培養液に添加するだけでヒトES/iPS細胞を検出!

蛍光標識rBC2LCN(アニマルフリー)

未分化細胞に高い親和性を持つ組換え体レクチン, rBC2LCN(AiLecS1)を蛍光物質で標識した製品です。
rBC2LCNは、Burkholderia cenocepacia由来のレクチンであるBC2L-CのN末端ドメインを大腸菌で発現させた組換え体レクチンです。BC2LCNは未分化ヒトES/iPS細胞の細胞表面に存在するムチン様O型糖鎖であるH-type3(Fucα1-2Galβ1-3GalNAc)に非常に高い親和性を持ちます。そのため、未分化ヒトES/iPS細胞のマーカーとして使用することができます。

本製品は、蛍光色素で標識されているため、そのまま適当な濃度でヒトES/iPS細胞の培養液に添加することで、未分化細胞を生きたまま解析することができます。本製品は細胞染色、フローサイトメトリーのいずれにもご使用いただけます。また、本製品の共存下で数日間培養を続けても細胞毒性は確認されておりません。

本製品の原料に動物由来成分を使用していません。そのため、ヒトES/iPS細胞由来再生医療等製品の製造時に、未分化能の確認や、フローサイトメトリーによるヒトES/iPS細胞除去にも使用可能です。

緑色蛍光標識体(FITC)と赤色蛍光標識体(Cy5領域)をラインアップしています。

特長

  • 原料に動物由来成分を使用しないアニマルフリー品
  • 培養液に添加するのみで細胞を染色可能
  • 細胞固定を行わず、細胞を生きたまま明瞭に染色可能
  • 染色した細胞は細胞染色、フローサイトメトリーに使用可能
  • 細胞毒性が低く、染色した状態で培養可能
  • Tra-1-60やSSEA-4等と同様に細胞表面上の糖鎖を認識

製品概要

  • 無菌試験済み
  • PBS(-)溶液
  • 実用希釈倍率
    生細胞染色       1:100 ~ 1,000
    フローサイトメトリー  1:100 ~ 1,000
  • 励起波長・蛍光波長
Excitation Emission
rBC2LCN-FITC 495 nm 520 nm
rBC2LCN-635 634 nm 654 nm

使用方法

生細胞染色(Live Cell Imaging)

  1. 培養中のヒトES/iPS細胞を準備する。
  2. 培地 1mL あたり rBC2LCN-FITC, AF もしくは rBC2LCN-635, AFを 1~10μL 添加する。
  3. 37℃, 5% CO2下で30分間インキュベートする。
  4. 新しい培地あるいはHBSS(+)、D-PBS(-)に交換する。
  5. 蛍光顕微鏡を用いて観察する。

固定細胞の染色

  1. 培養中のヒトES/iPS細胞を準備する。
  2. 培地を除去し、HBSS(+)で洗浄する。
  3. 4%パラホルムアルデヒド溶液(PFA)を添加し、室温で10~20分間静置する。
  4. PFAを除去後、D-PBS(-)で3回洗浄する。
  5. D-PBS(-)を添加する。
  6. D-PBS(-) 1mL あたり rBC2LCN-FITC, AF もしくは rBC2LCN-635, AF を1~10μL 添加する。
  7. 37℃, 5% CO2下で30分間インキュベートする。
  8. D-PBS(-)に交換する。
  9. 蛍光顕微鏡を用いて観察する。

フローサイトメトリー

  1. 培養中のヒトES/iPS細胞を準備する。
  2. 細胞分散溶液を用いて、シングルセルに分散する。
  3. 2.で分散された細胞をチューブに移し、1,000rpm で3分間遠心する。
  4. 上清を除去後、FCM Bufferで細胞を懸濁し、遠心後、上清を捨てる。
     ※FCM Buffer:D-PBS(-) や HBSS(-) もしくはそれらに 10mmol/L EDTA, 1% BSA、FBSを含むもの。
  5. 5×106cells/mL となるように FCM Buffer で懸濁する。
  6. 細胞懸濁液 1mL あたり、蛍光標識rBC2LCNを 1~10μL 添加する。
  7. 遮光して室温で30分間静置する。
  8. 1,000rpm で3分間遠心し、上清を捨てる。
  9. FCM Buffer で細胞を懸濁し、遠心後、上清を捨てる。
  10. 適量の FCM Buffer で再懸濁する。
  11. フローサイトメトリーに供する。

【使用上の注意】

  • rBC2LCNによる染色は2~3日間維持されます。
  • 血清を含む培地を使用されているときは、シグナルのバックグラウンドが高くなる可能性があります。
  • フローサイトメトリーにより細胞のソーティングを行う場合は、細胞分散時やFCM Buffer に終濃度が 10μmol/L となるようにY-27632を添加してください。

ヒトiPS細胞の生細胞染色(Live Cell Imaging)

rBC2LCN、SSEA-4、Tra-1-60を用いてヒトiPS細胞201B7株を固定せずに染色し、染色2時間後の染色像を確認した。rBC2LCNでの染色が、各抗体での染色よりも明瞭に細胞を観察することができた。

(希釈倍率 1:100)

ヒトiPS細胞の固定後染色

ヒトiPS細胞201B7株をパラホルムアルデヒド固定後、rBC2LCNとOct3/4、DAPIを用いて染色した。
生細胞染色より明瞭に染色することができた。

(希釈倍率 1:100)

ヒトiPS細胞に対する細胞毒性評価

ヒトiPS細胞201B7株の培養液に培養液の 1/1,000、1/100, 1/50 量の rBC2LCN-FITC, AF を添加した状態でヒトiPS細胞を培養した。結果、rBC2LCN-FITC, AF の濃度に関わらず、未添加時と同程度の細胞増殖を示した。また、細胞形態も添加、未添加に関わらず、同等の形態であった。

  • 〔細胞株〕
    ヒトiPS細胞201B7株

    〔培地組成〕
    StemSure® hPSC培地Δ + 35ng/mL bFGF

    〔コーティング〕
    Matrigel® hESC-Qualified Matrix

    〔細胞播種数〕
    4×104 cells/well(12ウェルプレートを使用)

フローサイトメトリーを用いたヒトiPS細胞の分離

rBC2LCN-FITC, AF および rBC2LCN-635, AF を用いてヒトiPS細胞201B7株とヒト胎児肺由来正常二倍体線維芽細胞を染色し、フローサイトメトリーに供した。結果、未分化であるヒトiPS細胞と分化したヒト二倍体線維芽細胞を分離できた。

参考文献

  1. Watanabe, T., Yasuda, S., Kusakawa, S., Kuroda, T., Futamura, M., Ogawa, M., Mochizuki, H., Kikkawa, E., Furukawa, H., Nagaoka, M. and Sato, Y.: Cytotherapy, 23, 176 (2021). Multisite studies for validation and improvement of a highly efficient culture assay for detection of undifferentiated human pluripotent stem cells intermingled in cell therapy products.
  2. Haramoto, Y., Onuma, Y., Mawaribuchi, S., Nakajima, Y., Aiki, Y., Higuchi, K., Shimizu, M., Tateno, H. and Hirabayashi, J.: Regen. Ther., 14, 306 (2020). A technique for removing tumourigenic pluripotent stem cells using rBC2LCN lectin.
  3. Saito, A., Hiemori, K., Kiyoi, K. and Tateno, H.: Sci. Rep., 8, (2018). Glycome analysis of extracellular vesicles derived from human induced pluripotent stem cells using lectin microarray.
  4. Tateno, H. and Saito, S.: Molecules, 22 (2017). Engineering of a Potent Recombinant Lectin-Toxin Fusion Protein to Eliminate Human Pluripotent Stem Cells.
  5. Tateno, H., Hiemori, K., Hirayasu, K., Sougawa, N., Fukuda, M., Warashina, M., Amano, M., Funakoshi, T., Sadamura, Y., Miyagawa, S., Saito, A., Sawa, Y., Shofuda, T., Sumida, M., Kanemura, Y., Nakamura, M., Okano, H., Onuma, Y., Ito, Y., Asashima, M. and Hirabayashi, J.: Regen. Ther., 6, 1 (2017). Development of a practical sandwich assay to detect human pluripotent stem cells using cell culture media.
  6. Tateno, H., Onuma, Y., Ito, Y., Minoshima, F., Saito, S., Shimizu, M., Aiki, Y., Asashima, M ando Hirabayashi, J.: Stem Cell Reports, 4, 811 (2015). Elimination of Tumorigenic Human Pluripotent Stem Cells by a Recombinant Lectin-Toxin Fusion Protein.
  7. Tateno, H., Onuma, Y., Ito, Y., Hiemori, K., Aiki, Y., Shimizu, M., Higuchi, K., Fukuda, M., Warashina, M., Honda, S., Asashima, M. and Hirabayashi, J.: Sci. Rep. , 4, 4069 (2014). A medium hyperglycosylated podocalyxin enables noninvasive and quantitative detection of tumorigenic human pluripotent stem cells.
  8. Tateno, H., Matsushima, A., Hiemori, K., Onuma, Y., Ito, Y., Hasehira, K., Nishimura, K., Ohtaka, M., Takayasu, S., Nakanishi, M., Ikehara, Y., Ohnuma, K., Chan, T., Toyoda, M., Akutsu, H., Umezawa, A., Asashima, M. and Hirabayashi, J.: Stem Cells Transl. Med., 2, 265 (2013). Podocalyxin is a glycoprotein ligand of the human pluripotent stem cell-specific probe rBC2LCN.
  9. Onuma, Y., Tateno, H., Hirabayashi, J., Ito, Y. and Asashima, M.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 431, 524 (2013). rBC2LCN, a new probe for live cell imaging of human pluripotent stem cells.

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