浮遊細胞の大量培養に! ~機器・撹拌不要、培地交換の頻度を低減~

G-Rex シリーズ

Wilson Wolf社の「G-Rexシリーズ」は非接着性細胞 (T細胞、CHO、SF9 など) の培養に適しており、ポンプやミキサー、振動も不要な培養容器です。容器底面のガス透過性膜と豊富な培地量により、高密度な培養が可能です。また、大量の培地を貯める事により培地交換回数が少なくて済み、細胞増殖も速くなります。

特長

労力・コスト・場所を削減

  • 撹拌、機器不要 ⇒ インキュベーターに入れるだけ、新規の設備投資不要
  • 培地交換の頻度を低減 ⇒ 例. 交換不要/10日間培養、2回/12日間培養
  • 培地が大量に入り、ムダな空間が少ない ⇒ インキュベーター内の場所を取らない

高収量

  • 底面からガスが安定供給 ⇒ 高密度な培養が可能
  • 大量の培地が入る ⇒ 培地交換の頻度を低減 ⇒ 細胞増殖が速く短期間で回収

2種類の製品タイプ ~フラスコとマルチウェルプレート~

大量培養に適したフラスコ製品と条件検討に適したマルチウェルプレート製品を各種ラインアップしています。詳細は下記の一覧表をご参照ください。

フラスコ製品

品名 容量 培地量 ガス交換膜 細胞増殖能 培養日数/培地交換
G-Rex 10 12個 40 mL 10 cm2 5 x 106

200~400 x 106
約12日/2回
G-Rex 10M 1個 100 mL 約10日/不要
G-Rex10M-CS 3個
G-Rex100 3個 450 mL 100 cm2 50 x 106

2,000~4,000 x 106
約12日/2回
G-Rex100M 3個 1 L 約10日/不要
G-Rex100M-CS 3個

構造と使用法

Q&A

培養の途中で細胞数を確認するにはどうすればよいですか?

  1. 培地の大半(~75%、最大90%)を抜き、G-Rex容器を回して細胞を懸濁してから細胞数を測定してください。
  2. 培地中のグルコース/乳酸の濃度を測定してください。

キャップを締めるべきですか?

いいえ、ガスの移動はG-Rex容器の底部(ガス透過膜)通じて行われるため、キャップを緩めたままにする必要はありません。

通常の培養容器とは異なる注意点はありますか?

  1. フラスコと異なり、培地の色はすぐには変化しないため、目視だけではpHを判定できません。
    プロトコルに従って検討することでpHが常に許容範囲内にあることが保証されます。
  2. ピペットの先端でG-Rex容器の底部を傷つけないようご注意ください。細胞回収時は、G-Rex容器を回して懸濁してください。

再利用や再滅菌はできますか?

いずれもできません。G-Rex容器はディスポーザブルです。

“M”シリーズ、"M-CS"シリーズの利点は何ですか?

Mシリーズ:高い細胞密度、培地使用量・労働力の削減、および培養期間の短縮です。 培地の体積と表面積の10mL/cm2比の最適化によります。
M-CSシリーズ:セミオート・閉鎖系で操作を行うことが可能です(ポンプ使用)。

GatheRex

・細胞回収用ポンプ
・メーカーコード:80000E

アプリケーションデータ

① G-Rex 使用時のK562細胞の細胞密度と使用培地量

  • a:培地量を変えた場合の最大細胞密度(個/cm2)

    • 培養開始時は1.25 x 105個/cm2、培地の交換なし

    →10 mL/cm2までは使用量と最大細胞密度は 相関関係にあった

  • b:培地交換回数を変えた場合のそれぞれの細胞密度変化(個/cm2)

    • いずれも培養開始時は1.25 x 105個/cm2、培地量は10 mL/cm2
    • 培地交換回数:0回[▲]、1回(5 mL/cm2 x 2, day0,12) [■] 、3回(2.5 mL/cm2 x 4, day0,6,12,18) [■]

    →培地交換回数が少ないほど早く細胞密度が高くなった

② K562細胞密度の変化(G-Rex と通常プレートの比較)

初期細胞密度はいずれも1 x 106個/cm2、毎日培地全量の半分を交換した

a:従来型プレート[▲]による培養に比べ、G-Rex [■]では高密度な培養状態を保った
b:14日間培養した結果、G-Rexにより10倍以上の細胞密度となった

①, ②とも下記参考文献より抜粋:

Optimizing the production of suspension cells using the G-Rex “M” series
 Authors: Pradip Bajgain, et al
 Publication: Molecular Therapy - Methods & Clinical Development
 Published Date: 11/1/2014

その他参考文献:

CAR-T & TCR

Go-CART: an animal-free system for the assessment of CAR T cell function
 Authors: Pradip Bajgain, et al
 Publication: Journal of Immunotherapy of Cancer
 Published Date: 11/4/2015

CTL&VST

Manufacture of GMP-compliant functional adenovirus-specificT-cell therapy for treatment of post-transplant infectious complications
 Authors: CLAIRE HORLOCK, et al
 Publication: Cytotherapy
 Published Date : 6/1/2016

NK, Treg, HSC & Others

Large-Scale Culture and Genetic Modification of Human Natural Killer Cells for Cellular Therapy
 Authors: Natalia Lapteva, et al
 Publication: Methods in Molecular Biology
 Published Date : 1/1/2016

製品一覧

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フラスコ

マルチウェルプレート

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