
成分での比較
過酢酸 | 過酸化水素 | ホルムアルデヒド | |
---|---|---|---|
殺菌効果 | 〇 | 〇 | △(耐性菌報告あり) |
安全性 | ◎ | ×劇物(6%以上) | ×発がん性 |
残留毒性 | なし | あり | あり |
金属腐食性 | あり※ | あり | あり |
後処理 | 排気・(拭き取り) | 中和・拭き取り | 中和・排気・拭き取り |
対象エリアの養生 | 簡易 | 厳重 | 厳重 |
その他 | 酢酸臭(感知可能) | 無臭(危険) | 刺激臭 |
材質適合性
スポアクレンズRTUは、製造施設にあるほとんどの非多孔質表面に使用できます。
鉄、銅、真鍮などの金属を腐食する性質がありますので、右表に無い材質は使用前に適合性試験をお勧めしております。
金属 | プラスチック | エラストマー |
---|---|---|
ステンレス | プラスチックポリプロピレン | シリコンゴム |
アルミ合金 | テフロン | |
ABS | ||
ポリエチレン | ||
PVC | ||
ポリカーボネート | ||
Tygon |
製品一覧
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通常仕様
クリーンルーム仕様
- 掲載内容は本記事掲載時点の情報です。仕様変更などにより製品内容と実際のイメージが異なる場合があります。
- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
- 製造専用医薬品及び医薬品添加物などを医薬品等の製造原料として製造業者向けに販売しています。製造専用医薬品(製品名に製造専用の表示があるもの)のご購入には、確認書が必要です。
- 表示している希望納入価格は「本体価格のみ」で消費税等は含まれておりません。
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