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総説

ライフサイエンス 総説

【総説】新しい抗体希釈・反応用溶液AbScale-Gを用いた3次元免疫染色

本記事は、和光純薬時報 Vol.93 No.2(2025年4月号)において、国立研究開発法人理化学研究所・脳神経科学研究センター・細胞機能探索技術研究チーム 濱 裕様、宮脇 敦史様に執筆いただいたものです。

この度、筆者らは3次元免疫染色技術であるAbScale法(Hama et al., 2015)における抗体希釈・染色用溶液の改良を行い、新たにAbScale-G液を開発した。これにより抗体の固定組織内部への浸透性を向上させることが可能になった。本稿ではその特徴を概説し、蛍光ラベルされた抗体を用いた免疫染色(以下、単に免疫染色と表現する)の例を紹介する。

ライフサイエンス 総説

【総説】CTGFとSTAT3を介した腫瘍間質反応による肝癌増大進展メカニズム

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 牧野 祐紀、疋田 隼人様に執筆いただいたものです。

結合組織増殖因子(connective tissue growth factor ; CTGF/CCN2)はCCN (CCN1-6)ファミリータンパクに属する細胞外マトリックスタンパクである。CTGFは種々の細胞から分泌され細胞外マトリックス中で様々な分子と相互作用を来たすほか、受容体を介して細胞間のシグナル伝達に関与し、細胞接着、遊走、増殖、分化、細胞外マトリックスタンパク産生など様々な生物学的...

合成・材料 ライフサイエンス 総説

【総説】核酸合成用ユニバーサルリンカー「PTリンカー」

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、徳島文理大学薬学部 張 功幸様に執筆いただいたものです。

1980年代に開発されたホスホロアミダイト法は、基質や反応条件の改良、固相合成への適用、自動化を経て、オリゴヌクレオチド合成法として現在幅広く利用されている。その合成は通常、望みのオリゴヌクレオチドの3'末端のヌクレオシドを担持した固相担体を出発原料に用いて、3'末端から一塩基ずつ(ヌクレオチド単位で)伸長していく。

合成・材料 ライフサイエンス 総説

【総説】自由自在に接着末端を設計できるPCR停止プライマーを用いたDNA連結技術の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、名古屋大学大学院 理学研究科 野村 浩平様、阿部 洋様に執筆いただいたものです。

遺伝子工学の分野では、遺伝子組み換え技術によって薬品・害虫・病気等に強い作物や、インスリンなどの薬効成分を大量合成する大腸菌の開発が行われ、農業や製薬業界といった幅広い分野での応用がなされてきました。しかし近年では、遺伝子工学の新たな段階として、人工的に遺伝子を設計・合成し、産業応用に有効な遺伝子を持つ生物を一から創り出すゲノム合成が注目されています。ゲノムサイズの長いDNAを一度に合成することは...

ライフサイエンス 総説

【総説】パーキンソン病とその関連疾患の血液バイオマーカーとしての血中カフェイン濃度の有用性

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.1(2024年1月号)において、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 徳田 隆彦様に執筆いただいたものです。

パーキンソン病(PD)は有病率が10万人あたり約150人に上る我が国で2番目に多い神経変性疾患であり、また加齢によって有病率が増加し後期高齢者では100人に2〜3人が発症する。PD患者脳に生じている特異的な生化学的・病理学的異常を反映する客観的なバイオマーカー(BM)が必要である。

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