Gabriel Amine Synthesis
ガブリエルアミン合成反応
フタルイミドのアルキル化を利用して、第一級アミンを得る方法です。ハロゲン化アルキルとアンモニアの反応から一級アミンを合成することは、ポリアルキル化が進行するため困難です。この合成法であれば確実に第一級アミンを得られます。
反応溶媒としてDMFなどの非プロトン性極性溶媒を用いると、収率が向上します(SN2反応を加速させるため)。
フタルイミドはアミンの保護基としても有用であり、ヒドラジンなどで脱保護できます。
アルキル化の代わりに、光延反応も適用可能です。
本記事はWEBに混在する化学情報をまとめ、それを整理、提供する化学ポータルサイト「Chem-Station」の協力のもと、ご提供しています。
Chem-Stationについて
反応機構
反応例
光延反応条件を適用した例1)
実験手順
ビスフタルイミド(16.6 g, 35.5 mmol)とヒドラジン水和物(10.2 mL, 328 mmol)をエタノール(400 mL)に溶かし、65℃で4時間加熱撹拌する。生じた固体を濾別し、トルエンで洗浄したのち濾液を濃縮するとジアミンが得られる(収率 85%)。2)
参考文献
- Inoue, Y., Taguchi, M. and Hashimoto, H. : Synthesis, 332 (1986).
- Hartner, F. W., Hsiao, Y. and Palucki, M. : J. Org. Chem., 69, 8723 (2004). DOI: 10.1021/jo0486950
基本文献
- Gabriel, S. : Ber., 20, 2224 (1887).
- Sheehan, J. C. and Bolhofer, V. A. : J. Am. Chem. Soc., 72, 2786 (1950). doi:10.1021/ja01162a527
- Gibson, M. S. and Bradshaw, R. W. : Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 7, 919 (1968). doi:10.1002/anie.196809191
- Dietrich, B. et al. : J. Am. Chem. Soc., 103, 1282 (1981). DOI: 10.1021/ja00395a077
- Mitsunobu, O. : Comprehensive Organic Synthesis, 6, 79 (1991).
- Sen, S. E. and Roach, S. L. : Synthesis, 756 (1994).
- deprotection of phthalimide with hydrazine: Osby, J. O., Martin, M. G. and Ganem, B. : Tetrahedron Lett., 25, 2093 (1984). doi:10.1016/S0040-4039(01)81169-2
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