標的タンパク質分解誘導分子

Tocris社 PROTAC® Degrader

Targeted Protein Degradation (TPD)または標的タンパク質分解は、ユビキチン-プロテアソーム システム(UPS)を利用した、細胞内タンパク質分解システムです。標的タンパク質とE3リガーゼをキメラ低分子化合物を使って人工的に引き合わせることで、標的タンパク質のユビキチン化を行います。ユビキチン化されたタンパク質は、細胞内プロテアソームによりペプチドに分解され、薬理作用を発現します。

従来の低分子阻害剤では制御が困難であった、酵素活性を持たないタンパク質を標的に出来るだけでなく、阻害剤とは異なる薬理作用が発見される可能性もあります。

*PROTAC® [PROteolysis TArgetting Chimera]はArvinas Operationsの商標であり、TocrisのDegraderはライセンス下で製造販売しています

Degraderの特長

  • シンプルで簡単な使用方法
  • 細胞内浸透性あり
  • 作用時間の調整が可能
  • 作用を一時的に停止させることが可能
  • 様々な細胞株に使用可能
  • トランスフェクションなどの操作不要
  • 触媒作用による反応
  • 薬理学的用量依存性反応が観察可能


Figure 1. PROTAC / Degraderの触媒作用により、標的タンパク質の分解誘導が起こる。Tinworth et al. (2016) Med.Chem.Comm. 7, 2206より引用改変。

使用例

Figure 2.
(B) MOLT-4細胞にTHAL SNS032を作用、CDK9 isoformのノックダウン効果 (4時間インキュベーション)Wesデータ
(C) HeLa細胞にAT-1, MZ-1, dBET-1を作用させた、BRD4 long isoformのノックダウン効果Wesデータ
DMSO添加のみのコントロールと比較した、タンパク質定量は各レーンの下部に記載。

  • Wes: Protein Simple社の全自動ウエスタンブロット

標的タンパク質分解 (Targeted Protein Degradation) シンポジウム

2021年ウェビナー
Advances in Targeted Protein Degradation (標的タンパク質分解の進歩)

開催日:2021年7月14日(水)23:00~(日本時間)
講演言語:英語

  

講演概要:
PROTACからLYTAC、DUBTACまでのトピックに加えて、 この分野の進歩に役立つ革新的な新しい研究ツールと手法そして、今後の展望についてご紹介します。

申込み:下記Bio-Techneのウェブサイトにてお申込み頂けます。
申込み登録サイトはこちら
シンポジウム当日に見逃した場合でも、ご登録頂くことで後日、録画配信をご視聴頂けます。

講演者 タイトル
Dr. Hannah Maple
Bio-Techne
Welcome and Introduction
Dr. Katherine Donovan
Dana-Farber Cancer Institute
Chemoproteomic Profiling Surveys the Degradable Proteome
Dr. Shanique Alabi
Monte Rosa Therapeutics
Mutant-Selective Degradation by BRAF-Targeting PROTACs
Dr. Gesine Veits
C4 Therapeutics
Development of an AchillesTAG Degradation System and its Application to Control CAR-T Activity
ショートブレイク
Dr. Andrea Testa
Amphista Therapeutics
Next Generation Targeted Protein Degradation
Ms Green Ahn
Stanford University
Lysosome Targeting Chimeras (LYTACs) that Engage the Liver-Specific Receptor for Targeted Protein Degradation through the Endolysosomal Pathway
Prof. Daniel Nomura
University of California, Berkeley
Reimagining Druggability using Chemoproteomic Platforms
Dr. Hannah Maple
Bio-Techne
Closing Remarks

開催日:2020年7月15日 (現地日時)

講演内容
  • 分野における重要な評価
  • PROTAC®デザイン, 発見と開発
  • 革新的な新たな研究ツール
  • E3リガーゼツールボックスの拡張
Targeted Protein Degradation (TPD) とは harness small molecule modalities (guels 分子、PROTAC®Degrader, SNIPERS など) を利用して細胞内の目的タンパク質を選択的にノックダウンする技術です。Heterobifunctional Degraders は、標的タンパク質を選択にノックダウンさせる繰り返し機能する低分子リガンドで、創薬標的に介入可能なタンパク質の可能性を広げる非常に新しい手法です。

*PROTAC® [PROteolysis Targetting Chimera]はArvinas Operationsの商標であり、TocrisのDegraderはライセンス下で製造販売しています
動画はこちら

細胞透過性の低分子化合物のため、発現ベクターやトランスフェクションを用いることなく、直接細胞に用いることができます。様々な細胞株に適用可能で、トランスフェクションが容易な細胞を必要としません。

BRD4選択的なDegrader

AT 1
(+)-JQ1(製造元コード:4499)を基に、E3リガーゼの基質認識部位であるVHL(von Hippel-lindau)リガンドを結合させた細胞透過性Degraderです。MZ1(製造元コード:6154)と比べ、BRD4分解選択性を改善するために、三重複合体結晶構造を基に合理的にデザインされています。1~3 µmol/Lで、BRD2、BRD3をほとんど分解することなく、細胞中のBRD4を選択的に分解することが確認されています。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Gadd, M. S. et al. : Nat. Chem. Biol., 13, 514(2017).
dBET1
セレブロンE3ユビキチンリガーゼリガンドと結合させたBETアンタゴニストである(+)-JQ1(製造元コード:4499)からなるDegraderです。in vitroで、がん細胞株においてBETブロモドメインを激減させ(EC50=430 nmol/L, 乳がん細胞)、アポトーシスを誘導します。ヒトAML移植マウスにおいて腫瘍増殖を遅らせ、MYCを下方制御します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Wurz, R. P. et al. : J. Med. Chem., 61, 453(2018).
MZ 1
(+)-JQ1(製造元コード:4499)を基に、E3リガーゼの基質認識部位であるVHL(von Hippel-lindau)リガンドを結合させた細胞透過性Degraderです。BRD2、BRD3、BRD4ブロモドメインに対し高い親和性を示します(Kd=13-60 nmol/L)が、BRD2、BRD3よりも選択的にBRD4の分解を誘導します(BRD4分解に対するDC50=8 nmol/L(H661細胞)、23 nmol/L(H838細胞)。AML細胞株において、高い細胞毒性および抗増殖作用を示します(pEC50=7.6(Mv4-11細胞))。ネガティブコントロールであるcis MZ1(製造元コード:6155)も入手可能です。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Gadd, M. S. et al. : Nat. Chem. Biol., 13, 514(2017).
  3. Wurz, R. P. et al. : J. Med. Chem., 61, 453(2018).
ZXH 3-26
強力かつ選択的なBRD4のDegraderです(DC50は~5nM)。BRD2及びBRD3の顕著な分解は示しません。全プロテオーム質量分析ではBRD4だけの顕著な下方制御がみられます。細胞内で活性を示します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Nowak, et al. : Nat. Chem. Biol., 14, 706(2018).

ネガティブコントロール

cis MZ 1
MZ1(製造元コード:6154)のネガティブコントロールです。VHLに対する結合親和性をほとんど示しません。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).

BRD9選択的なDegrader

dBRD9
セレブロンE3リガーゼのリガンドであるポマリドミド(製造元コード:6302)に結合したBRD9の阻害剤BI 7273から構成されています。強力かつ選択的なBRD9のDegraderです(MOLM-13細胞におけるIC50=56.6nM)。5μMを超える濃度でもBRD4もしくはBRD7を分解しません。ヒト急性骨髄性白血病(AML)細胞株において抗増殖活性を示します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Remillard, et al. : Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 56, 5738(2017).

pVHL30の自己分解のためのHomo-Degrader

CM 11
VHLのロングフォームであるpVHL30の自己分解のためのHomo-Degraderです(DC50<100 nmol/L)。リンカーで結合された2つのVHLリガンドからなります。もとのVHLリガンドであるVH 032と比べ、1,000倍以上の細胞活性の増加を示します。in vitroで、高い親和性でpVHL30を二量化します。高アイフォーム依存的に細胞株において強力で速いVHLの自己分解を誘導します。ネガティブコントロールであるCMP 98(製造元コード:6417)も入手可能です。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Maniaci, C. et al. : Nat. Commun., 8, 830(2017).

ネガティブコントロール

CMP 98
CM 11(製造元コード:6416)のネガティブコントロールです。VHL分解作用を示しません。

※本製品は、Tocris社がダンディー大学(University of Dundee)からライセンスを受け販売しています。

  1. Maniaci, C. et al. : Nat. Commun., 8, 830(2017).

Cdk4選択的Degrader

BSJ-04-132
Cdk4選択的なDegraderです。Molt-4細胞においてCdk6の濃度への影響なくCdk4を分解します。セレブロン依存的な分解を示します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Jiang, et al. : Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 58, 6321(2019).

Cdk4/6選択的Degrader

BSJ-03-204
Cdk4/6選択的なDegraderです。Molt4細胞においてIKZF1/3への影響なくセレブロン依存的な分解を示します。Cdk4/6の分解及びG1細胞周期の停止を誘導し、マントル細胞リンパ腫(MCL)細胞株において細胞増殖を阻害します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Jiang, et al. : Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 58, 6321(2019).

Cdk6選択的Degrader

BSJ-03-123
Cdk6選択的Degraderです(DC50は10μM未満の範囲)。密接に関係するCdk4の分解を示しません。ネガティブコントロールとしてBSJ-Bump(製造元コード:6922)もご利用いただけます。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Brand, et al. : Cell Chem. Biol., 26, 300(2019).

ネガティブコントロール

BSJ-Bump
BSJ-03-123(製品コード:6921)のネガティブコントロール。In vitroにおいてCdk6に対する結合及び分解を示しません。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Brand, et al. : Cell Chem. Biol., 26, 300(2019).

Cdk9選択的Degrader

THAL SNS 032
セレブロンE3リガーゼリガンドであるサリドマイド(製造元コード:0652)に結合したサイクリン依存性キナーゼ阻害剤SNS 032(製造元コード:4075)で構成されているDegraderです。強力かつ選択的なセレブロン依存性のCdk9Degraderです (EC50=4nM)。他のCDKよりもCdk9に対し15倍以上の選択性を示します(EC50値はCdk2、Cdk1、Cdk7でそれぞれ62、171、398nM)。MOLT4細胞において250nMでCdk9の完全な分解を誘導します。白血病細胞株の増殖を抑制します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Olson, et al. : Nat. Chem. Biol., 14, 163(2018).

強力なセレブロン選択的Degrader

CRBN-6-5-5-VHL
強力なセレブロン選択的なDegraderです(DC50=1.5nM)。MM1S細胞においてセレブロンの完全な分解を誘導します。E3リガーゼVHLに対するリガンドにリンカーによって結合されたセレブロンE3リガーゼリガンドを構成しています。細胞透過性。

  1. Steinebach, et al. : Chem. Commun.(Camb), 55, 1821(2019).

TRIM24選択的なDegrader

dTRIM24
VHLリガンドに結合したTRIM24リガンドIACS-9571から構成されているDegraderです。細胞においてTRIM24の用量・時間依存的な分解を示し、5μMで最大の分解が達成されます。分解による表現型はTRIM24の遺伝子欠損を反映しています。MOLM-13細胞において抗増殖作用を示します。細胞透過性。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Gechijian, et al. : Nat. Chem. Biol., 14, 405(2018).

様々なキナーゼを分解するDegrader

TL 12-186
セレブロンE3リガーゼリガンドであるポマリドミド(製造元コード:6302)に結合した非常に見境の無いキナーゼ阻害剤から構成されているDegraderです。MOLT-4及びMOLM-14細胞株において幅広い種類のキナーゼを分解します。

  1. Huang, et al. : Cell. Chem. Biol., 25, 88(2018).

ネガティブコントロール

TL 13-27
TL 12-186(製造元コード:6524)のネガティブコントロールです。In vitroでキナーゼの分解を示しません。

  1. Huang, et al. : Cell. Chem. Biol., 25, 88(2018).

ALK選択的なDegrader

TL 13-112
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)選択的なDegraderです(DC50値はH3122、Karpas299細胞でそれぞれ10及び40nM)。セレブロンE3リガーゼリガンドであるポマリドミド(製造元コード:6302)に結合したALK阻害剤で構成されています。ALK陽性細胞株の増殖を抑制し、16時間で最大の分解能を示します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Powell, et al. : J. Med. Chem., 61, 4249(2019).
TL 13-12
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)選択的なDegraderです(DC50値はH3122、Karpas299細胞でそれぞれ10及び180nM)。セレブロンE3リガーゼリガンドであるポマリドミド(製造元コード:6302)に結合したALK阻害剤で構成されています。ALK陽性細胞株の増殖を抑制します。TL 13-112(製造元コード:6745)と比較してオーロラAキナーゼよりもALKに対してより高い選択性を示します。16時間で最大の分解能を示します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Powell, et al. : J. Med. Chem., 61, 4249(2019).

ネガティブコントロール

TL 13-110
TL 13-112(製造元コード:6745)のネガティブコントロールです。細胞株においてALKの分解を示しません。非常に強力なALK阻害剤です(IC50=0.34nM)。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Powell, et al. : J. Med. Chem., 61, 4249(2019).
TL 13-22
TL 13-12(製造元コード:6744)のネガティブコントロールです。細胞株においてALKの分解を示しません。非常に強力なALK阻害剤です(IC50=0.54nM)。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Powell, et al. : J. Med. Chem., 61, 4249(2019).

Degrader研究・開発用ツール

Degrader研究、開発をサポートするビルディングブロックを販売しています。

目的のリガンドとリンカーを簡単に結合する機能的な反応基を持つ化合物です。

結合親和性に干渉しないと知られている部位で機能する、もっとも効果的で一般に利用されているE3ユビキチンリガーゼリガンドを含んでいます。一般的なリンカーに結合したE3リガーゼリガンドも販売しています。

VHL(von Hippel-Lindau)

VHLは、Degrader研究・開発によく利用されるCullin-RINGリガーゼ基質受容体の一つです。低分子リガンドであるVH 302はVHLを標的としており、強力で選択的なDegraderの開発に使用されています。

E3リガーゼリガンド

VH 032, amine hydrochloride
VHL(von Hippel-lindau)リガンドであるVH 032の誘導体で、E3ユビキチンリガーゼの構成要素としてVHLをハイジャックするDegraderの前駆体として一般的に使用されます。VHLへの結合に影響しない位置に第一級アミン官能基を持っており、リンカー/標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Galdeano, C. et al. : J. Med. Chem., 57, 8657(2014).

リンカー-E3リガーゼリガンド

VH 032 - linker 1
官能基を有するVHL(von Hippel-lindau)タンパク質リガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-3リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).
VH 032 - linker 2
官能基を有するVHL(von Hippel-lindau)タンパク質リガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-4リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Zengerle, M. et al. : ACS Chem. Biol., 10, 1770(2015).
  2. Chan, K. H. et al. : J. Med. Chem., 61, 504(2018).
VH 032 - linker 3
官能基を有するVHL(von Hippel-lindau)タンパク質リガンドです。E3リガーゼリガンドに短アルキルリンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).

セレブロン(Cereblon)

セレブロンは、Cullin-RINGリガーゼ複合体の受容体タンパク質です。免疫調節剤であるサリドマイドおよびそのアナログは、セレブロンを標的としており、強力で選択的なDegraderの開発に使用されています。

E3リガーゼリガンド

TC E3 5031
サリドマイド(製造元コード:0652)の誘導体で、E3ユビキチンリガーゼの構成要素としてセレブロンをハイジャックするDegraderの前駆体として一般的に使用されます。セレブロンへの結合に影響しない位置にカルボン酸官能基を持っており、リンカー/標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Lohbeck, J. and Miller, A. K. : Bioorg. Med. Chem. Lett., 26, 5260(2016).
Azido-Thalidomide
Click-activatedサリドマイド(製造元コード:0652)で、E3ユビキチンリガーゼの構成要素としてセレブロンをハイジャックするDegraderの前駆体として一般的に使用されます。セレブロンへの結合に影響しない位置にアジド官能基を持っており、リンカー/標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Schiedel, M. et al. : J. Med. Chem., 61, 482(2018).

リンカー-E3リガーゼリガンド

Thalidomide - linker 1
官能基を有するセレブロンリガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-3リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).
Thalidomide - linker 2
官能基を有するセレブロンリガンドです。E3リガーゼリガンドにPEG-4リンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).
Thalidomide - linker 3
官能基を有するセレブロンリガンドです。E3リガーゼリガンドに短アルキルリンカーを結合しており、標的タンパク質リガンドをすぐに結合できます。

  1. Winter, G. E. et al. : Science, 348, 1376(2015).
  2. Salami, J. and Crews, C. M. : Science, 355, 1163(2017).

TAG Degradation Platform (dTAG/aTAG)

TAGタンパク質分解(dTAG/aTAG)はTPDと同様の機序を用い、組換えタンパク質と目的タンパク質を融合させたものをUPSで分解して、目的タンパク質分解の評価を行うシステムです。リガンドがわかっていないタンパク質もターゲットにすることができ、培養細胞から生体まで応用することが可能です。
dTAGは点変異FKBP12 (F36V) と選択的に結合し、野生型FKBP12には反応しません。
FKBP12 (F36V) 組込みプラスミドはaddgeneから入手いただけます。
aTAGはMTH1と選択的に結合し、MTH1融合タンパク質はCRISPR-Cas9を用いた遺伝子編集によりMTH1遺伝子をノックインして発現させます。MTH1-CRISPR-Cas9 プロトコルがございます。詳細は当社へお問い合わせください。

左図 dTAG-13 を腫瘍の新規標的タンパク質検証に用いた例

ENLは急性骨髄性白血病(AML)の病態において、鍵となるタンパク質と考えられていましたが、ENLのリガンドは不明のままでした。
そこで、AMLにおけるENL発現の重要性を検証するため、Erb et al. はENLをFKBP12F36V 融合タンパク質として発現し、dTAG-13で選択的に分解する実験を行いました。結果、ゲノムワイドに転写開始と伸長の抑制が観察され、細胞分化も抑制されました。

参考文献:Erb, et al. : Nature, 543, 270(2017)

使用例

上図 dTAG-13 のin vivo利用を検証した例

ルシフェラーゼ-FKBP12F36Vキメラをヒト白血病細胞株(MV4;11)に発現させたものを、マウス骨髄内に移植し、dTAG-13による標的タンパク質分解を経時的に観察し、dTAG-13投与中止による効果を観察。

参考文献:Nabet, et al. : Nat. Chem. Biol., 14, 431(2018)

aTAG

aTAG 2139
aTAGシステム内で使用するためのMTH1融合タンパク質のDegraderです。MTH1選択的なリガンド、リンカーとセレブロン結合リガンドであるサリドマイド(製造元コード:0652)とで構成されています。4時間のインキュベーション後に非常に強力かつ選択的な融合タンパク質の分解を誘導します(DC50=0.27nM、DMAX=92.1%)。細胞透過性。In vitro及びIn vivoのアプリケーションに適しています。

※本製品は、Tocris社がC4セラピューティクス社(C4 Therapeutics)からライセンスを受け販売しています。

dTAG

dTAG-13
変異型FKBP12F36V融合タンパク質を標的とするDegraderです。F36Vの点変異をもつFKBP12に選択的なリガンドと、リンカー及びセレブロン結合リガンドから構成されています。FKBP12F36Vはゲノム工学技術(遺伝子導入やCRISPRを介した部位特異的なノックイン)を用いて興味のある標的との融合タンパク質として発現させることができます。dTAG-13を用いることによりIn vitro及びIn vivoにおいて迅速、可逆的かつ選択的なFKBP12F36Vの分解を誘導します。

※本製品は、Tocris社がダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)からライセンスを受け販売しています。

  1. Erb et al. : Nature, 543, 270(2017).
  2. Nabat et al. : Nat. Chem. Biol., 14, 431(2018).

Molecular Glue

モレキュラーグルー (分子糊や分子接着剤) は標的タンパク質分解誘導分子で、ユビキチン E3 リガーゼに結合し、ユビキチン- プロテアソームシステムによる分解へタンパク質を誘導します。

近年、オーキシンやサリドマイドなど、既存の化合物において、タンパク質分解誘導剤としての作用が報告されています。 キメラ分子ではありませんが、PROTAC® 分子 (Active Degrader) と同様に機能し、標的タンパク質分解をもたらします。

  • PROTAC® は、Arvinas Operations, Inc の商標または、登録商標です。
Auxin
内因性植物ホルモンとして知られていますが、近年、auxin-inducible degron (AID) システムで使用される⼆量体化合物として報告されています。

  1. Li, S. et al : Nat.Methods., 16, 866 (2019).
(R)-CR8
CDK12- サイクリンK とCUL4 アダプタータンパク質 DDB1 の間に複合体を形成し、サイクリン K のユビキチン化と分解を引き起こします。
Cdk 阻害剤として知られていますが、近年、分子接着剤としての機能が報告されています。

  1. Słabicki. M. et al: Nature, 585, 293 (2020).
E 7820
α 2 インテグリン阻害剤として知られていますが、mRNA スプライシング因子 RBM39 のプロテアソーム分解を誘導する分子接着剤としても機能します。

  1. Uehara, T. et al : Nat. Chem. Biol., 13, 675 (2017).
Indisulam
RBM39 因子をスプライシングする mRNA を分解させる分子接着剤です。

  1. Han, T. et al : Science, 28, 356 (2017).
Lenalidomide
サリドマイドアナログです。
セレブロンバインダーとして機能し、E3ユビキチンリガーゼによるCK1 αと転写因子 IKZF1、IKZF3 及びSALL4 のユビキチン化と分解を誘導します。

  1. Chamberlain, P. P. et al : ACS Med. Chem. Lett, 10, 1592 (2019).
Pomalidomide
サリドマイド誘導体。
強力なTNF- α阻害剤・IL-2 阻害剤です。近年、セレブロンに結合し、転写因子 SALL4、IKZF1 及びIKZF3 の分解を促進しユビキチン化を阻害することが報告されています。

  1. Donovan, K, A et al, : eLife, 7, e38430 (2018).
Thalidomide
催奇形性のある、鎮静性催眠薬として知られていますが、近年、セレブロンに結合し、転写因子 SALL4 の分解を促進することが示されています。

  1. Donovan, K, A et al, : eLife, 7, e38430 (2018).

製品一覧

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ブロモドメイン(BRD)選択的Degrader

pVHL30の自己分解のためのHomo-Degrader

サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)選択的Degrader

TRIM24選択的なDegrader

セレブロン選択的Degrader

様々なキナーゼを分解するDegrader

未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)選択的なDegrader

Degrader開発ツール―VHL(von Hippel-Lindau)

Degrader開発ツール―セレブロン

aTAG

dTAG

Molecular Glue

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