汎用シリカゲル担体(NH2,C18修飾)

シリカゲルは物理的強度が強く、HPLCカラム用充填剤、中低圧カラム、オープンカラムクロマトグラフィーなどのクロマトグラフ用担体として分析、精製などにおいて最も汎用されている素材です。一般的にシリカゲルには未修飾シリカゲルと、シリカゲル表面のシラノール基に種々の官能基(ODS、NH2等)を結合し、機能を変化させた化学修飾シリカゲルがあります。 当社では化学修飾シリカゲルとして、破砕状シリカゲル(Wakogel®シリーズ)ならびに球状シリカゲル(Wakosil®シリーズ)にアミノプロピル基を結合したNH2充てん剤と、ODS基を結合したC18充てん剤を取り揃えています。
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シリカゲルの選び方

①形状
一般的に、球状シリカゲルは安価な破砕状シリカゲルと比較して、分離能・再現性の向上が期待できます。 当社ではWakogel® シリーズに破砕状シリカゲル、Wakosil® シリーズに球状シリカゲルを採用しています。

②化学修飾
化学修飾とはシリカゲル表面のシラノール基に種々の官能基を結合し、機能を変化させることです。C18修飾シリカゲルはオクタデシル基(ODS)が結合したシリカゲルで、逆相クロマトグラフィーに適しています。NH2修飾シリカゲルはアミノプロピル基が結合したシリカゲルで、順相、親水性相互作用、イオン交換での分離精製に適しています。また、未修飾のシリカゲルは主に順相クロマトグラフィーに用いられます。

③粒子径
粒子径(サイズ)が大きいほどオープンカラムに適しており、小さいほどフラッシュクロマトグラフィーやHPLCに適しています。

④細孔径・比表面積
細孔径が小さいほど、シリカゲルの比表面積が大きくなり、低分子の分離能が高くなります。逆にたんぱく質等の高分子は細孔径が大きいほど分離能が高くなります。試料の分子が細孔に出入りしやすくなるよう適切な細孔径の選択が必要です。

シリカゲル選択のフローチャート

シリカゲル選択のフローチャート

粒度分布表

粒子径(サイズ)が小さいほど、高い分離能を持ちますが、流速が遅いため、分析時間が長くなります。一方で、粒子径が大きいほど流速が早くなり、オープンカラムに適した挙動を示します。

粒度分布表

シリカゲル担体(NH2、C18修飾)の物性・規格一覧

汎用シリカゲル(NH2修飾)
品名 形状 サイズ 細孔径 細孔容量 比表面積 pH 用途 特徴
Wakogel®50NH2
Wakogel®50NH2 破砕状 38~63 μm 6.5 nm 0.7 mL/g 450 m2/g 8.5~11.5 オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー アミノプロピル基を化学修飾したシリカゲルで、順相分配および親水性相互作用、
イオン交換での分離精製に適しています。
糖類の分取が可能、塩基性化合物のテーリングを抑えられるといった特長もあります。
形状:アミノプロピル基を修飾した破砕状シリカゲル
用途:オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー
Wakosil®50NH2
Wakosil®50NH2 (HC) 球状 35~63 μm 900 m2/g 8.5~11.5 オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー アミノプロピル基を化学修飾したシリカゲルで、順相分配および親水性相互作用、
イオン交換での分離精製に適しています。
糖類の分取が可能、塩基性化合物のテーリングを抑えられるといった特長もあります。
Wakogel®50NH2と比較し、比表面積が大きく保持性能が高いため、
サンプルを多く負荷することが出来ます。
形状:アミノプロピル基を修飾した球状シリカゲル
用途:オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー
汎用シリカゲル (C18修飾)
品名 形状 サイズ 細孔径 細孔容量 比表面積 pH 用途 特徴
Wakosil® C18シリーズ
Wakosil® 25C18 (15〜30 μm 70% up) 球状 15~30 μm 12 nm 1 mL/g 330 m2/g オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー ODS(C18)基を化学修飾したシリカゲルです。
逆相分配での分離精製に適しており、
有機溶媒から水溶液まで広い範囲の溶媒を溶離液に使用することが出来ます。
品名:C18の前は粒子径を表しています。
形状:ODS基を化学修飾した球状シリカゲル
用途:オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー
Wakosil® 40C18 (30〜50 μm 70% up) 30〜50 μm
Wakosil® 50C18 38~75 μm 1.2 mL/g 280 m2/g
Wakosil® 100C18 63~212 μm 1.2 mL/g 300 m2/g オープンカラム

NH2修飾シリカゲル

Wakogel® 50NH2

Wakogel® 50NH2は、アミノプロピル基を修飾した破砕状シリカゲルです。順相分配および親水性相互作用、イオン交換での分離精製に適しています。糖類の分取が可能、塩基性化合物のテーリングを抑えられるといった特長もあります。

品名 形状 粒子径 細孔径 細孔容量 比表面積 pH 用途
Wakogel®50NH2 破砕状 38~63 μm 6.5 nm 0.7 mL/g 450 m2/g 8.5~11.5 オープンカラム、中圧、
フラッシュクロマトグラフィー

Wakosil® 50NH2 (HC)

Wakosil® 50NH2 (HC)は、アミノプロピル基を修飾した破砕状シリカゲルです。順相分配および親水性相互作用、イオン交換での分離精製に適しています。糖類の分取が可能、塩基性化合物のテーリングを抑えられるといった特長もあります。Wakogel® 50NH2と比較し、比表面積が大きく保持性能が高いため、サンプルを多く負荷することが出来ます。

品名 形状 粒子径 比表面積 pH 用途
Wakosil®50NH2(HC) 球状 35~63 μm 900 m2/g 8.5~11.5 オープンカラム、中圧、
フラッシュクロマトグラフィー

C18修飾シリカゲル

Wakosil® C18シリーズ

Wakosil® C18シリーズは、ODS(C18)基を化学修飾した球状シリカゲルです。逆相分配での分離精製に適しており、有機溶媒から水溶液まで広い範囲の溶媒を溶離液に使用することが出来ます。また、HPLCで広く使用されるODS(C18)カラムの分析条件を分取条件の設定に活かすことができ、シリカゲルによる分取への移行に比べ条件設定が容易です。

物性情報

品名 形状 粒子径 細孔径 細孔容量 比表面積 用途
Wakosil®25C18 (15〜30 μm 70% up) 球状 15~30 μm 12 nm 1 mL/g 330 m2/g オープンカラム、中圧、フラッシュクロマトグラフィー
Wakosil®40C18 (30〜50 μm 70% up) 30~50 μm
Wakosil® 50C18 38~75 μm 1.2 mL/g 280 m2/g
Wakosil® 100C18 63~212 μm 1.2 mL/g 300 m2/g オープンカラム

Wakosil®を用いたカプサイシンの分取例

グラフ

Column : Wakosil® 25C18
Column Size : 50 mm x 250 mm
Eluent : A) CH3OH/H2O=50/50 (v/v)
    B) CH3OH/H2O=80/20 (v/v)
      0→90 min. B 0→50%
      90 min. B 100%
Flow Rate : 120 mL/min. at R.T.
Detection : UV 280 nm
Sample : トウガラシ抽出液 11 mL

製品一覧

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NH2修飾シリカゲル

C18修飾シリカゲル

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    試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
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