不均一系接触水素化触媒
アルケン・アルキンの不均一系触媒による水素化。不均一系触媒条件では、水素圧・触媒・反応温度・溶媒などによって選択性が大きく異なる。水素はsyn付加する。
有機合成上よく用いられる触媒としては、ラネーニッケル、パラジウム-炭素(Pd/C)、アダムス触媒(Adams' catalyst: PtO2)、パールマン触媒(Pearlman's catalyst: Pd(OH)2)などが知られている。
SやPなどの微量混入物が存在した場合、触媒活性は大きく低下する(被毒)。フラスコやバルーンなどに付着していないか常に注意してから反応を行うこと。
ラネーニッケルなどの高活性な触媒は、しばしば乾燥下に発火するので、取り扱いには注意すること。
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反応例
近年、活性を低下させた不均一系パラジウム触媒Pd/(en), Pd/Fibが佐治木らによって開発1), 2)され、官能基選択的還元が実現されている。
参考文献
- 佐治木弘尚,廣田耕作 有機合成化学協会誌, 59, 109(2001).
- (a) Sajiki, H., Ikawa, T. and Hirota, K.: Tetrahedron Lett., 44, 171(2003). doi:10.1016/S0040-4039(02)02472-3
(b) Ikawa, T., Sajiki, H. and Hirota, K.: Tetrahedron, 61, 2217(2005). doi:10.1016/j.tet.2004.11.080
基本文献
- Adams Catalyst: Voorhees, V. and Adams, R. J.: Am. Chem. Soc., 44, 1397(1922). DOI: 10.1021/ja01427a021
- Pearlman’s Catalyst: Pearlman, W. M.: Tetrahedron Lett., 8, 1663(1967). doi:10.1016/S0040-4039(00)70335-2
- Raney-Ni-W2: (a) Pavlic, A. A. and Adkins, H.: J. Am. Chem. Soc., 68, 1471(1946). DOI: 10.1021/ja01212a023
(b) Mozingo, R.: Org. Synth. Coll. Vol. 3., 181(1955). - Ni2B: (a) Brown, C. A.: J. Org. Chem., 35, 1900(1970). DOI: 10.1021/jo00831a039
(b) Brown, C. A. and Ahuja, V. K.: J. Org. Chem., 38, 2226(1973). DOI: 10.1021/jo00952a024
製品一覧
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選択的還元触媒
N.E. CHEMCAT社製 不均一系触媒
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