固体超強酸(硫酸化ジルコニア(SO4/ZrO2))
有機合成・化学工業において酸を触媒として利用することが多く、硫酸およびハロゲン化物が多用されます。しかし、これらを触媒に使用した場合、危険性を伴う、装置の腐食性が高い、触媒の分離・回収が困難、廃酸処理が必要など、多くの課題が挙げられます。
硫酸化ジルコニアは、金属酸化物の表面に硫酸イオンを吸着させ、500 ℃~600 ℃前後で焼成して得られる金属酸化物超強酸です。固体でありながら硫酸より高い酸強度を示します。反応系中を酸性にすることがなく容易に分離・回収・再利用できる触媒です。超強酸の特長を活かし、エステル化、アシル化、異性化、エーテルの合成、アルキル化、不均化、重合、分解など、様々な酸触媒反応に優れた触媒性能を示します。
超強酸の定義・・・100 %硫酸より酸性が強い酸
使用上の注意事項
- 本製品の触媒活性を充分に発揮させるため、使用直前に 400 ℃で 10 分間程度加熱乾燥することをおすすめします。
- 吸湿性があるため、使用後は湿気を避けて保管ください。
反応例
アシル化の反応例1)
※当社実用試験結果です。硫酸化ジルコニアは使用直前に前処理(400℃で10分間加熱乾燥)を行っています。
エステル化の反応例2)
(1) R1 = methyl, R2 = methyl, ethyl, propyl, butyl
(2) R1 = acryl, R2 = ethyl
(3) R1 = salicyl, R2 = methyl
(4) R1 = phthal, terephthal, R2 = octyl, 2-ethylhexyl
(5) R1 = methacryl, R2 = methyl[※1]
(6) R1 = heptyl, R2 = methyl
※1
Methacrylic Acid Conv 99%
Methyl Methacrylate Select > 99%
Reaction Condition : 130℃, LSVH 1h-1,
Methanol/Methacrilic Acid = 3/1(molar ratio)
参考文献
- Matsuhashi, H. et al. : Appl. Catal. A Gen., 360, 89 (2009).
- 荒田一志 : 和光純薬時報, 64, (No.3), 6 (1996).
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