薬理試験

AnaBios社の疼痛解析サービス

AnaBios

AnaBios社のPain-Relatedサービス

 AnaBios社では、電気生理学およびカルシウムイメージングアッセイを用いて、ヒト後根神経節 (Dorsal root ganglia;DRG) に対する化合物の影響および神経興奮性を評価しています。
 パッチクランプ法を用いて神経細胞の活動電位やイオン電流を記録し、発火率、活動電位の特性、閾値 (基電流:rheobase) および静止膜電位を測定します。 
 また、蛍光を用いたカルシウムイメージングにより、化合物と受容体の相互作用の効果を解析しています。
 これらの手法を組み合わせることで、活動電位発火に伴うカルシウムの変動を詳細に測定し、化合物の神経興奮性への影響を評価いたします。

新薬開発プロセスの加速化
新規疼痛治療薬および中枢神経系治療薬の迅速な同定と検証
ヒトDRG由来のデータを活用した知見
ヒトDRGおよび脊髄組織における機能的応答を測定
作用メカニズムの解明
イオンチャネルおよび神経系興奮性に対する影響を解明
開発リスクの軽減
ヒト由来のデータを活用し、臨床結果をより早期に予測

疼痛解析サービス アッセイデータ

カルバマゼピンによる活動電位発火の阻害
図1 カルバマゼピンによる活動電位発火の阻害

 ナトリウムチャネル遮断薬 (カルバマゼピン) に暴露された10個のDRGニューロンにおける、0.1 Hz、1 Hz、3 Hz、10 Hzの電気刺激頻度での誘発活動電位の数を示す (エラーバー:標準誤差)。
 0.1 Hzでは、各DRGニューロンに対し10回の電流パルス刺激を与え、1、3、10 Hzではそれぞれの周波数で120回の電流パルス刺激を与えた。カルバマゼピンは、濃度および刺激周波数依存的に活動電位を抑制した。

Nav1.8阻害剤によるヒト後根神経節ニューロンにおけるTTX-R電流の阻害
図2 Nav1.8阻害剤によるヒト後根神経節ニューロンにおけるTTX-R電流の阻害

 AnaBios社独自の外科手術技術を用いてドナーよりDRGを採取し、専用の神経麻痺液に浸漬した状態で同社に輸送された。その後、DRGを冷神経麻痺液中で解剖し、結合組織及び脂肪を除去した。酵素処理によって単離されたDRGニューロンを培養した。
 DRGニューロンはポリ-D-リジンでコーティングされたカバーガラス上に播種され、培養開始より8日間にわたって記録が行われた。シグナルは3 kHzでフィルター処理され、10 kHzでサンプリングされた。電流は、P/-4プロトコルを用いてリーク電流を差し引き、補正した。電流の記録には、Axon Instruments 700Aアンプとデータ取得ソフトウェア (Clampex) を用いた。ナトリウム電流は、-80 mVの保持電位からI-V曲線のピークまで、50 msの電圧パルスを与えることで誘発した。刺激間隔は10秒であった。

電極内液の組成 (単位:mM):CsF(135)、MgCl2(1)、Na-ATP(2)、EGTA(1)、HEPES(10)。 電極外液の組成 (単位:mM):NaCl(20)、Choline-Cl(95)、KCl(3)、MgCl2(1)、CaCl2(2)、CdCl2(0.1)、NiCl2(0.1)、グルコース(25)、HEPES(10)、TEA(20)、TTX(0.0005)。 両試験物質はDMSOに溶解した(DMSOの終濃度:0.1%)

ヒト後根神経節ニューロンにおけるカルシウムトランジェント記録の模式図
図3 ヒト後根神経節ニューロンにおけるCa2+トランジェント記録の模式図

カルシウム指示薬 (Fluo-8) を添加し、電解刺激によって刺激されたDRGニューロンにおけるCa2+トランジェント (カルシウムステップ) の記録を示す。誘発されるカルシウムステップの形で神経興奮性も同時に測定することが可能である。複合阻害剤の効果は、阻害剤Aの添加前後のカルシウムステップ数を比較することで測定できる。

電圧刺激
図4 電圧刺激
カルシウムトランジェントの活性化
図5 カルシウムトランジェントの活性化

疼痛解析サービス ラインアップ

電流クランプアッセイ-活動電位発火

試験項目 薬物濃度 周波数 細胞数
リード候補 3 0.1, 1, 3, 10 10
Prostanglandin E2+ bradykinin 3 0.1, 1, 3, 10 10
Oxaliplain 3 0.1, 1, 3, 10 10

解析には、各化合物濃度における閾値電流 (rheobase)、安静膜電位、膜容量および各周波数での活動電位の発生頻度が含まれます。

ランプ電流クランプアッセイ-活動電位発火

試験項目 薬物濃度 細胞数
リード候補 3 10
Prostanglandin E2+ bradykinin 3 10
Oxaliplain 3 10

解析には、各化合物濃度におけるランプ電流刺激について、閾値電流 (rheobase)、安静膜電位、膜容量および活動電位の発生頻度が含まれます。

電圧電流クランプアッセイ-電圧依存性ナトリウムまたはカリウムチャネル

試験項目 薬物濃度 細胞数
リード候補 3 + 最大有効濃度 5

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