プロテオーム

PEA法による高感度プロテオミクス解析サービス

富士フイルム和光純薬株式会社

Olink®社のPEA法を用いた高感度プロテオミクス解析受託サービスを開始します。専用のqPCR装置Signature Q100を自社に導入し、当社国内研究所にてサービス提供いたします。PEA法により特異性が高く、わずか1µLの検体から最大92種類のタンパクを高感度に解析可能です。幅広い検出範囲を備えており、血清・血漿・CSF・尿などの各種生体液や培養上清など様々な検体にも対応しています。
バイオマーカー探索からトランスレーショナルリサーチまで幅広い研究に活用でき、論文記載数も急上昇中の解析技術にご興味のある方は是非ご連絡ください。

Olink社独自の検出技術:PEA法について

PEA法(Proximity Extension Assay法)とは?

Olink社独自の検出技術:PEA法について

PEA法のプロセス

①独自のDNAオリゴヌクレオチドで標識された2つの抗体が、溶液中の標的タンパクに結合します。

②その結合した抗体に標識されたDNAオリゴが近接してハイブリダイズし、DNAポリメラーゼによって伸長され、各タンパクに固有のDNAバーコードが生成されます。

③この新しく作成されたDNAバーコードはPCRによって増幅され、NGSまたは専用のqPCR装置によって読み取られます。(図はqPCRのケース)

PEA法の特長

特異性 最適な抗体ペアがターゲットに正しく結合したときのみ二本鎖DNAが結合されるため、抗体の交差性問題を回避し高い特異性を実現
微量サンプル qPCRもしくはNGSで二本鎖DNAを増幅させるため、必要サンプル量は最小で1μLから分析可能
高感度 従来法では検出が難しかったサイトカインやケモカインなども好感度に検出可能
ハイスループット 最大92種のタンパクを88サンプル同時測定可能
ダイナミックレンジ フェムトグラムからナノグラムまでの広い検出範囲をカバーします。
カスタム性 用意された200種のターゲットから15~21種を選ぶセミカスタムパネル、Olink社が持つほぼすべてのライブラリから特注で作るフルカスタムパネルを用意

用途・領域

より深い生物学的理解の研究から医薬品開発の全プロセスまで利用可能

Drug target discovery

Drug target discovery
  • pQTL_3.000以上の既知および探索タンパクの発見
  • 生物学および病態生理学の理解

In vivo/in vitro testing

In vivo/in vitro testing
  • マウス、イヌ、NHPなどの細胞におけるバイオマーカーのスクリーニング
  • 薬物の作用/効果のメカニズムの調査(標的とのエンゲージメント/PD)
  • 疾患に関与する経路の特定

Safety/dosage

Safety/dosage
Phase 1
  • 安全性と毒性の代替マーカーを同定し、適切かつ任意の投与量を決定する

Efficacy/side effects

Efficacy/side effects
Phase 2
  • 薬物の活性を調べ、有効性を測定する。

Effect/adverse event

Effect/adverse event
  • 薬効の確認と副作用のモニタリング、薬効のシグネチャーの検証
  • 分析バリデーションの実施
  • CDxの開発

Post-market surveillance

Post-market surveillance
  • 長期的な有効性、安全性、リスクとベネフィットのモニタリン グ、適応拡大、
  • 分子表現型と薬剤を一致させるための疾患エンドタイピング
  • CDxの開発開始

Target96/48/Flex/FocusPanel 各種特長

パネル 概要 測定可能サンプル数
タンパク種(パネル計)
疾患領域や主要な生物学的プロセスをターゲットにして相対定量するマルチプレックスパネル がん、がん免疫、心疾患、細胞調節、細胞応答、炎症、代謝、神経関連、臓器損傷などに対応 88サンプル/パネル
1,100種以上
サイトカインシグナル伝達と炎症プロセスを包括的に把握するために選択されたターゲットを搭載した絶対定量可能なパネル サイトカイン、免疫監視領域 40サンプル/パネル
89タンパク質
200種類の事前検証済のライブラリから最大21個を選び、個別にセミカスタマイズする絶対定量パネル 40サンプル/パネル
約200種
Olink社が保有する事前検証済のライブラリから21種類を選択し作製する絶対定量可能なフルカスタムパネル 40サンプル/パネル
5,000種以上
  • Target96(Olink社のHPへ移動します)
  • Target48(Olink社のHPへ移動します)

※Panelリスト詳細(エクセル)はこちら

サービスの流れ・試験内容・価格・納期

Target 96/48 panel 受託サービスの流れ

例)
①お問い合わせをいただきご要望内容についてお打合せ
②ご要望内容からパネルの選択、スタディデザインを調整・決定(様式を用意しております)
③お見積もり金額のご確認・ご発注、検体発送
④作業および解析を実施、データ納品

  • どの段階においても必要になり次第、秘密保持契約や委受託契約を締結いたしますのでお申し付けください

サービス概要・価格・納期

試験内容

  • スタディデザインのご相談対応・ご提案
  • サンプル前処理(ランダマイゼーション等)
  • Signature Q100を用いた分析及びOlink社ソフトウェアでの解析
  • データ報告
対応サンプル、必要量

血清、血漿、その他生体液(唾液、尿、CSF)など
血清や血漿は最低20μL、その他はご相談の上
※糞便は現状対応しておりません

価格

Target 96 Target 48
通常価格 試験基本料金 800,000~1,200,000円 700,000~800,000円
測定単価 17,500円/検体 17,500円/検体
最大対応サンプル数 88サンプル/Panel 40サンプル/Panel
最小対応サンプル数 要ご相談 要ご相談
対応タンパク質 92種/Panel 44~45種/Panel

納期

通常納期 検体受領後約1.5~2ヶ月 
※検体数や解析オプション等による変動あり

Olink社技術の実績・活用事例

実績

  • 査読付き論文掲載数は約2000報(2024年7月)
  • 多国籍製薬企業13社から構成されるUKバイオバンクPharma Proteomics Project(UKB-PPP)にOlink社の技術が採用され、5.4万検体の分析を実施。
    本プロジェクトの成果がNature誌に3報同時掲載され、プロテオゲノミクスの重要性を示した。
論文①:UKBと製薬企業によるプロジェクト
  • 5.4万検体サンプルを用いてプロテオゲノミクス解析を実施
論文②:アストラゼネカ社を中心としたプロジェクト
  • エクソームワイド関連研究(ExWAS)アプローチを用いて、レアバリアントとタンパク質発現、および表現型との遺伝的関連に焦点を当てた研究
論文③:deCODE geneticsによるプロジェクト
  • 大規模コホートを活用した2つのプロテオミクスプラットフォームの技術比較

活用事例(論文紹介)

プロテオゲノミクス

製薬企業を中心としたUKB Pharma Proteomics Projectにより、5.4万検体分のゲノムデータとOlinkのタンパク質データ(約3000タンパク)を活用し、pQTL解析を実施した。2023年10月にその成果をNature誌3報に報告した。

*Plasma proteomics associations with genetics ahd health in the UK Biobank(2023), Nature

エクソソーム

ソラフェニブとビンフルニンの併用治療を受けた転移性尿路上皮がん(mUC)患者の血漿から分離した細胞外小胞(EV)の溶解物をTarget 96 oncology 2 Panelで分析した。無増悪生存期間(PFS)や治療反応と関連するタンパク質シグネチャーが特定され、予後改善に有用である可能性が示唆された。

* Profiling of extracellular vesicles of metastatic urothelial cancer patients to discover protein signatures related to treatment outcome (2024), Molecular Oncology

Target 48 絶対定量パネル

アスピリン増悪性呼吸器疾患(AERD)の治療に有効とされているIL-4Rα阻害剤デュピルマブの効果を明らかにするために、鼻汁中のサイトカイン/ケモカインをTarget 48 Human Cytokine Panelを用いて評価した(健常対照者をコントロール)。AERD患者ではIL-6やOSMを含む複数の炎症メディエーターが増加しており、デュピルマブ治療によりこれらが有意に減少することが示されました。特に、OSMとIL-6は上皮バリア機能に悪影響を与え、AERDの病態に寄与している可能性が示唆されました。この研究は、デュピルマブが2型炎症だけでなく、自然炎症や上皮調節異常にも効果を示すことを明らかにし、AERD治療における新たな知見を提供しました。

* IL-4Rα signaling promotes barrier-altering oncostatin M and IL-6 production in aspirin-exacerbated respiratory disease (2024), The Journal of Allergy and Clinical Immunology

富士フイルム和光純薬サービスとOlinkサービスの組み合わせ

富士フイルム和光純薬 × Olink のアプリケーション例①

富士フイルム和光純薬 × Olink のアプリケーション例①
  • ある疾患患者由来の生体試料の調達、受入から当社内で実施することで臨床検体の受け入れを省略
  • 当社独自のPSアフィニティ法によって高純度にエクソソームを単離・精製
  • 単離・精製したエクソソームをOlinkプロテオミクス解析技術を用いてバイオマーカー探索

富士フイルム和光純薬 × Olink のアプリケーション例②

富士フイルム和光純薬 × Olink のアプリケーション例②
  • NGS解析による疾患患者特有の遺伝子変化等を探索・特定
  • Olinkプロテオミクス解析で得られたデータとNGSで得られたデータを組み合わせ、KeyMolnetによる分子ネットワーク解析

※KeyMolnetよる分子ネットワーク解析の詳細はこちら

その他、弊社の関連するサービスとの組み合わせも可能です。 当社による一元管理によって研究者様が行う各依頼先への対応や管理を簡略化し、より研究に専念していただけるようサポートいたします。

「こんなことはできる?」「こうしてもらえると助かるんだけど・・・」といったご相談も大歓迎です。なんでもお気軽にご相談ください。

その他資料・リンク集

各パネル情報

【Target 96 Panel】

【Target 48 Panel】

【 Target 48 Panel Mouse】

Olink掲載論文検索ページ

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