Mannich Reaction

マンニッヒ反応

三成分縮合反応(Three-component Condensation)の一種です。

第二級アミン・アルデヒド・ケトンを酸性条件下で反応させると、系内で発生したアルドイミニウムカチオンがケトンエノラートと反応し、炭素-炭素結合が形成されます。含窒素化合物の合成法として重要な反応です。

合成に用いる際にはイミンを前調製しておき、それにエノラートを反応させる形式をとる場合が多いです(特に立体制御を伴なう条件の場合)。

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反応機構

アルデヒドとアミンの反応により生じたイミニウムカチオンが、ケトンのエノール体を捕捉します。

反応例

Mannich反応は、生物活性物質に多く見られる構造単位、β-アミノケトンを与える有用な反応です。光学活性なものを調製すべく、現在では不斉Mannich反応の開発研究が特に盛んです。 小林らは、水系溶媒中でも効率的に反応が進行する触媒系の開発に成功しています1)

触媒量のL-Proline存在下、ケトン/アルデヒドおよびイミンからMannich生成物が高いエナンチオ選択性で得られることが報告されています2a)。また、カルボン酸の置換様式が異なる有機触媒を用いることで、相対配置の異なる化合物を作ることもできます2b)

和佐らは、2016年強いルイス酸B(C6F5)3と嵩高い塩基1,2,2,6,6,-ペンタメチルピペリジン(PMP)を用いたカルボニル化合物とイミンの直接マンニッヒ反応を報告しています3)

 

参考文献

  1. Kobayashi, S., Hamada, T. and Manabe, K. : J. Am. Chem. Soc., 124, 5640 (2002). DOI: 10.1021/ja026094p
  2. (a) Barbas, C F., III et al. : J. Am. Chem. Soc., 124, 1866 (2002). DOI:10.1021/ja017833p (b) Barbas, C. F., III et al. : J. Am. Chem. Soc., 128, 1040 (2006). DOI: 10.1021/ja056984f
  3. Chan, J. Z., Yao, W., Hastings, B. T., Lok, C. K. and Wasa, M. : Angew. Chem., Int. Ed., 55, 13877 (2016). DOI: 10.1002/anie.201608583

基本文献

  • Mannich, C. and Krosche, W. : Arch. Pharm., 250, 647 (1912).
  • Brewster, J. H. et al. : Org. React., 7, 99 (1953).
  • Blicke, F. F. : Org. React., 1, 303 (1942).
  • Merz, K. W. : Pharmazie, 11, 505 (1956).
  • Tramontini, M. : Tetrahedron, 46, 1791 (1990). doi:10.1016/S0040-4020(01)89752-0
  • Kleinman, E. F. : Comp. Org. Syn., 2, 893 (1991).
  • Heane, H. : Comp. Org. Syn., 2, 953 (1991).
  • Overman, L. E. and Ricca, D. J. : Comp. Org. Syn., 2, 1007 (1991).
  • Arend, M., Westermann, B. and Risch, N. : Angew. Chem. Int. Ed., 37, 1044 (1998).
  • Kobayashi, S. and Ishitani, H. : Chem. Rev., 99, 1069 (1999). DOI: 10.1021/cr980414z
  • Karimi, B., Enders, D. and Jafari, E. : Synthesis, 45, 2769 (2013). DOI: 10.1055/s-0033-1339479

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