標的タンパク質分解誘導分子

Tocris社 PROTAC

Tocris社では、PROTAC および、PROTAC 開発用ツールを取り扱っています。
PROTAC(Proteolysis-targeting Chimera)は、ユビキチン-プロテアソーム系を利用して標的タンパク質の分解を促進する合成分子で、現在、創薬分野で注目されています。
ユビキチン-プロテアソーム系では、E3リガーゼ(ユビキチンリガーゼ)がタンパク質をユビキチン化し、プロテアソームによる分解に誘導します。
PROTACは、E3リガーゼのリガンド分子と標的タンパク質のリガンド分子をリンカーで結合したキメラ分子です。標的タンパク質とE3リガーゼを強制的に近づけることにより、標的タンパク質をユビキチン化します。ユビキチン化された標的タンパク質は、プロテアソームにより分解されます。

Figure 1:Schematic showing PROTACs catalytic mode of action for targeted protein degradation. Adapted from Tinworth et al. (2016) Med. Chem. Comm. 7, 2206.

PROTAC

細胞透過性の低分子化合物のため、発現ベクターやトランスフェクションを用いることなく、直接細胞に用いることができます。様々な細胞株に適用可能で、トランスフェクションが容易な細胞を必要としません。

BRD4選択的なPROTAC

AT 1
(+)-JQ1(製造元コード:4499)を基に、E3リガーゼの基質認識部位であるVHL(von Hippel-lindau)リガンドを結合させた細胞透過性PROTACです。MZ1(製造元コード:6154)と比べ、BRD4分解選択性を改善するために、三重複合体結晶構造を基に合理的にデザインされています。1~3 µmol/Lで、BRD2、BRD3をほとんど分解することなく、細胞中のBRD4を選択的に分解することが確認されています。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Gadd, M. S. et al. : Nat. Chem. Biol., 13, 514(2017).
dBET1
セレブロンE3ユビキチンリガーゼリガンドと結合させたBETアンタゴニストである(+)-JQ1(製造元コード:4499)からなるPROTACです。in vitroで、がん細胞株においてBETブロモドメインを激減させ(EC50=430 nmol/L, 乳がん細胞)、アポトーシスを誘導します。ヒトAML移植マウスにおいて腫瘍増殖を遅らせ、MYCを下方制御します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Wurz, R. P. et al. : J. Med. Chem., 61, 453(2018).
MZ 1
(+)-JQ1(製造元コード:4499)を基に、E3リガーゼの基質認識部位であるVHL(von Hippel-lindau)リガンドを結合させた細胞透過性PROTACです。BRD2、BRD3、BRD4ブロモドメインに対し高い親和性を示します(Kd=13-60 nmol/L)が、BRD2、BRD3よりも選択的にBRD4の分解を誘導します(BRD4分解に対するDC50=8 nmol/L(H661細胞)、23 nmol/L(H838細胞)。AML細胞株において、高い細胞毒性および抗増殖作用を示します(pEC50=7.6(Mv4-11細胞))。ネガティブコントロールであるcis MZ1(製造元コード:6155)も入手可能です。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Gadd, M. S. et al. : Nat. Chem. Biol., 13, 514(2017).
  3. Wurz, R. P. et al. : J. Med. Chem., 61, 453(2018).

ネガティブコントロール

cis MZ 1
MZ1(製造元コード:6154)のネガティブコントロールです。VHLに対する結合親和性をほとんど示しません。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).

pVHL30の自己分解のためのHomo-PROTAC

CM 11
VHLのロングフォームであるpVHL30の自己分解のためのHomo-PROTACです(DC50<100 nmol/L)。リンカーで結合された2つのVHLリガンドからなります。もとのVHLリガンドであるVH 032と比べ、1,000倍以上の細胞活性の増加を示します。in vitroで、高い親和性でpVHL30を二量化します。高アイフォーム依存的に細胞株において強力で速いVHLの自己分解を誘導します。ネガティブコントロールであるCMP 98(製造元コード:6417)も入手可能です。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Maniaci, C. et al. : Nat. Commun., 8, 830(2017).

ネガティブコントロール

CMP 98
CM 11(製造元コード:6416)のネガティブコントロールです。VHL分解作用を示しません。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Maniaci, C. et al. : Nat. Commun., 8, 830(2017).

PROTAC研究・開発用ツール

PROTAC研究、開発をサポートするビルディングブロックを販売しています。

目的のリガンドとリンカーを簡単に結合する機能的な反応基を持つ化合物です。

結合親和性に干渉しないと知られている部位で機能する、もっとも効果的で一般に利用されているE3ユビキチンリガーゼリガンドを含んでいます。一般的なリンカーに結合したE3リガーゼリガンドも販売しています。

VHL(von Hippel-Lindau)

VHLは、PROTAC研究・開発によく利用されるCullin-RINGリガーゼ基質受容体の一つです。低分子リガンドであるVH 302はVHLを標的としており、強力で選択的なPROTACの開発に使用されています。

E3リガーゼリガンド

VH 032, amine hydrochloride
VHL(von Hippel-lindau)リガンドであるVH 032の誘導体で、E3ユビキチンリガーゼの構成要素としてVHLをハイジャックするPROTACの前駆体として一般的に使用されます。VHLへの結合に影響しない位置に第一級アミン官能基を持っており、リンカー/標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Galdeano, C. et al. : J. Med. Chem., 57, 8657(2014).

リンカー-E3リガーゼリガンド

VH 032 - linker 1
官能基を有するVHL(von Hippel-lindau)タンパク質リガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-3リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).
VH 032 - linker 2
官能基を有するVHL(von Hippel-lindau)タンパク質リガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-4リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Chan, K. H. et al. : J. Med. Chem., 61, 504(2018).
VH 032 - linker 3
官能基を有するVHL(von Hippel-lindau)タンパク質リガンドです。E3リガーゼリガンドに短アルキルリンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).

セレブロン(Cereblon)

セレブロンは、Cullin-RINGリガーゼ複合体の受容体タンパク質です。免疫調節剤であるサリドマイドおよびそのアナログは、セレブロンを標的としており、強力で選択的なPROTACの開発に使用されています。

E3リガーゼリガンド

TC E3 5031
サリドマイド(製造元コード:0652)の誘導体で、E3ユビキチンリガーゼの構成要素としてセレブロンをハイジャックするPROTACの前駆体として一般的に使用されます。セレブロンへの結合に影響しない位置にカルボン酸官能基を持っており、リンカー/標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Lohbeck, J. and Miller, A. K. : Bioorg. Med. Chem. Lett., 26, 5260(2016).
Azido-Thalidomide
Click-activatedサリドマイド(製造元コード:0652)で、E3ユビキチンリガーゼの構成要素としてセレブロンをハイジャックするPROTACの前駆体として一般的に使用されます。セレブロンへの結合に影響しない位置にアジド官能基を持っており、リンカー/標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Schiedel, M. et al. : J. Med. Chem., 61, 482(2018).

リンカー-E3リガーゼリガンド

Thalidomide - linker 1
官能基を有するセレブロンリガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-3リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).
Thalidomide - linker 2
官能基を有するセレブロンリガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-4リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).
Thalidomide - linker 3
官能基を有するセレブロンリガンドです。E3リガーゼリガンドに短アルキルリンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).

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BRD4選択的なPROTAC

BRD4選択的なPROTAC ネガティブコントロール

pVHL30の自己分解のためのHomo-PROTAC

pVHL30の自己分解のためのHomo-PROTAC ネガティブコントロール

E3リガーゼリガンド(VHLリガンド)

リンカー-E3リガーゼリガンド(VHLリガンド)

E3リガーゼリガンド(セレブロンリガンド)

リンカー-E3リガーゼリガンド(セレブロンリガンド)

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