電解質

リチウムイオン電池 (LIB) の電解質は、LIBの充放電に不可欠であるリチウムイオンの供給源としてはたらきます。LIBの電解質には、LIBの作動電圧である約4 Vでも分解しない電気化学的安定性に加え、高温環境での作動や保存を可能にするための熱安定性、効率的なリチウムイオン輸送のための高いイオン解離度などの条件が求められます。最も使用されている電解質は六フッ化リン酸リチウムです。六フッ化リン酸リチウムは電気化学的安定性に優れ、有機溶媒中でも比較的イオン伝導率が高く、また良質なSEIの形成に寄与することが報告されています。しかし熱安定性はそれほど高くなく、約80度で分解が始まり電池の劣化が起こるため、新しい電解質の開発が行われています。パーフルオロアルキルスルホニルイミド系のリチウム塩が電気化学的、熱的安定性に優れており、フッ素の高い電子吸引性によって電子が非局在化しており良好なイオン解離度を示すため、新しい電解質として注目されています1)

物性値2)

分子式 分子量 イオン半径(nm) 融点(℃) 電気伝導率(mS/cm)
Li(FSO2)2N (通称:LiFSI) 187.07 0.283 140 6.4
Li(CF3SO2)2N (通称:LiTFSI) 287.09 0.328 234-238 5.1
LiCF3SO3 156.01 0.268 423 1.7
LiC4F9SO3 306.03 0.335 370-380 1.1
LiPF6 151.91 0.255 165-175 5.8
LiClO4 106.39 0.234 236 5.6
LiBF4 93.75 0.227 293 3.4

電気伝導率測定条件:1 mol/dm3 LiX/PC, Pt, 25℃, 5 mV/s, 0.32 mA/cm2

※このデータは文献値です。実測値ではありませんのでご注意ください。

参考文献

  1. 金村 聖志 他:「リチウムイオン電池の部材開発と用途別応用《普及版》」 (シーエムシー出版(株)) (2018).
  2. 池田 和博 : 「第6版 電気化学便覧」 (丸善出版) (2013)

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