迅速高効率大腸菌コンピテントセル

ニッポンジーンECOS™ X Competent E. coli DH5 α

ECOS™ X(イーコス エックス)は、大腸菌DH5α株のコンピテントセルです。本品ではヒートショック処理後のSOC培地を使用した回復培養が不要なため、形質転換実験を6分間で行うことができます。また、形質転換効率が高いため、高効率が必要となる実験に使用することができます。

特長

  • 高効率形質転換が可能 ≧ 1 x 109(cfu/μg pUC19 DNA)
  • 高度なクローニングやライブラリー作製に使用可能
  • 短時間プロトコール(ECOS™ X 6分間プロトコール)
  • 凍結融解に対しての耐性が高い
  • テトラサイクリン、カナマイシンの場合もSOC培地による培養で高効率な形質転換が可能

製品内容

形質転換効率*

≧ 1 x 109(cfu / μg pUC19 DNA)

* 形質転換効率の測定条件

  • コンピテントセルを25°Cのウォーターバスで約2/3 量を融解してDNA溶液を添加。
  • 形質転換にはpUC19 DNA を使用。
  • 全て氷上で連続的に操作。
  • アンピシリンは50 μg/ml で使用。
  • LB プレートは4°Cのものを使用。

保存と凍結融解(再凍結)について

保存温度:-80℃

  • 温度変化の少ない条件下であれば長期間安定して保存することができます。長期保存による形質転換効率低下の目安は、1 年間で約1/2 に低下する程度です。
  • 一度の凍結融解(再凍結)を行うと、形質転換効率が約25~30%程度低下する可能性があります。凍結融解(再凍結)を行う場合は、融解、操作は氷上で素早く行い、-80℃で再凍結して下さい。また、凍結融解の繰り返しは形質転換効率の大幅な低下の原因となりますので避けて下さい。
  • これらの内容については製品の性能として保証するものではありませんので、ご了承下さい。

遺伝子型

使用例

ECOSTM X 6分間プロトコール(

  • *1)コンピテントセルの融解について
    ウォーターバスでコンピテントセルを融解することも可能です。その場合、25℃で30 秒程度加温することによりコンピテントセルの約2/3 量が融解します。約2/3量が融解した時点で氷上に置いて、直ちにDNA溶液を添加する次のステップに進んで下さい。完全に融解させた場合、形質転換効率が低下します。

    *2)DNA添加量について
    添加するDNA 溶液の量はコンピテントセル容量の5%以下にして下さい。5%以上のDNA 溶液を添加した場合には、形質転換効率が低下することがあります。

    *3)ボルテックスについて
    2 秒間のボルテックスは形質転換効率に悪影響を与えません。
    ECOSTM X Competent E.coli はボルテックスに耐えられるように調製されています。

    *4)LBプレートについて
    LB プレートは4℃のものを使用することができます。また、セレクションに使用する薬剤は以下の濃度で使用することをお勧めします。
    ・ アンピシリン 50 μg/ml

    薬剤濃度が高すぎる場合には、形質転換効率が低下する場合があります。また、薬剤濃度が低すぎる場合には、サテライトコロニー数が増加する場合があります。

ECOS™ X 6 分間プロトコールは、薬剤にアンピシリンを使用する場合にのみ有効です。薬剤耐性機構の違いにより、薬剤にカナマイシンやテトラサイクリンを使用する場合には形質転換効率が低下しますので、熱処理後に培地を添加し回復培養を行ってからプレートに移して下さい。

Q&A

Q:高効率のためのコツはありますか?

A1:LB プレートは良く乾燥させたものを準備し、ご使用前に4℃にて30 分程度冷やしてからご使用下さい。また、セルを塗り拡げる際にガラスビーズをご使用される場合、予めガラスビーズをプレートに入れた上で4℃にて冷やして下さい。

A2:コンピテントセルをプレートに塗布する際に、ガラスビーズ(5~8 粒/プレート)を使用することで、均一にセルを塗り拡げることができます。ご使用の際は、予めガラスビーズをLB プレートに入れておき、形質転換後のコンピテントセルをプレートにのせたら、直ちにプレートを横方向にシェイクすることで塗り拡げて下さい(全体にガラスビーズが行き渡るように、プレートの方向を変えながら50~70 回程度シェイクすることで、均一に塗り拡げることができます)。ガラスビーズには以下の製品の使用をお勧めします。
Bac’n’Roll Beads

Q:DH5α株について、ECOS™ X とECOS™ の違いはなんですか?

ECOSTM X Competent E. coli DH5 αは、ECOS™ Competent E. coli DH5 αと比較して形質転換効率が2オーダー高い、1 x 109(cfu/μg pUC19 DNA)の高効率なコンピテントセルです。どちらも、大腸菌の形質転換を高効率に短時間(6分間)で操作できますが、ECOS™ X においては、1分間プロトコール(最速形質転換法)は使用できません。また、6分間プロトコールにおいてもECOS™ X とECOS™ でプロトコールが少し異なりますのでご注意下さい。

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