R&D Systems 糖鎖標識/糖鎖検出
グリコシル化は多数のタンパク質や脂質で起こる豊富な翻訳語修飾です。 グリコシル化は、タンパク質の折り畳み、分泌、局在化、安定性および活性調節に重要であることが知られています。タンパク質のグリコシル化を簡単に分析できるように、SDS-PAGEと蛍光イメージャーを使用してグリカンを標識・検出できるキットや標識酵素、蛍光標識ドナー基質を提供しています。
N-グリカン標識・検出
(A) N-グリカン特異的標識は、Cy3結合 Neu5Acなどの蛍光標識シアル酸の直接取り込み、または (B) Cy3-Neu5Ac による天然のシアル酸の置換により行われます。どちらの方法でも、Cy3-Neu5Ac はN-グリカン特異的シアリルトランスフェラーゼであるST6Gal1 を介して行われますが、代替法として蛍光標識 Neu5Ac ドナー基質とシアリルトランスフェラーゼを標識に使用することもできるかもしれません。最大限の標識を得るために、初めにサンプルを組み換えC. perfringens ノイラミニダーゼ(Neu) を使用して (B) のように脱シアリル化させます。ノイラミニダーゼは α2-3および α2-6結合シアル酸を特異的に除去します。次にST6Gal1 および Cy3-Neu5Acで標識した後、標識された生成物をSDS-PAGEで分離し、蛍光イメージャーを使用して検出します。
品名 | コード | 仕様 |
---|---|---|
N-glycan Labeling and Detection Kit | EA007 | N-グリカン標識・検出 |
PNGase F N-glycan Releasing Kit | EA006 | 糖タンパク質中のN-グリカン切断 |
標識酵素/シアル酸除去酵素 | コード | 機能 |
---|---|---|
ST6Gal1 | 7620-GT | N-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal4 | 10496-GT | N-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal6 | 10591-GT | N-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
C. perfringensNeuraminidase Protein | 5080-NM | α2-3 および α2-6 結合シアル酸特異的除去 |
M. viridifaciensNeuraminidase Protein | 5084-NM |
蛍光標識シアル酸供与体 | コード | 機能 |
---|---|---|
CMP-Cy3-Sialic Acid | ES402 | 遊離糖鎖のCy3蛍光標識 |
CMP-Cy5-Sialic Acid | ES302 | 遊離糖鎖のCy5蛍光標識 |
CMP-C9-Biotin-Sialic Acid | ES201 | タンパク質および脂質のシアログリカンの直接的なビオチン標識 |
O-グリカン標識・検出
(A) O-グリカン特異的標識は、Cy5標識Neu5Acなどの蛍光標識シアル酸の直接的な取り込み、または(B)天然シアル酸の蛍光標識シアル酸(例:Ct5-Neu5Ac)への置換により行われます。初めにサンプルを組み換え C. perfringens ノイラミニダーゼ(Neu) を使用して脱シアリル化させます。その後、Cy5-Neu5AcをST3Gal1、ST3Gal2 またはS6GalNAc2などのO-グリカン特異的シアリルトランスフェラーゼにより導入します。標識された生成物をSDS-PAGEで分離し、蛍光イメージャーを使用して検出します。
標識酵素/シアル酸除去酵素 | コード | 機能 |
---|---|---|
ST3Gal1 | 6905-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal2 | 7275-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST6GalNAc1 | 9154-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST6GalNAc2 | 6468-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST6GalNAc4 | 6876-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
C. perfringensNeuraminidase Protein | 5080-NM | α2-3 および α2-6 結合シアル酸特異的除去 |
M. viridifaciensNeuraminidase Protein | 5084-NM |
蛍光標識シアル酸供与体 | コード | 機能 |
---|---|---|
CMP-Cy3-Sialic Acid | ES402 | 遊離糖鎖のCy3蛍光標識 |
CMP-Cy5-Sialic Acid | ES302 | 遊離糖鎖のCy5蛍光標識 |
CMP-C9-Biotin-Sialic Acid | ES201 | タンパク質および脂質のシアログリカンの直接的なビオチン標識 |
(A) Recombinant Human ACE-2 (#933-ZN) は、Recombinant Human ST6Gal1 (#7620-GT) およびCy3-Neu5Acを使用してN-グリカン(N) を標識、Recombinant Human ST3Gal2 (#7275-GT)およびCy3-Neu5Acを使用してO-グリカン(O)を標識した。次に標識したサンプルをPNGase G N-glycan Releasing Kit (#EA006) を使用して、PNGase F 100ng から段階希釈したもので処理した。SDS-PAGE により分離し、蛍光イメージャーで画像を得た。
標識されたN-グリカンはPNGase F により切断されましたが、O-グリカンでは切断が見られませんでした。これはそれぞれST6Gal1 および ST3Gal2 によるN-およびO- グリカンの特異的標識を示しています。
(B) Recombinant Human CA125/MUC16 (#5609-MU) は、Recombinant Human ST6Gal1 (#7620-GT) およびCy5-Neu5Acを使用してN-グリカン(N) を標識、Recombinant Human ST3Gal2 (#7275-GT)およびCy5-Neu5Acを使用してO-グリカン(O)を標識した。次に標識したサンプルをPNGase G N-glycan Releasing Kit (#EA006) を使用して、PNGase F 640ng から段階希釈したもので処理した。SDS-PAGE により分離し、蛍光イメージャーで画像を得た。
標識されたN-グリカンはPNGase F により切断されましたが、O-グリカンでは切断が見られませんでした。これはそれぞれST6Gal1 および ST3Gal2 によるN-およびO-グリカンの特異的標識を示しています。
(C) Recombinant Human CA125/MUC16 (#5609-MU) は、Recombinant Human ST6Gal1 (#7620-GT) およびCy5-Neu5Acを使用してN-グリカン(N) を標識、Recombinant Human ST3Gal2 (#7275-GT)およびCy5-Neu5Acを使用してO-グリカン(O)を標識した。次に標識したサンプルをPNGase G N-glycan Releasing Kit (#EA006) を使用して、PNGase F 640ng から段階希釈したもので処理した。SDS-PAGE により分離し、蛍光イメージャーで画像を得た。標識されたN-グリカンはPNGase F により切断されましたが、O-グリカンでは切断が見られませんでした。これはそれぞれST6Gal1 および ST3Gal2 によるN-およびO-グリカンの特異的標識を示しています。
グリカン標識/標識グリカン
(A) Cy5-Fucose Labeled N2f (コード: GL304)の生成図。 Recombinant Human Fucosyltransferase/FUT8 (コード: 5768-GT) および GDP-Cy5-Fucose (コード: ES301) を使用した方法。Recombinant Human B4GalT1 (コード: 3609-GT), Recombinant Human B3GNT2 (コード: 3960-GT)のような様々なグリコシルトランスフェラーゼを用いたCy5-Fucose Labeled Glycan G2f (コード: GL302), Cy5-Fucose Labeled xG2f, Cy5-Fucose Labeled xxG2f の多段階合成。または F. keratolyticus Endo-beta-Galactosidase (コード: 8620-GH) によるxxG2fの加水分解。Cy5-Fucose Labeled M2f はRecombinant Human Hexosaminidase/HEXA (コード: 6237-GH)により生成されます。
(B) 図Aに示したグリカン標識反応とEndo-beta-Gal アッセイの生成物をSDS-PAGEで分離し、FluorChemイメージャーで可視化した図。
グリカン標識/修飾酵素 | コード | 機能 |
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B4GalT1 | 3609-GT | β4-Gal の導入およびⅡ型ラクトサミンの生成 |
B3GalT5 | 10555-GT | β3-Gal の導入およびⅠ型ラクトサミンの生成 |
B3GNT2 | 3960-GT | β3-Gal の導入およびⅡ型ラクトサミンの生成 |
Endo-beta-Galactosidase | 8620-GH | ポリ-N-アセチルラクトサミンおよび硫酸化構造の内部β(1-4) ガラクトース結合の加水分化 |
Endo-S2 | 10976-GH | IgG Fc領域のグリカン除去 |
Fucosyltransferase 8/FUT8 | 5768-GT | コア-フコースの標識 |
Hexosaminidase A/HEXA | 6237-GH | 非還元GlcNAcの除去 |
N-Acetylglucosaminyltransferase1/MGAT1 | 8334-GT | GlcNAcのalpha 3 armへの導入 |
N-Acetylglucosaminyltransferase3/MGAT3 | 7359-GT | 二分割化(bisecting)GlcNAcの導入 |
N-Acetylglucosaminyltransferase V/MGAT5 | 5469-GT | GlcNAcのalpha 6 armへの導入 |
ST6Gal1 | 7620-GT | α2-6 結合シアル酸の導入 |
ST3Gal6 | 10591-GT | α2-3 結合シアル酸の導入 |
蛍光標識ドナー単糖類 | コード | 機能 |
---|---|---|
GDP-Cy3-Fucose | ES401 | 遊離糖鎖のCy3蛍光標識 |
GDP-Cy5-Fucose | ES301 | 遊離糖鎖のCy5蛍光標識 |
GDP-Biotin-Fucose | ES202 | 遊離グリカン、糖タンパク質、糖脂質の直接的なビオチン標識 |
CMP-Cy3-Sialic Acid | ES402 | 遊離糖鎖のCy3蛍光標識 |
CMP-Cy5-Sialic Acid | ES302 | 遊離糖鎖のCy5蛍光標識 |
CMP-C9-Biotin-Sialic Acid | ES201 | タンパク質および脂質のシアログリカンの直接的なビオチン標識 |
蛍光標識グリカン | コード | 機能 |
---|---|---|
Cy5-Fuc-Labeled M1N1f | GL301 | レクチンの基質として使用でき、さまざまなグリコシダーゼやグリコシルトランスフェラーゼの研究に使用できます。また、シアリルルイスX構造などのさまざまなグリカンエピトープを合成するための足場としても使用できます。 |
Cy5-Fuc-Labeled Glycan G2f | GL302 | |
Cy5-Fuc-Labeled N2f | GL304 |
フコシル化によるグリカン標識
フコース標識酵素/フコース糖鎖除去酵素 | コード | 機能 |
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Fucosyltransferase 2/FUT2 | 7770-GT | α1-2フコシルトランスフェラーゼ |
Fucosyltransferase 3/FUT3 | 4950-GT | α1-3 および α1-4 フコシルトランスフェラーゼ |
Fucosyltransferase 5/FUT5 | 4949-GT | α1-3フコシルトランスフェラーゼ |
Fucosyltransferase 7/FUT7 | 6409-GT | α1-3フコシルトランスフェラーゼ |
Fucosyltransferase 8/FUT8 | 5768-GT | α1-6フコシルトランスフェラーゼ |
Fucosyltransferase 9/FUT9 | 9347-GT | α1-3フコシルトランスフェラーゼ |
Fucosyltransferase 11/FUT11 | 5964-GT | α1-3フコシルトランスフェラーゼ |
Protein O-Fucosyltransferase 1/POFUT1 | 7409-GT | Protein O-フコシルトランスフェラーゼ |
Tissue alpha-L-Fucosidase/FUCA1 | 7039-GH | 糖脂質およびオリゴ糖のα-Lフコース残基の加水分解 |
蛍光標識フコース供与体 | コード | 機能 |
---|---|---|
GDP-Cy3-Fucose | ES401 | 遊離糖鎖のCy3蛍光標識 |
GDP-Cy5-Fucose | ES301 | 遊離糖鎖のCy5蛍光標識 |
GDP-Biotin-Fucose | ES202 | 遊離グリカン、糖タンパク質、糖脂質の直接的なビオチン標識 |
GDP-N3-Fucose | ES101 | フコシル化振り感のアジド標識 |
シアリル化によるグリカン標識
(A) O-グリカン特異的標識は天然シアル酸を蛍光標識シアル酸(例:Cy5-Neu5Ac)に置換することにより行われます。初めにサンプルを組み換え C. perfringens ノイラミニダーゼ(Neu) を使用して脱シアリル化させます。その後、Cy5-Neu5AcをST3Gal1、ST3Gal2 またはS6GalNAc2などのO-グリカン特異的シアリルトランスフェラーゼにより導入します。
(B) N-グリカン特異的標識は、Cy3結合 Neu5Acなどの蛍光標識シアル酸の直接取り込み、または (B) Cy3-Neu5Ac による天然のシアル酸の置換により行われます。初めにサンプルを組み換えC. perfringens ノイラミニダーゼ(Neu) を使用して脱シアリル化させます。本酵素は α2-3およびα 2-6結合シアル酸を特異的に除去します。次に、N-グリカン特異的シアリルトランスフェラーゼを使用して、蛍光標識シアル酸を取り込みます。
シアル酸標識酵素尾/シアル酸糖鎖除去酵素 | コード | 機能 |
---|---|---|
ST6Gal1 | 7620-GT | N-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal4 | 10496-GT | N-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal6 | 10591-GT | N-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal1 | 6905-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST3Gal2 | 7275-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST6GalNAc1 | 9154-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST6GalNAc2 | 6468-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST6GalNAc4 | 6876-GT | O-グリカン特異的 シアル酸転移酵素 |
ST8Sia1 | 6716-GT | ポリシアル酸特異的 シアル酸転移酵素 |
ST8Sia2 | 6590-GT | ポリシアル酸特異的 シアル酸転移酵素 |
ST8Sia4 | 7027-GT | ポリシアル酸特異的 シアル酸転移酵素 |
STSia6 | 9587-GT | ポリシアル酸特異的 シアル酸転移酵素 |
C. perfringensNeuraminidase Protein | 5080-NM | α2-3 および α2-6 結合シアル酸特異的除去 |
M. viridifaciensNeuraminidase Protein | 5084-NM |
蛍光標識シアル酸供与体 | コード | 機能 |
---|---|---|
CMP-Cy3-Sialic Acid | ES402 | 遊離糖鎖のCy3蛍光標識 |
CMP-Cy5-Sialic Acid | ES302 | 遊離糖鎖のCy5蛍光標識 |
CMP-C9-Biotin-Sialic Acid | ES201 | タンパク質および脂質のシアログリカンの直接的なビオチン標識 |
CMP-N3-Sialic Acid | ES102 | タンパク質および脂質上の末端シアログリカンのアジド標識 |
ヘパラン硫酸/ヒアルロン酸標識
ヘパラン硫酸またはヒアルロン酸標識酵素/ ヘパラン硫酸またはヒアルロン酸グリコサミノグリカン除去酵素 |
コード | 機能 |
---|---|---|
EXT1/2 | 8567-GT | ヘパラン硫酸標識酵素 |
Hyaluronan Synthase (HAS) | 9585-GT | ヒアルロン酸標識酵素 |
Heparanse/HPSE | 7570-GH | ヘパラン硫酸消化酵素 |
9788-GH | ||
Heparinase I | 7897-GH | |
Heparinase I | 5830-GH | |
Heparinase II | 6336-GH | |
Heparinase III | 6145-GH | |
Hyaluronan Lyase | 5150-GH | ヒアルロン酸消化酵素 |
Hyaluronidase 1/HYAL1 | 7358-GH | |
Hyaluronidase 2/HYAL2 | 11012-GH | |
Hyaluronidase 4/HYAL4 | 6904-GH |
蛍光標識GlcNAc供与体 | コード | 機能 |
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UDP-Azido-GlcNAc | ES104 | ヘパラン硫酸プロテオグリカンまたはヒアルロン酸上のGlcNAcのアジド標識 |
標識プロテオグリカン | コード | 機能 |
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HPSE Substrate | ES020 | 非還元末端ビオチン化HSプロテオグリカン |
Cy5 Labeled Heparan Sulfate Proteoglycan (Cy5-HSPG) | GL402 | さまざまなヘパラナーゼおよびヘパリナーゼの活性研究のための基質として使用される |
Cy5 Labeled Hyaluronan (Low MW) | GL401 | さまざまなヒアルロン酸特異的加水分解酵素およびリアーゼの基質として使用される |
O-GlcNAc標識
タンデム標識のための蛍光標識糖類ドナー | コード | 機能 |
---|---|---|
UDP-Azido-GlcNAc | ES104 | O-GlcNAc タンデム標識 |
CMP-Cy3-Sialic Acid | ES402 | |
CMP-Cy5-Sialic Acid | ES302 |
O-GlcNAc 直接標識酵素 | コード | 機能 |
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B4GalT1 (Y285L) | 7040-GT | O-GlcNAc 直接標識 |
直接標識のための蛍光標識糖類ドナー | コード | 機能 |
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UDP-Azido-GalNAc | ES103 | O-GlcNAc 直接標識 |
O-GlcNAc導入/除去酵素 | コード | 機能 |
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O-GlcNAc Transferase/OGT | 8446-GT | O-GlcNAc導入酵素 |
O-GlcNAcase/OGA | 6779-GH | O-GlcNAc除去酵素 |
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