一次抗体 (細菌・ウイルス)

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2;重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)は、2019年のコロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであり、2020年3月に世界保健機関(WHO)によりパンデミックが宣言されました。
当社では新型コロナウイルスに対する抗体試薬を販売しています。

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細菌・ウイルスの侵入による抗体の産生

病原性を有する細菌やウイルスなどの侵入は生物にとって脅威となります。そこで脊椎動物(有顎類)は長い進化の過程で「抗体」という分子を用いて、体内に侵入した病原体を排除する仕組みを獲得しました。

抗体は免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質で、抗原に特異的に結合することができます。抗体が抗原に結合することで細菌の毒素を中和したり、ウイルスの感染を阻害したり、マクロファージなどによる貪食を促進したりします。

抗体はB細胞が分化した形質細胞(Plasma cells)によって産生されます。私たちの体内には特定の抗体を産生する能力を持ったB細胞が数多く存在し、細菌やウイルスの侵入に備えています。実際のこれらの病原体が体内に侵入するとその細菌やウイルスに対する抗体を産生できるB細胞が活性化され、抗体を産生します。細菌やウイルスの侵入から抗体産生までのメカニズムは以下のように考えられています。

細菌やウイルスが体内に侵入すると、まずマクロファージなどの抗原提示細胞(Antigen-presenting cells/APC)に取り込まれ、細胞内で分解されます。分解された病原体の一部はMHCクラスIIと複合体を形成し、抗原として細胞表面に提示されます。

提示されたMHCクラスII-抗原複合体は、その抗原特異的なT細胞受容体(T-cell Receptor/TCR)をもつヘルパーT細胞によって認識されます。抗原を認識したヘルパーT細胞は活性化され、B細胞に抗体産生のシグナルを送ります。

B細胞にも特定の抗原を認識するB細胞受容体(B-cell receptor/BCR)が発現しており、侵入した細菌やウイルスの抗原を捕捉したB細胞が、前述のヘルパーT細胞のシグナルを受けて形質細胞に分化し、抗体を産生します。

抗体の利用

細菌やウイルスに対する抗体は、体内での感染防御だけではなく、検査や診断、治療においても有用です。抗体を用いる免疫学的検査では、細菌やウイルスの抗原を抗体で検出する抗原検査と、体内で産生された細菌やウイルスに対する抗体を別の抗体で検出する抗体検査に分けられます。また細菌やウイルスに対して中和活性を持つ抗体は抗体医薬として治療に利用することが可能です。

参考文献

今西二郎:「免疫学の入門 (第5版)」 (金芳堂) (1999).
ブルース・アルバーツ、中村桂子 松原謙一 監訳:「Essential細胞生物学 (原書第2版)」 (南江堂) (2005).
今川和友, 山川民夫 監修:「生化学辞典 (第4版)」 (東京化学同仁) (2007).