セルアイソレーションシステム CGX10

セルアイソレーションシステム CGX10は、GMP^※適合の細胞製造および細胞分取作業で使用されることを目的とした、唯一の完全閉鎖型細胞分取システムです。
簡単な操作で様々な用途に応じた細胞分取を実現し、さらに製造プロセスの開発から生産にまで対応可能な汎用性を備えています。

滅菌状態を維持する完全閉鎖型構造の設計

独自開発の閉鎖型構造により滅菌状態を維持する設計を採用し、滅菌済み消耗品とともに使用することでチップ内において細胞分取を完結します。
チップ内で細胞を解析したのち、液の流れの制御により狙った細胞を分取します。

高速・高純度・高生存率での細胞分取

最大4波長のレーザー（405 nm/488 nm/561 nm/638 nm）の照射により得られる10個のパラメーター（特徴）に基づいて、大量の細胞を高速、高純度で処理できます。
また、ユーザーごとの優先項目に合わせた分取設定が可能です。設計上、純度優先の設定では純度約97％、分取速度優先の設定では約10万/秒の細胞分取を達成することができます。その結果、細胞薬の製造で求められる水準の生産性を実現します。

液体の制御を適切に行うことで、細胞のダメージを最小限に抑えることができます。
この設計により、分取した細胞を高い生存率で維持でき、分取した細胞に対する遺伝子導入や培養など、次の工程を効率的に進められることが期待できます。

タッチスクリーンによる高い操作性

装置上部の液晶ディスプレイにはタッチパネルを採用し、直観的な操作が可能です。
また、2種類のソフトウェアモード（「プロセス開発モード」と「スタンダードオペレーションモード」）を搭載しています。

「プロセス開発モード」では、細かい調整やカスタマイズを行い、インストラクションを作成します。

「スタンダードオペレーションモード」では、「プロセス開発モード」にて作成されたインストラクションに沿った自動細胞分取を実施します。作成したインストラクションは、複数の機器へ展開することができます。
また、「スタンダードオペレーションモード」では、GMP^※準拠の細胞製造に適したガイダンス表示をするとともに、操作履歴を記録する機能も搭載しています。

シングルユース（ディスポーザブル）のチュービングキットを採用

検体に触れる液体制御用のプラスチックチューブを含むチュービングキットは使い捨てで、1回の細胞分取ごとにすべて交換します。これにより、検体間の相互混入を防ぎます。

GMP^※準拠の細胞製造用ドキュメンテーションのサポート

遺伝子治療を含む細胞免疫療法や再生医療のGMP^※に準拠した細胞製造で使用するように設計されています。

CoA（分析証明書）、動物由来物質不使用証明書、製品情報ファイルなど、GMP^※に適合する細胞製造に必要なドキュメントを提供し、ユーザーをサポートします。

※ GMP： Good Manufacturing Practice の略。医薬品の製造所における医薬品や医薬部外品の製造管理および品質管理の基準。

項目	仕様
搭載レーザー（波長）	4本（488, 405, 561, 638 nm）
測定パラメーター数	10 前方散乱光(FSC)、側方散乱光(SSC)、 蛍光(FL) 8パラメーター
寸法（W x D x H）	700 mm x 750 mm x 1760 mm
重量	180 kg
電源	100～240 V　18 A　50/60 Hz　最大 1000W（独立 500W×2系統）