大塚製薬工場 セルストア S・セルストア W
株式会社大塚製薬工場のセルストア Sとセルストア Wは、冷蔵および常温保存用の細胞懸濁保存液と細胞洗浄保存液です。
ヒトや動物由来成分を含まず、GMPを準用した製造管理・品質管理のもと製造しています。
※本製品は研究用試薬であり、ヒトまたは動物の医療を目的として使用できません。
2022年10月掲載
特長
- 常温/冷蔵で細胞を保存
- GMPを準用した製造管理
- ヒトおよび動物由来成分不含
セルストア SとセルストアWの使い分け
-
セルストア Sはデキストラン40を配合しているため、遠心分離操作を伴う細胞洗浄には適していません。
このような場合は、デキストラン40を配合していないセルストア Wのご使用をお勧めします。 -
成分と内容量
ソフトバッグ容器1袋(250 mL)あたり
成分 セルストア S セルストア W デキストラン40 12.5 g(5%) - トレハロース水和物 8.29 g(3%) 塩化カルシウム水和物 0.05 g(0.02%) 塩化カリウム 0.075 g(0.03%) 塩化ナトリウム 1.5 g(0.6%) L-乳酸ナトリウム 0.775 g(0.3%) pH調節剤 適量 注射用水 適量
使用例1
細胞生存率の経時変化
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞をセルストア S、セルストア W、乳酸リンゲル液もしくは市販保存液に懸濁し、経時的に細胞生存率を測定した。
■ 細胞生存率の経時変化(25℃保存) | 常温 |
- 細胞種:ヒト脂肪由来間葉系幹細胞
- 細胞濃度:5 x 105 cells/mL
- 保存温度:25 ℃
24時間後の細胞生存率
- セルストア S:98.1 %
- セルストア W:95.6 %
■ 細胞生存率の経時変化(5℃保存) | 冷蔵 |
- 細胞種:ヒト脂肪由来間葉系幹細胞
- 細胞濃度:5 x 105 cells/mL
- 保存温度:5 ℃
24時間後の細胞生存率
- セルストア S:95.1 %
- セルストア W:93.5 %
いずれの温度条件でも少なくとも24時間まで高い生存率を維持
使用例2
コロニー形成率
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞をセルストア Sまたはセルストア Wに懸濁し、5℃または25℃で6時間あるいは24時間保存した後に再播種し、コロニー形成率を評価した。
いずれの温度条件でも少なくとも24時間までコロニー形成率を維持
使用例3
脂肪分化能の確認
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞をセルストア Sまたはセルストア Wに懸濁し、5℃または25℃で24時間保存した後に、脂肪細胞への分化誘導を行い、オイルレッド染色(赤色)による油滴の確認により、脂肪分化能を確認した。
使用例4
骨分化能の確認
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞をセルストア Sまたはセルストア Wに懸濁し、5℃または25℃で24時間保存した後に、骨芽細胞への分化誘導を行い、アルカリフォスファターゼ染色(青色)あるいはアリザリンレッドS(赤色)による石灰化の確認により、骨分化能を確認した。
使用例5
細胞懸濁性能の確認
セルストア S、生理食塩液または乳酸リンゲル液に、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を懸濁し、1時間静置後の浮遊細胞率を求めた(懸濁直後の浮遊細胞数を100%として算出)。
セルストア Sは、細胞の懸濁状態を少なくとも1時間まで維持
アプリケーションデータ ~「ステムフル®」との併用による細胞回収率の向上~
住友ベークライト社の「ステムフル®」を保存容器に用いることで、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞(hAD-MSCs)の細胞回収率が向上した(保存温度:25℃または5℃)。
ステムフル® (コードNo.637-28691)はPET樹脂に低吸着処理を施した細胞回収用15 mLコニカルチューブです。
【特長】
- 特に幹細胞などの吸着性の強い細胞のチューブへの吸着を抑制、回収率をUP
- 基材表面とポリマーを化学的に共有結合しており、 表面処理由来の溶出物を低減
- 透明性に優れる
使用可能温度:-80℃~40℃
遠心強度:4,640G(回転時間10分、スイングローター、ゴムクッション使用)
ステムフル®の紹介ページはこちら
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01S33MS-90150.html
25℃での使用例
セルストアWまたはセルストアSに懸濁したヒト脂肪由来間葉系幹細胞(hAD-MSCs)を、汎用遠沈管またはステムフル®にて、25℃で保存し、経時的に細胞回収率および細胞生存率を評価した。
細胞種 | hAD-MSCs |
細胞濃度 | 5×105 cells/mL |
保存温度 | 25℃ |
セルストアWまたはセルストアSに懸濁したhAD-MSCsをステムフル®中で25℃保存することにより、セルストアWでは少なくとも24時間、セルストアSでは6時間、細胞生存率が高値に維持され、汎用遠沈管中で保存するよりも細胞回収率が高値に維持された。
5℃での使用例
セルストアWまたはセルストアSに懸濁したヒト脂肪由来間葉系幹細胞(hAD-MSCs)を、汎用遠沈管またはステムフル®にて、5℃で保存し、経時的に細胞回収率および細胞生存率を評価した。
細胞種 | hAD-MSCs |
細胞濃度 | 5×105 cells/mL |
保存温度 | 5℃ |
セルストアWまたはセルストアSに懸濁したhAD-MSCsをステムフル®中で5℃保存することにより、少なくとも24時間、細胞生存率が高値に維持され、汎用遠沈管中で保存するよりも細胞回収率が高値に維持された。
製品一覧
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