SiliCycle 社 金属スカベンジャー
近年、金属触媒を用いた合成反応は広く用いられていますが、反応後の金属残渣の除去が、特に製薬会社を中心に重要な課題とされています。金属試薬の除去のために一般的に用いられている方法は、クロマトグラフィー、活性炭、蒸留などで、高コスト、時間のロス、収率の低下などの問題があります。
SiliCycle社が開発した金属スカベンジャーは、シリカゲル担体にスカベンジャーを結合したものです。担体のシリカゲルはポリマーと比較して、①膨潤が少ない、②幅広い溶媒に適応、③熱や機械的に安定、といった利点を持ち、温度、溶媒、容量の変化に容易に対応できます。また、バルクのみでなく、SPEや、フラッシュカートリッジに充填した包装形態での製品と高度な専門知識を組み合わせることで、最終化合物を汚染することなく金属を除去できるツールとして、様々な業界で使用されています。
SiliCycle社の金属スカベンジャーについて
SiliCycle社の金属スカベンジャーは、金属と複合体を形成するよう設計された官能基を、シリカゲルに結合させたものです。反応混合物から様々な酸化状態の金属を除去します。
製品ラインアップ
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- メーカーコード
- R51030B
- メーカーコード
- R79030B
- メーカーコード
- R52030B
- メーカーコード
- R85130B
- メーカーコード
- R80530B
- メーカーコード
- R54430B
- メーカーコード
- R49030B
- メーカーコード
- R91030B
- メーカーコード
- R79230B
- メーカーコード
- R69030B
- メーカーコード
- R69230B
- メーカーコード
- R69530B
- メーカーコード
- R60530B
- メーカーコード
- R48030B
特長
- ● 溶出しない
- 金属スカベンジャーからのコンタミなし
- ● 高純度
- 厳格な品質管理のもとで製造
- ● 高い選択性
- 高い回収率を実現
- ● 幅広い金属親和性(様々な酸化状態)
- 幅広い金属触媒に使用可能
- ● 反応速度が速い
- 室温で反応可能
- ● 高い費用対効果
- 金属1グラム当たりの回収コストが低い
溶剤使用量の削減が可能
- ● 溶剤適合性
- 水系(pH2~12)、有機系を問わず、あらゆる溶媒に使用可能
- ●新技術への適合性
- マイクロ波合成装置やフローケミストリーで使用可能
- ●優れた安定性(熱・機械的)
- オーバーヘッド攪拌器で使用可能
高い耐熱性
- ●使いやすい
- 膨潤、静電気の帯電が少ない
簡単なろ過で容易に除去
mgから数トンスケールまで使用可能
- ●多様な包装形態
- SPEや、フラッシュカートリッジに充填した製品も提供
- ●ローディング量のロット間差が少ない
- ロット間の再現性を確保
- ●大容量で提供可能
- 大量生産・常時在庫
金属スカベンジャー使用方法
金属スカベンジャー使用量の目安
金属スカベンジャーの使用量を計算する方法として、モル当量法と重量/重量法の2種類があります。
モル当量法は、正確な当量数の計算が可能ですが、予め捕捉する金属量を測定しておく必要があります。
重量/重量法は、事前の分析を省略できますが、実際の必要量より多すぎたり少なすぎたりする可能性があります。
操作手順
モル当量法
スクリーニングの段階では、捕捉する金属量に対して4~8モル当量の金属スカベンジャーをご使用ください。最適な当量数が分かった段階で、全量計算してください。
計算例)化合物 800 g 中 500 ppm (mg/kg) の Pd (Pdの分子量: 106.42 g/mol) を SiliaMetS® Thiol (ローディング量: 1.2 mmol/g) 4モル当量で捕捉する場合に必要な金属スカベンジャーの量:
重量/重量法
最初のスクリーニング実験では、スカベンジャー対粗製物の重量比を20%にして試験してください。不純物が多い場合は、 20%より多くのスカベンジャー量が必要になる場合がありますのでご注意ください。最適な当量数が分かった段階で、全量計算してください。
計算例)化合物 800 g 中 の Pd (濃度不明)を 金属スカベンジャーで捕捉する場合に必要な金属スカベンジャーの量:
金属スカベンジャー選択ガイド
捕捉したい金属と用途に応じた最も効果的な金属スカベンジャーには、以下の選択ガイドをご活用ください。
ただし、各種要因が補足効率に影響を与える場合がありますので、各用途に最適な金属スカベンジャーの選択には、金属スカベンジャーキットを用いた予備スクリーニング実験を行うことをお勧めいたします。
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:Best:Good
Scavenger | Ag | Al | Ca | Cd | Ce | Co | Cr | Cs | Cu | Fe | Gd | Hg | Ir | La | Li | Mg | Ni | Os | Pb | Pd | Pt | Rh | Ru | Sc | Se | Sn | Ti | V | W | Zn | メーカコード |
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SiliaMetS®Thiol | R51030B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®DMT | R79030B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaBond®Amine | R52030B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®AMPA | R85130B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®Cysteine | R80530B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®DEAM | R54430B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®Diamine | R49030B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®DOTA | R91030B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®Imidazole | R79230B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®TAAcOH | R69030B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®TAAcONa | R69230B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®Thiourea | R69530B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaBond®Tosic Acid | R60530B | ||||||||||||||||||||||||||||||
SiliaMetS®Triamine | R48030B |
参考文献
Antimony (Sb)
- Bennet, W. W. et al. : Environ. Sci.: Processes Impacts, 18, 992 (2016)
Cesium (Cs)
- Yudin, A. K. et al. : Chem. Eur. J., 23, 9711 (2017)
Copper (Cu)
- Tanaka, T. et al. : J. Appl. Glycosci., 64, 43 (2017)
- Minoda, M. et al. : J. Polymer Sci. Part A: Polymer Chem., 57, 681 (2019)
Iridium (Ir)
- Donohoe, J. et al. : Angew. Chem. Int. Ed., 54, 1642 (2015)
Manganese (Mn)
- Szabó, B. et al. : J. Flow Chem., 9, 13 (2019)
Palladium (Pd)
- Caille, S. et al. : Org. Process Res. Dev., 19, 476 (2015)
- Wells, K. M. et al. : Org. Process Res. Dev., 19, 1774 (2015)
- Stumpf, A. et al. : Org. Process Res. Dev., 20, 751 (2016)
- Cameron, K. et al. : J. Med. Chem., 59, 8068 (2016)
- Magano, J. et al. : J. Synth. Commun., 38, 3631 (2008)
- Toczko, J. F. et al. : Org. Proc. Res. Dev., 12, 896 (2008)
Platinum (Pt)
- Naka, K. et al. : J. Polymer Sci. Part A: Polymer Chem., 9, 4108 (2018)
Ruthenium (Ru)
- Yamamoto, T. et al. : Polym. Chem., 6, 3591 (2015)
Tin (Sn)
- Li, X. et al. : Org. Process Res. Dev., 21, 1653 (2017)
Uranium (U)
- Homma-Takeda, S. et al. : J. Synchrotron Rad., 24, 456 (2017)
Organic Impurities
- Aponte, J. C. et al. : Geochimica et Cosmochimica Acta, 189, 296 (2016)
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