抗体医薬品や再生医療用細胞、エクソソームの糖鎖プロファイル解析に

エバネッセント蛍光スキャナ Bio-REX Scan 300 & レクチンチップ

本システムは「ワクチン産生細胞・幹細胞・エクソソーム・乳酸菌」といった解析対象への「表面糖鎖プロファイリング」や、特定のレクチンとの相互作用を利用したバイオ医薬品の抗原糖鎖検出等への活用が期待されています。

  • レクチンチップ:スライド上の7ウェルにそれぞれ21種類のレクチン固定化
  • Bio-REX Scan 300:エバネッセント励起蛍光法による液相スキャンが可能、チップの洗浄操作なしで微弱な糖鎖-レクチン相互作用を検出可能

特長

本システムでは検出原理に「エバネッセント励起蛍光法」※1 を採用することで洗浄しない状態での「液相スキャン」に対応し、洗浄操作で洗い流されてしまうような糖鎖-レクチン間の弱い相互作用の観察を実現しています。また多数のレクチン又は糖鎖が固定化された専用チップをスキャンした際に、得られた蛍光強度を標準搭載ソフトが自動で数値化することでユーザーが簡単に解析結果を取得可能です。以上のことから簡便に感度よく糖鎖・レクチン間の相互作用を解析することが可能です。

※1 エバネッセント励起蛍光法

本検出法では、専用チップの端面から入射光を導入し、チップ表面にエバネッセント波を全反射させます。このエバネッセント波を励起光に利用することで、基板近傍の蛍光物質のみを励起するため、チップを洗浄しない「液相状態」でも高感度な蛍光観察が可能となります。

活用例 - iPS細胞と線維芽細胞の識別 -

比率の異なるiPS細胞と線維芽細胞の混合細胞破砕液 (0.5 mg/mL) を各ウェルに80 µL添加し、シグナル強度を比較

iPS細胞の比率が下がるとシグナル強度が高くなるレクチンと低くなるレクチンを確認
⇒ 本レクチンチップを用いて、iPS細胞と線維芽細胞を識別することが可能

仕様

測定スライド
液相観察対応専用スライド
取得画像解像度
15 µm
測定時間
20~100秒/枚 (露光時間設定による)
対応蛍光色素
Cy3 (推奨)、Cy3代替色素
出力画像形式
TIFF形式 (16bit)、BMP形式
入力電圧
AC100~240V (50/60Hz)
消費電力
120VA
本体寸法
220 (巾) x 370 (奥) x 416 (高) mm
重量
約12kg
BS-49901「Bio-REX Scan 300」に含まれるもの

本体:1台、レクチンチップ用カートリッジ:5個、糖鎖チップ用カートリッジ:5個、10連カートリッジホルダ:1個、ミキサー:1個、Ⅼ型電源コード:1本、取扱説明書:1冊

文献紹介

  1. Y. Omata, et al. Reduced fucosylation in the distal intestinal epithelium of mice subjected to chronic social defeat stress. Scientific Reports, 2018, volume 8, Article number: 13199
  2. H. Unno, et al. Identification, Characterization, and X-ray Crystallographic Analysis of a Novel Type of Lectin AJLec from the Sea Anemone Anthopleura japonica. Scientific Reports, 2018, volume 8, Article number:11516
  3. S. Saito, et al. Glycome analysis of extracellular vesicles derived from human induced pluripotent stem cells using lectin microarray. Scientific Reports, 2018, volume 8, Article number: 3997
  4. M. Kubota, et al. Trisaccharide containing α2, 3-linked sialic acid is a receptor for mumps virus. PNAS, 2016, 113 (41) 11579-11584
  5. S. Nakakita, et al. Preparation of glycan arrays using pyridylaminated glycans. Microarray Technology, 2016, 225-235
  6. H. Unno, et al. Identification, characterization, and X-ray crystallographic analysis of a novel type of mannose-specific lectin CGL1 from the Pacific oyster Crassostrea gigas. Scientific Reports, 2016, volume 6, Article number: 29135
  7. T. Imamura, et al. Antigenic and Receptor Binding Properties of Enterovirus 68. Journal of Virology, 2014, Volume 88 ,Number 5 ,p. 2374–2384
  8. M. Inagaki, et al. Bovine κ-casein inhibits human rotavirus (HRV) infection via direct binding of glycans to HRV. Journal of Dairy Science, 2014, Volume 97, Issue 5, Pages 2653-2661
  9. S. Yamashita, et al. Carbohydrate recognition mechanism of HA70 from Clostridium botulinum deduced from X‐ray structures in complexes with sialylated oligosaccharides. FEBS Letters, 2012, 586, 2404-2410

製品一覧

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