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- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

テクニカルレポート

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】植物透明化試薬ClearSeeの実践と改良

本記事は、和光純薬時報 Vol.93 No.2(2025年4月号)において、名古屋大学 WPI-ITbM、名古屋大学 高等研究院 栗原 大輔様に執筆いただいたものです。

蛍光タンパク質の開発により、目的の対象を蛍光タンパク質で標識することで、観察対象のみを選択的に顕微鏡で観察することが可能となり、形態学はさらに進展している。しかし、生物が持つ物質や構造に由来する自家蛍光が、蛍光タンパク質の観察を妨げるという課題がある。この課題を解決するため、自家蛍光を除去し、生物組織内における屈折率の違いによる光の散乱を抑える技術として、組織透明化技術が開発されてきた。

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】遺伝子組換えタンパク質を用いたエンドトキシン測定試薬

本記事は、和光純薬時報 Vol.93 No.1(2025年1月号)において、富士フイルム和光純薬株式会社 バイオ技術センター 福地 大樹が執筆したものです。

エンドトキシンはグラム陰性細菌の細胞壁外膜に存在するリポ多糖(Lipopolysaccharide)であり、血中に入ると極微量で発熱性を示し、大量ではエンドトキシンショックから死に至るような強い毒性を示すことがある。

医薬品 製造・品質管理 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】次世代の発熱性物質試験用試薬 ~LumiMAT™の開発~

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、富士フイルム和光純薬株式会社 バイオ技術センター 七尾 友久様に執筆いただいたものです。

発熱性物質試験は非経口医薬品や医療器具中の発熱性物質の有無を検定する試験である。発熱性物質(細菌の膜成分、ウイルスDNA・RNA等)が血中に取り込まれると、それらを認識した単球やマクロファージによって免疫応答が起こる。その結果体温の上昇やショック症状・多臓器不全が惹起され、最悪の場合死に至ることが知られている。

培養 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】ヒト腎細胞3D-RPTEC®の開発と創薬研究での有用性

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、日機装株式会社 インダストリアル事業本部 精密機器技術センター 高橋 越史様、森村 馨様に執筆いただいたものです。

従来使用されていたヒトの腎臓細胞としては株化細胞の「HK-2細胞」、初代細胞の「ヒト初代近位尿細管上皮細胞(RPTEC)」がありました。これらの細胞は薬物トランスポーターの発現量が低く、培養日数によって腎臓関連の機能を失っていくことがわかっています。そのため、近年ではヒトiPS細胞由来腎オルガノイドや新鮮腎モデルを用いた研究が精力的にされています。

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】試薬を用いた細胞老化検出と関連指標の併用測定例

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、株式会社同仁化学研究所 マーケティング部 津崎 兼土様に執筆いただいたものです。

1981年Hayflickによって報告された細胞老化は、肺繊維芽細胞を8ヶ月以上継代培養した際に途中で増殖が遅くなり、細胞死に至ったことが発端となり発見された。細胞複製による老化が発端で発見された細胞老化は、その後の研究でテロメア長の縮小化だけでなく、がん遺伝子の活性化や酸化ストレス、DNA損傷等の外的要因でも引き起こされることが明らかとなった。

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